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異聞喫茶 進めない君と  作者: 紫祓陸
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プロローグ


 むかしむかし、あるところに、ふつうのにんげんたちがいました。

 にんげんたちは手と手をとりあい、なかよく暮らしていました。

 たくさんのなかまがいたにんげんたちは、より便利に暮らそうと、手と手をとりあい、たくさんの道具を作り出しました。

 その道具はたくさんのにんげんたちの暮らしをゆたかにしました。

 森や川が少しだけ小さくなりました。

 にんげんたちは大切に道具を使いました。

 そのうち、ひとりのにんげんが言いました。


「もっと便利なものを作ろう」


 たくさんのなかまがいたにんげんたちは、より便利に暮らそうと、手と手をとりあい、たくさんの道具を作り出しました。

 その道具はたくさんのにんげんたちの暮らしをゆたかにしました。

 どうぶつたちの声が小さくなりました。

 にんげんたちは新しい道具にとてもよろこびました。

 そのうち、ふたりのにんげんが言いました。


「もっとすごいものを作ろう」


 たくさんのなかまがいたにんげんたちは、より便利に暮らそうと、手と手をとりあい、たくさんの道具を作り出しました。

 その道具はたくさんのにんげんたちの暮らしをゆたかにしました。

 きれいなみどりいろの山がなくなっていきました。

 にんげんたちはじぶんたちの力を誇らしく思いました。

 そのうち、さんにんのにんげんが言いました。


「今までの道具がじゃまだね」


 たくさんのなかまがいたにんげんたちは、より便利に暮らそうと、手と手をとりあい、たくさんの道具を運び出しました。

 その道具はたくさんのにんげんたちの暮らしをゆたかにしていたものでした。

 その世界には、みどりいろも、あおいろも、なくなっていました。

 にんげんたちのまわりでは、にんげんたちの声しか聞こえなくなりました。

 にんげんたちは言いました。


「もういらないね」


 にんげんたちはしあわせに暮らしました。



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