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Ep.3



「っ!?」


ましろは声にならない悲鳴をあげ、そのかに体を掴まれ奥へともって行かれた。


ずるずると引きずり込まれたその先は入口より開けた空洞でした。ましろの体を掴んでいた何かはましろの拘束を解き、四方へと消えていく。


「い、今のは何だったんだろう。それになにこれ気持ち悪い」


ましろの体にはヌメヌメとした液体が付いており、生暖かった。そして先程の何かは柔らかく、まるで軟体生物の足のような感じだった。そう思い返すとブルっと鳥肌が立った。


「気持ち悪いなんて心外だなぁ」


ましろの背後に突如、中性的な声が響いた。咄嗟に振り向き、体制を取る。

振り向いた先にいたのは長身の褐色黒髪の女性だった。


「フフフそんなに気張らなくても良いんだよ迷える人の子よ」


女の人は冷笑じみた微笑みを浮かべる。すると女の人の目が光ったように見えた。


静寂。


そして静寂を破ったのは、


「あら?」


褐色黒髪の女性の腑抜けた声だった。


****


「はいはーいマシロちゃんあーん」


「んぐ、もぐもぐ」


あれからのこと、理由はわからないが女の人の膝に乗り、チョコやらクッキーやらを食べさせられていた。それにいつの間にか洞窟から木造の家になっていた。


「あぁ^〜向こうの神もたまには良い事してくれるねー。私も偶々この世界にお使いで来たところにこんな可愛い子がいるなんてねー。はいあーん」


もぐもぐ、ごっくん。


「あなたは神様のことを知ってるんですか?それにお使い?」


「もちろん知ってるよ。違う分類の神だけど双方共に干渉してるからね。そういう私も神の一柱さ。今回は私の上司の命令でここの調査をしてるってわけ」


女の人はドヤァという文字が浮かび上がってきそうなほど隠しようがない得意顔で話す。


「なるほど、神様だったのですか。でも良いのですか?こんなところで油を売っていたらその上司の人に怒られてしまうのでは?」


「大丈夫大丈夫、うちの上司は盲目でしかも白痴だからね。休んだってそうそうバレもしないし怒るような知能もないよ。

まぁ、そのせいで突然訳の分からないまま星を破壊したり、有り余る力を拡散させて他の神性に迷惑かけているんだけどね」


途中まで笑顔で笑い飛ばしていたのが後半下を向いて憂鬱な笑みに変わっていた。


「大変なんですね」


労いの言葉をかけた瞬間、花が咲いたかのような笑顔になり、ましろを抱きしめる。


「そんなんだよー大変なんだよーもっと労ってー」


コロコロと変わる表情にましろは面白く思う。自分には表情筋が固いのか、表情があまり作れないので女の人の表情を羨ましくも思える。女の人といえばまだ名前を聞いてなかった。


「そういえばまだお名前を聞いてませんでした」


「?」という顔をして女の人は答える。


「名前かい?そーだなー」


女の人は深く考えるとポツリと「マニュ・ナイアーラ」と言った。


「マニュさんですか。いや神様だからマニュ様?」


マニュ様と言った瞬間、盛大に唾を吐きながらマニュは大笑いした。


「様だって様!あっはははっ!」


笑いながらもましろに付いた唾を拭うのを忘れない。マニュは息を整えると、


「私のことは様付けで呼ばなくてもいいよ。そもそも様なんて初めて言われたよ。普通にマニュでいいよ。」


女の人改めてマニュは様付けで呼ばれたことことがないと言っているが、もしかするとそれほどマイナーな神様だと推測できる。今もわざわざ地上に降りて調査なんてしているのもそのせいだろう。自分が思っている以上に苦労性なのかもしれない。


「じゃあマニュって呼びますね」


深く考えているとはつゆ知らず、自分が持ってきたお菓子を食べながらもふるマニュ。


「まぁ私の名前なんてどうでもいいとして。マシロちゃんは転生者だったね。私の記憶が正しければ転生者には必ず一つ恩恵があるはずなんだけど。見たところ装備品ではないようだね。となると魔法系か技能か」


