10またなミュリの村
魔族の襲撃から数日後。
村人達は、城から派遣された兵士達と救護班の人達の活躍により、生きていた者は回復して動ける様になっていた。
魔法凄いな。
その後、城の兵士達は一旦城に報告すると言い帰って行った。
俺はというと。
「もう、出て行かれるんですか?」
アリアは、少し寂しそうに俺に言ってきた。
「はい、俺にはやる事があるんで。それに、村も落ち着いてきたみたいですし」
俺は俺でやる事が、魔王を討伐しなくてはだしな。
「寂しいです」
アリアが上目遣いで見てきた。
あれ、イケんじゃね?これはアリアさんワンチャンあんじゃね?
大体、魔王討伐したって戻れるかどうか分からないし、何ならこっちの世界の方が俺輝いてんじゃん!
よし、魔王討伐辞めよう。
「せっかく、同じくらいの歳の話し相手が、出来たと思ったんですけど」
魔王、首を洗って待ってろ!
◇
「また、近くに来たら寄って下さいね!待ってますから」
「そうだぞ、必ず寄ってくれよ!ありがとなー!」
アリアはお父さんと一緒に手を振って見送ってくれていた。
「はい!必ず寄ります。じゃあ」
俺も手を振り返し、村から離れて歩いていく。
それから数時間経って歩いていると、開けた草原に着いた。
「おー、良い景色だ。日本じゃ中々見られない光景だぜ。よしっ、ここいらでアリアさんから頂いたお弁当でも食べるかな」
俺は、お弁当を広げてもう一度前を見た。
うん、やっぱり広いな。
一面、草原の景色を見ながらのお弁当は格別だろうな!
「頂きます!」
さっそくお弁当を食べようとした時。
「お、美味しそうですね。ひ、一口食べたいなーなんて」
「うおっ!」
後ろからいきなり女が現れ、顔を俺の肩に置きお弁当を見てきた。
だ、誰?