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またいつか一緒に【19話】

作者: 休止中

リレー小説(第二弾)設定・注意事項 


 ★全40話

 ★一話2000文字以上

 ★登場人物数制限なし

 ★ファンタジー要素無し

 ★SF要素無し

 ★地の文は主人公視点

 ★重複執筆可

 ★ジャンルはその他

 ★執筆予約制廃止(予約を入れてくださる著者様を拒みはしませんが、ある程度の執筆予約が入ってからの執筆開始はしません。執筆予約を入れられた著者様に関しては、活動報告に掲示させていただきます)

 ★執筆著者様は、執筆前に聖魔光闇様にご連絡ください

 ★執筆投稿後、必ず御一報ください

 ★あらすじは、前話までの要約を明記

 ★後書きに執筆著者様募集広告を添付


 1話:聖魔光闇先生 http://ncode.syosetu.com/n1590t/

 2話:日下部良介先生 http://ncode.syosetu.com/n2296t/

 3話:ふぇにもーる先生 http://ncode.syosetu.com/n3991t/

 4話:koyak先生 http://ncode.syosetu.com/n4630t/

 5話:創離先生 http://ncode.syosetu.com/n8318t/

 6話:蟻塚つかっちゃん先生 http://ncode.syosetu.com/n9612t/

 7話:聖魔光闇先生 http://ncode.syosetu.com/n1100u/

 8話:伝次郎先生 http://ncode.syosetu.com/n2759u/

 9話:koyak先生 http://ncode.syosetu.com/n4425u/

10話:このはな さくら先生 http://ncode.syosetu.com/n4766u/

11話:鳩麦先生 http://ncode.syosetu.com/n8057u/

12話:ポテトバサー先生 http://ncode.syosetu.com/n1332v/

13話:聖魔光闇先生 http://ncode.syosetu.com/n5466v/

14話:真野 優先生 http://ncode.syosetu.com/n8285v/

15話:koyak先生 http://ncode.syosetu.com/n9776v/

16話:伝次郎先生 http://ncode.syosetu.com/n1985w/

17話:キッチンタイマー http://ncode.syosetu.com/n5121w/

18話:もぃもぃ先生 http://ncode.syosetu.com/n2386x/

 病院で話を聴いている間も自動ドアのすぐ近くにあるベンチで、遥が俯いてしゃくりあげていた。

 どうしてこんな事に。

 言葉にはならなかったが、そんな思いが頭のなかで行ったり来たりを繰り返していた。

僕はただ、あいつらに復讐がしたかっただけだ。それなのに、遥まで傷ついている。

 何か声を掛けないと、僕はゆっくりと黒崎さんの手を離れるように車いすを動かした。

 黒崎さんは僕が遥と話したいのを察したのか、勝俊がどの病室にいるのか確認に行くと言って、席を外した。

「何があったんだよ」

僕は病院のベンチで震えながら俯いている遥にそっと尋ねた。

勝俊が刺された事。そして、クルマの中から見たあの光景の事。

 こんな状況で、僕の望む答えが返ってくるとは思っていない。

それでも、聞かずには居られなかった。

何かを聞かないと。そんな使命感に襲われていた。

 遥は手で顔を覆い、分からない。と震える声で答えた。

僕はそれ以上何も聞かずに、遥の横へ腰かけた。

遥の体は小刻みに震え、僕が守らないとすぐに壊れてしまいそうだ。

でも、僕には横に腰掛けて背中をなでるのが精いっぱいだった。

 それから程なくして、来栖が合流した。

「やぁ」

来栖は革の手袋をしていた。

中に詰め物でもしているのか、ずっとパーのままで柔らかそうな感じはしない。

革靴が廊下を擦る音が聞こえてきたかと思うと、黒崎さんが安堵した表情でやってきた。

「勝俊様の意識が戻られました、面会の許可もいただけましたのでこちらへ」

黒崎さんは自分が歩いてきた方向を手で指した。

