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君と出会った春  作者: いっつー
8/13

七話

七話になります。よろしくお願いします。

「それじゃあ、お母さん行ってくる」

「あいよ。気を付けてね」

お母さんに挨拶を済ませて、玄関の扉を開けて外に出た。

外はこの間春美に会いに行った時よりもかなり寒かった。

ポケットからスマホを出して、LINEを開く。

『おはよう。今家を出たよ』

メッセージを送った。すると十秒と経たずにLINEの通知音が鳴った。

『おはよう!私も今電車に乗ってるよ!一番後ろの席にいるから』

『了解』

(十秒と経たずに、返信を返してくるなんて文字打つの早いんだな、春美)

地味に凄いと思った。

駅について、切符を買うと、ホームに出た。

そう、今日は前に春美が言っていた旅行だ。

今日はいつもより早く起きたから、朝はかなり眠たかった。

今は自販機でココアを飲んだおかげもあって、眠気は取れている。

旅行に行くこと自体は楽しみではあったので、胸はワクワクで満ちている。

ホームのスピーカーから音が鳴った。

電車が来たのだ。

電車に入り、春美がいる席を探す。

一番後ろまで行くと、こちらに気付いた春美が手を振った。

「おはよう」

「おはよう!昨日ははちゃんと眠れた?」

「うん。ぐっすり眠れたよ」

「それならよかった。今日はうんと楽しもうね」

「もちろんさ。うんと楽しもう」

僕達は目的地に着くまで、窓の景色を見て感想を言い合ったり、目的地に着いたら何を買おうかなど色々話した。

数時間後、目的地である駅に着き、電車を降りた。

「うひょー!来ちゃいましたね都会に!どう?広人くん」

「うん。都会の空気も悪くないね」

「そういう割にはテンション低めだね。もっと明るく行こうよ」

「ごめん。これが普通なんだ」

「じゃあその普通を変えよう」

「簡単なように見えて難しいね」

少し笑ってしまった。

僕達はまずは服屋さんに行ってみる事にした。

凄い品揃えで驚いた。

「広人くん。このワンピースどう?」

春美が白色のワンピースを持ってきて僕に見せた。

あまりの白さに驚いた。

「お世辞抜きにいいと思う。春美に似合ってると思う」

「ありがとう。この服屋さん品揃え多くて最高だよ」

それは僕も同感だった。

しかし僕は元々服に無頓着だから何も買わなかった。というかお金をあまり持っていないから買えなかった。

春美が欲しいのがあったら持ってきていいよと言ってくれたが、悪いのでやめておいた。

服を見た後、お腹が空いたので昼ご飯を食べに向かった。

何処にしようか考えている時、肉のいい匂いがしたので焼肉に行く事にした。

「焼肉っていつ食べても飽きないよねぇ。そう思わない?」

「同感。焼肉とすき焼きはいくら食べても飽きないよ」

「だよね。肉は美味しい」

注文したカルビとホルモンが届いて、僕達は早速焼き始める。

早く焼けないかと待ち遠しい。

肉が焼けると、早速タレに付けて口の中へ運ぶ。

やっぱり美味しい。

「広人くん。ご飯も頼む?」

「いいの?じゃあお言葉に甘えようかな」

「大盛り?普通?」

「普通で」

「おっけい。すいませーん」

春美もご飯の大盛りを注文した。

肉とお米という贅沢を味わい、店を出た。

そのあとはショッピングモールやお寺巡りをして、楽しい時間を過ごした。

夜はすき焼きを食べた。

「美味しかったね。じゃあホテル行こうか」

「うん」

ホテルに着くまで、十分も掛からなかった。

目的地のホテルは、外見の時点で高級感があった。

中に入ると、外見に伴うように高級感もあった。

「凄い豪華な感じだ」

「でしょ?」

「春美、いい目をしているね」

「もっと褒めてくれてもいいんだよ」

フロントで受付を済ませて、部屋の鍵をもらって部屋に向かう。

部屋は一緒の部屋だ。

勿論僕は最初は反対したが、これが最後の旅行になるかもしれないと言われ、そう言われては中々断りづらかったので、渋々受け入れる事にしたのだ。

