Ep.2
早々繋ぎとなってしまいました。
あと名前変更しました。
目を開いたそこは木漏れ日の指す、森だった。
草花は生い茂り、耳をすませば風に揺れる木々の葉擦れ、遠くでは小鳥のさえずりや小川のせせらぎが聞こえる。それは現代にはない、幻想的な風景だった。ましろはそんな光景を見て、直感する。
「本当に来たんだ......ん?」
今、知らない声が聞こえた。
「誰かいる...の...」
自ら声を発したはずなのに知らない声が聞こえた。
「あー、あー」
自分の耳に聞こえるのは少々幼いが透き通った女性のような声。ましろは自分の耳を疑う。しかし、
「周りに人影はない。いるのは僕だけ...」
どうやら自分の声と認めざるを得ないようだ。意を決して恐る恐る自分の体を見る。
布で出来た簡素な半袖の服に茶色いショートパンツ。露出した肌は驚くほど白く、腕や足は今にも折れそうなほど細い。そして少々慎ましいが胸には凸凹が...。
「.........」
さらに自分の頭からは輝くほど綺麗な白髪が垂れていた。
「.........」
そしてさらに追い打ちをかけるが如く下半身には違和感があった。
「.........」
チラッ。ショートパンツの中を覗いた。
「!?!?!?!?!?」
16年間女性経験がなく、尚且つ廃れ気味ではあったが思春期でもあるましろには刺激が強すぎたようだ。
そう、無かったのだ。本来男性には皆ついているアレが。
「なんという事だ...」
これは由々しき事態だ。まず、見ず知らずの土地に放り出されたのもあるがそこではない。
トイレどうしよう。
ましろは16年間女性経験どころか女性についての知識を全くと言っていいほど持ち合わせてなかった。そんなことを教えてくるようなフランクな友人はいなかったし恋をするようなこともなかった。男女というものは若干体の作りが違うだけと思っていた。しかし、このような状況になってしまった今、ある程度は学習しておくべきだと思った。
****
...数十分後。
「よし、探索しよう」
全て諦めました。自分の下半身がどうこうではなく、まず身の安全を確保しなければならないと思考を切り替えた。まずは森を抜け、拠点とするどこかの村か街を探さなければ。
それにしてもこの森はこんな事がどうでもいいくらい幻想的だった。木々の隙間から吹く風や光は心を洗っているかのように気持ちがよかった。そして特に危険な動物なんかは見た限りでは居なく、居たとしても鳥やリスなんかの小動物程度だ。
...数十分後。
どうやらこの森は広い様でもしかすると自分のいた場所はかなり深いところにあったのかもしれない。
...数十分後。
ましろは立ち止まる。
おかしい、かれこれ何十分も歩いたが一向に森を抜けることが出来ない。抜けるどころか風景が全く変わってないとすら錯覚する。しかし、立ち止まることは出来ない。何とかして日が暮れる前には森を抜けなければ。
...数十分後。
ポツ...ポツポツポツ...。
雨が降ってきた。急いでどこか雨を凌ぐところを探さなくては。
ましろは歩き続け疲労した足に鞭を入れ走る。すると一つの横穴を見つけた。ましろはすぐにその横穴に入っていった。
横穴の中は暖かかった。恐らく地熱か何かで温められているのだろう。快適なのには変わりない。ついでに濡れた服や髪も乾かそう。
ましろが着たまま服を絞っていると遠くにぬるりと何かが動いた気がした。
「何かいるのでしょうか...」
足音を立てぬようにゆっくりと奥へ進む。その瞬間、全方向から先程動いていた何かが襲ってきた。
「っ!?」
ましろは声にならない悲鳴をあげ、その何かに体を掴まれ奥へともって行かれた。
白髪美少女に生まれ変わった!(ここまでは計画通り)
ましろ、ナニかにお持ち帰りされる。安心してくださいノクターンにはなりません(妖しさ全開)
そうすぐルミナ視点も来ます。