12ギルド
「さて、そろそろ行こうか?」
昼休憩を取ったのでシーラに聞いてみた。
「そうですね、ここから1番近い町だとリグルですかね」
「ここから、どのくらいかかる?」
俺としては町の名前よりも、早く町についてハローワークか何かで日雇いの仕事を貰い、宿でゆっくり寝たい。
「ここからでしたら、半日あれば着くかと」
は、半日!遠いな。
「頑張りましょう!」
「おー」
◇
「快斗さん、あれがリグルですよ!」
「やっっと着いた」
半日歩くとか、今までの人生で無かった。
俺達は、町の入口まで行き、やはりと言うか何と言うか門番の人がいた。
「な、なぁ」
「はい?」
「やっぱり身分証とか必要なんだよね?」
「そうですね。・・・、あれ、無くしました?」
いや、元々この世界の住人じゃないんで。
何て言える訳無いよな、どう言ったら良いのやら。
「無くした人は、再発行が出来ないので、ギルドに行き新たにギルドカードを作るしかないです」
困った顔しながらシーラは言った。
「何か問題でも?」
「ここのギルドでカードを作った場合、前いたギルドの籍が消えてしまうんです。それ以外は引き継がれるのですが」
なんだ、そんな事か。
そもそも、ギルドカードを持った事ないから関係ないな。
「ちなみにカード代っていくら?」
「えーっと、確か1000ルンくらいです」
え、ルンって何?てか、1ルンいくらなの?
シーラは俺の顔を見て、お金を持ってないと分かってくれたのか、助け舟を出してくれた。
「大丈夫ですよ、私がお金だしますよ!ギルドカードと一緒にお金も落としたんですね?大体一緒にしますからね」
「あなたは女神様だったのですね?」
「え?」
そんなやり取りをし、門番の人には事情(嘘)を言って疑われたが、シーラの身分証を見せ、シーラの責任の元で俺の町への許可をもらった。
それから数分歩いた所で、リグルのギルドを見つける。
「何か思っていたのと違うな、公民館か施設みたいだ」
「何ですか、それ」
ああ、知らないよね。
「いや、何でもない。行こうかな」
「そうですね」
俺達は、ギルドの扉を開き建物の中に入る。