ちなみに転生者というのはマニュのいう向こうの神が様々な世界の人間を連れてきて他の世界に生まれ変わったりそのまま転移するのをまとめて転生者というらしい。なぜ転生者かとわかったのはマニュに質問攻めにされたからである。その時に聞いた話だがこの世界に来た転生者は100年振りとのこと。


「一応女神ルミナという神様から技能と装備がもらっているらしいです」


「あら?でも装備らしきものは見当たらないけど...。あ、もしかしてこの子かな?」


マニュはお菓子の中からやたら大きい大福を摘む。


「キューー!?」


マシュマロが鳴いた。


「え?」


大福はみるみる毛だらけになり、手や足が生えてきた。


「ほぅ?」


大福は白いハムスターになった。


「キュッ!」


「大福がハムスターに... 」


「可愛いね」


「食べれますかね」


「オススメはしないよ」


大福が変身したから食用かと。というかなぜ大福?


「キューキュー!」


ハムスターが鳴くと頭の中に声が響いた。


“あ、どうも。ましろさんの装備兼パールホワイトハムスターでふ。”


でふ?


「僕の頭の中にこの子の声が聞こえるのですが」


「多分ルミナって神が親切に言語系のスキルでも付加してるんじゃないかな」


でもなんででふ?


「キューキュー(そうなんでふよ。ルミナ神様が精神感応のスキルの付いたこの赤い宝石を下さったのでこうしてお話ができるでふ)」


「そうでふか...」


む、このハムスターのせいで語尾が変になった。解体してやろう。マニュも「でwwwふwww」とかいってツボになってる。


「...で、ハムスター君は本当に武器なのですか?」


見た感じただのハムスターだし。まさかこのハムスターを投げつけて攻撃するのか。


「キュー!キュッキュッ!(おぉ!よく聞いてくれたでふ。ミーの正式名称は『黒水晶の大槌』というでふ。でも大槌と言っても実際は大きさも自由にできるでふ。それにあくまでミーは槌なのでマシロさんの持つスキル、『魔剣鍛冶』のための道具でふ)」


鳴き声と言葉の文字数が明らかに違うけどそのへんは関係ないのですね。


「へぇ、魔剣鍛冶かぁ」


マニュが反応する。どうやら自分の所持していたスキルは『魔剣鍛冶』らしい。そもそも魔剣とはどういうものなのだろう。前にいた世界では呪いの品として神話等に出ていたが、こちらでも呪いのかかったものなのだろうか。


「でもどうして僕のスキルを知っているのですか?」


「キュー?(普通に『鑑定』スキルを使っただけでふけど?)」


はて、その鑑定スキルというもので相手のことを知れるのであればなぜ自分のことは分からないのか。


「キュー?キューキュー!(あれ、もしかしてステータスの開き方分からないでふか?念じれば頭の中に浮かんできまふよ。)」


「念じる...」


ポーン。あ、でた。


マシロ ユヅキ


器用度 13

俊敏度 8

筋力 4

生命力 5

知力 14

精神力 ??


技能

・魔剣鍛冶Lv.1

・鑑定Lv.1

加護

・女神の祝福Lv.1

・外神の加護Lv.1


何が良いのか悪いのかは分からないけど技能欄に魔剣鍛冶の文字と鑑定の文字があった。加護欄には女神の加護と外神の加護とあるが女神はルミナ、外神はマニュのことかな。


「大体分かりました」


ステータスのことはこの先少しづつ理解しよう。


「それではマシロちゃんのスキルが魔剣鍛冶と分かったところなのでスキルの練習をしよう!」



大変お待たせいたしました。急いで書こうとするとなかなか筆が進みませんね。

ましろ「たぶんお前だけ」

あ、ましろさんチッス。生まれ変わった(二つの意味で)感想どうぞ(ニッコリ)

ましろ「人気にならなかったら〇す」

怖いですね。今度は早く面白く書きます。よろしくお願いします。

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