部屋の中は広くて、ベッドも大きくてと高級感満載だった。

申し分がないとはこの事だろう。

「いやぁ、いいホテルに泊まれたね。そう思わない?広人くん」

「同感だ。こんないいホテル見たことないよ」

「私達、いいホテル見つけたね」

「そうだね」

僕は荷物を降ろして、ソファに腰かけた。

今日一日歩き回ったから足が棒になった。

「夜景綺麗だよ。広人君もおいでよ」

春美に呼ばれて、僕もベランダに出た。

ベランダから見える夜景は確かに最高だった。

春美はものすごく感動したのか、目を離さない。

僕も春美もしばらく夜景を見ていた。

「広人君、お風呂先に入る?」

「僕は後でいいよ。春美が先に入りなよ」

「ありがとう。お言葉に甘えてそうさせてもらうね」

着替えを持って、お風呂場に入っていった。

僕も部屋の中に戻り、ベッドに寝転がった。

とてもふわふわしていて気持ちいい。

途中、あまりの気持ちよさに寝そうになった。

上半身を上げて、テレビをつけた。

テレビでは、グルメの事などを紹介していた。

テレビを見ていると、先ほど食べたすき焼きの味を思い出す。

とても美味しかった。

しばらくして、春美が風呂から出ていた。

Tシャツ一枚に半ズボンだった。

「お待たせ。お風呂すっごく気持ちよかったよ。浴槽も広いしで最高」

「いいね。僕もどんなものか体験させてもらうよ」

「入ったら絶対私の気持ちわかるよ」

脱衣所で服を脱いで、浴室に入る。

確かに浴槽も広いし、浴槽の中に入ると、程よい温度のお湯が体をほぐしてくれた。

僕はその気持ちよさにしばらく身をゆだねていた。

風呂からあがり、部屋に戻ると机の上にお菓子が並べられていた。

「おかえり。下のコンビニでお菓子買ってきたよ」

「ありがとう。風呂上りのお菓子最高だね」

「だよねぇ。アイスも買ってきたよ」

「ありがとう。じゃあアイスから頂こうかな」

アイスを受け取り、頬張る。風呂上りに冷たいものは最高だ。

「広人君。お風呂どうだった?」

「春美の言う通り、最高だったよ。体もすっかりほぐれた」

「それは良かった。私達、いいホテル泊れたね」

「だね。色々調べたかいがあったよ」

「広人君は、遠出とか好き?」

「うーん。嫌いではないけど、基本休日は家で過ごしているかな。家でゆっくりするのが好きだから」

「そうなんだね。でも今日の広人君、楽しそうにしているよ」

「もちろん。今日は楽しい一日だったよ。たまに遠出するのも悪くないと思えたよ」

「それはよかった。広人君は、匠君と遊んだりしないの?」

いきなり匠の名前が出た事に少し驚いた。

「休日に遊ぶって事はないかな。匠も匠で忙しいし」

「そうなんだね。昔はよく遊んでたの?」

「しょっちゅうって程ではないけど、カラオケ行ったりとかはしてたよ」

「そうなんだね。カラオケか、先生の許可もらえたら行きたいな」

「その時は一緒に行こう」

「うん。よろしくね」

僕達はそのあとしばらく他愛ない話を繰り返し、日付が変わった頃に眠気が出てきたので就寝する事にした。

「さて、そろそろ寝ようか」

「だね。女の子と一緒の布団で寝るってドキドキするでしょ。襲わないでよね」

「僕は紳士だからそんな事しないよ」

電気を消して、二人共布団に入る。

体が密着しないように、僕は少し距離を開けた。

五分もしないうちに、春美は寝息を立てて寝ていた。

僕は今日の一日を頭の中で回想しながら、眠りについた。




これからも頑張って書き続けていくので、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] いよいよ、二人は、デート外泊までに関係発展しましたね☆これから先、病気と、二人の関係、二人の心情がどうなっていくのか?楽しみにしています(*^^*)
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