表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と出会った春  作者: いっつー
3/13

二話

二話になります。よろしくお願いします

土曜日の朝、僕は電車に揺られながら目的地の病院へ向かっていた。

鈴田春美さんがいる病院は僕が住んでいる町から六つ離れた駅にあると茂美先生から聞いた。

病院は駅のすぐ近くにあるらしい。すぐ近くにあるなら、探さなくてもいいから楽だ。

しばらく電車に揺られ、ようやく病院がある駅に着いた。

駅を出ると、病院は目の前にあった。病院へ向かい中に入ると受付で要件を伝えて、部屋を教えてもらった。

エレベーターに乗って部屋のある五階へ向かう。エレベーターが上昇する度緊張が増していく。

ついに五階に到着した。僕は腹を決めて部屋へ向かう。部屋の前に来ると、扉が閉まっていたのでノックをした。すると中から「どうぞ」と声が聞こえたので、僕は扉を開けて中に入った。

部屋の中には、一人の少女がいた。その姿はまさに美少女というものだった。

「鈴田春美さん?」

「そうだけど、あなたは誰?」

「初めまして。僕は須田広人といいます。鈴田さんのクラスメイトです」

「そうなんだね。初めまして、鈴田春美です」

互いに自己紹介した後、僕は寄せ書きを彼女に渡した。

「これ、皆で書いたんだ」

そう言って渡すと彼女は笑顔でお礼を言った。

「ありがとう。嬉しい」

寄せ書きを受け取ると、早速眺め始めた。じっくりと見ている。

「皆、嬉しい事書いてくれてる。須田くんのメッセージも嬉しい」

「それはなによりだ」

「うん。こんな素敵なプレゼントをありがとう」

「どういたしまして」

渡す物は渡して要件は済ませた。これ以上ここにいる理由はないので、ここらで帰る事に決めた。

「じゃあ鈴田さん、僕はもう行くね」

「あ、待って。最後にお願いがあるんだけど」

「なに?」

「また来てくれる?」

そう言われてどう言葉を返せばいいのか戸惑ったが、もう来ることはないと言うのは冷たいから否定する事は出来なかった。

「わかった、また来るよ」

「ありがとう。嬉しい」

そう言って彼女は笑った。その笑顔はとても可愛らしかった。

病院を出て、そのまま駅へ向かった。帰りの電車はすぐに来た。

家に帰ると、手洗いうがいをして自室にこもった。

病院から帰ってきた後は、いつもと同じ休日の過ごし方だった。

翌日、学校帰りに僕達はコンビニの前でアイスを食べていた。

アイスは匠がお見舞いに行ってくれたお礼と言って奢ってくれた。

「どうだった?春美ちゃん。元気そうだったか?」

「そこまで具合悪そうには見えなかったよ」

「それは良かった。なぁ広人。お前から見て春美ちゃんどうだったよ?可愛かったか?」

「うん、可愛かったよ」

「そうだろう。あの子は可愛いんだよ。それに優しくていい子だし」

「確かに性格悪そうに見えなかったよ」

アイスを食べ終え、僕達は家路についた。

匠と別れる時、匠に呼び止められた。

「なぁ、宏人。再び頼みがある」

「なに?」

「もう一度、春美ちゃんと会ってくれないか?そして俺の事覚えてるか聞いてきてほしい」

「さすがに二度目はパス」

「そう言わずに頼む。礼はするから」

「そう言われてもさ」

僕の言葉に聞く耳持たず、匠は「頼んだぞ」と言ってそのまま行ってしまった。

なんなんだあいつは。せめて人の話を最後まで聞けよ。

不満に思いながら、僕も家路についた。














感想お待ちしてます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