一話
一話目になります。よろしくお願いします。
「明日、誰か春美さんに寄せ書きを届けに行ってくれる人はいないかな?私が行くよりクラスメイトの誰かが行った方が春美さん喜ぶと思うな」
帰りのホームルームで、茂美先生が皆に呼びかける。
誰も手をあげようとしない。それは皆面倒くさいと思っているからだろう。
そんな中、僕は一人手をあげた。皆驚いて僕を見る。
「僕、行きます」
「ありがとう。じゃあ須田君にお願いするね」
寄せ書きを届けに行くのは僕と決まり、ホームルームは終了した。
「ありがとな、広人」
ホームルームが終わって匠が声をかけてくる。僕が鈴田春美さんの所へ行くことになったのはこいつがきっかけだ。
昼休み、突然匠は僕に寄せ書きを渡しに行ってほしいと頼んできたのだ。
なんでだよと最初は断ったが、頼めるはお前しかいない、礼は必ずすると言って押し切られた
「なぁ、なんで僕に頼んだんだ?自分で行けばいいじゃないか」
「理由はまた話す。とにかく明日頼んだぞ」
そう言って匠は教室から出て行った。お礼として何か高いものを買わせてやろうかと思った。
学校を出ると、そのまま家に帰った。
今日は体育で汗をたくさん掻いたので帰ったらすぐにシャワーを浴びた。
汗を掻いた後のシャワーはとても気持ちがいい。
シャワーを終えて部屋に入ると、そのままベッドに寝転がる。
寝転がったままぼーっとしてると、じわじわと眠気が出てきた。
眠気に負けて僕は眠りに落ちた。
夕飯の時、お母さんに起こされて目を覚ました。
一階へ降りて、ご飯を食べ始める。今日の夕飯はカレーだった。
カレーはいつ食べても美味しい。カレーを食べながらテレビを見る。
いつものようにニュースが流れていた。美味しそうな料理が映し出される。
「いつかこんな料理食べてみたいな」
お母さんがそうぽつりそういった。同感だった。僕も「そうだね」と相槌を打った。
ご飯を食べ終えて、洗面所で歯を磨いた後部屋に戻った。
ベッドに再び寝転がり、何も考えずにぼーっとしているとスマホが音を鳴らした。
スマホを手に取り確認すると、匠からLINEがきていた。
『おっす、お疲れさん。明日は頼んだぞ』
キーボードをタッチして、『了解』と送信した。
(鈴田春美さん、どんな人なんだろ)
明日見知らぬ女の人と出会う。そう思うと緊張してくる。
僕は人見知りというわけではないが、あまり自分から人に接する事はない。家族や友人である匠は別として。
今日の夜は、緊張で中々寝付けなかった。
夢である小説家になれるよう、ここで腕を磨きます。
皆さんよろしくお願いします。