戦線離脱
誰だって
しんどい想いをしたくはないし
馬鹿だって見たくはない
僕だって
そうさ
「人がいいね」って言われるくらいじゃ
とても割に合わないし
それが褒め言葉ではないことくらい
とっくの昔に気づいてる
それでも黙って笑ってたのは
わかってたから
みんなが欲しがってるのが
ぐちゃぐちゃと面倒くさい本心なんかじゃなくて
その場を盛り上げてくれる
適切かつ効果的なリアクションだと
それを絶妙なタイミングで投入できることこそが
この世界に生きる許可証なのだと
でもそれは
思い知らされ続けることでもあった
「君も来ていいよ」
にルビをふったら
「おまえはいてもいなくてもいいよ」
で
だったら
そこに僕がいる必要なんてまったくない
第一線を退く僕を
負け組だと笑うなら笑うがいいさ
何が負けかは自分で決める
取り換えのきく部品でいるためだけに
ただでさえ少ないライフ
これ以上すり減らしたりしないから