遥は落ち着くまでここに居ると言ってまたうずくまる。

僕は遥は落ち着いてから来ればいい。と言った。

黒崎さんは遥に病室の番号を教えると僕の後ろへ回り、それではまいりましょう。と言って車いすを押し始めた。

 病室に居た勝俊はベッドの上で上半身を起こし、とても情けない顔をしていた。

二度も復讐されたことが相当ショックなんだろう。

良いざまだ。

 遥を奪った罰が下った。そんな気分だった。

「……よぉ」

「やぁ」

挨拶をかわす二人をよそに、僕は左手で頭を掻きながら目をそらした。

来栖は勝俊の近くへ行き、しばらくお互い目を合わせていた。

「具合はどう?」

「笑うと痛い程度、三週間もすれば退院できるらしい」

ふーん。と来栖はあまり興味のなさそうな返事をした。

来栖はいつも平常心を保とうとする。僕達がやたら騒ぐなかで来栖はいつも一歩距離を置いているような気がする。

それでも、心底ホッとしている事だろう。

 すると黒崎さんが、遥の様子を見に行くと言ってまたその場から居なくなってしまった。

 勝俊はそれを見計らってから、僕をみてこっちに来いと手招いた。

車いすを勝俊のベッドの横へ移動させた。

来栖も一緒に勝俊に近づいた。

「問題は俺じゃない。遥だ」

勝俊の声は、僕ら三人にようやく聞こえる程の大きさだった。

「遥がどうかしたのか?」

自然と勝俊と同じ声のボリュームになりながら、僕は聞いた。

「……犯人。遥を狙ってた」

それを聞いた瞬間、僕は凍りついた。

 馬鹿な。まだ遥の名前はターゲットに入れていない。

遥を狙うはずが無い。

「なんで……そんなことに」

来栖が不安そうに尋ねた。

「俺も分からねぇよ」

「な、なんでそう言いきれるんだよ」

つい口から出た。

もし本当なら、業者は何を考えているんだ。

「多分、間違い無い」

これ以上聞いても良いのか、僕が迷っていると

「遥が犯人を指差したんだよ。野球帽かぶってたし、俺は顔とか見えなかったけど、こっちの事みてたらしくってさ『あの人何してるんだろう』って。そしたらいきなり走ってきて……遥はなんとか庇えたけどな」

グッと、僕の中に何かが込み上げてきた。

 何を自慢げな事を言っているんだ。僕から遥を奪おうとしているくせに。

 それから僕らは、事件について話をした。

 しかし、犯人については未だに誰なのかもわかっていない。

その中で、僕らの出せる答えなどあるはずも無かった。

その後の僕らは、別々に行動をすることとなった。

 勝俊は病院。

 遥は事情聴取を受けに、黒崎さんから連絡を受けた両親と共に警察へ行ってしまい。僕は来栖と共に黒崎さんに送られて自宅へ帰ることとなった。

しかし、車の中にはさっきまであんなに話したのが嘘のように、沈黙が広がっていた。

お互いに、何も話さない。

 病院からは僕の家の方が近く、来栖よりも先に降りた。

「あ。ごめん一つだけ良いかな?」

何も話さなかった来栖が、黒崎さんに降ろされる僕を引きとめた。

「何だ?」

「ちょっと、教えてほしいんだけど」

「……何を?」

僕は少し嫌な予感がした。何かボロを出したのか。思い当たることを探した。

しかし、僕の考えは外れる。

「どうやったら、智哉みたいになれるかな?」

来栖は僕の全く予想していなかった質問をしてきた。

「……え?」

僕は意味が全く理解出来なかった。僕みたいになる?

「こういうこと言うのも……なんだけど、次は君が襲われる可能性だってある。でも、君はいつも誰かの事を考えてる」

訴えかけるような言葉は、だんだんと早口になって行った。

「僕は、怖くて仕方がない。今日、この後襲われるかも、そうやってずっと考えて気分が悪くなる。吐きそうにもなる」

「いや、でも……それは俺だって……」

「分かってる!」

今まで来栖が僕に向かってここまで声を荒げたのは、初めてかもしれない。

男のくせに、目に涙を浮かべながら歯を食いしばって僕を睨むように見た。

そして、空気が抜けるようにだんだんと下を向き、嗚咽する声をこぼした。

「でも……君がうらやましいよ……僕は……僕は……」

涙声でそう言った後、来栖は車のシートへ倒れ込み、拳を握りながら泣き続けた。

 また、何も言葉を返せなかった。

 車が来栖を連れて言った後も、僕は自分の部屋で項垂れていると、頭の中で来栖の言葉が繰り返された。

自分の映るディスプレイをしばらく眺めていたが、これではなにもならないと、パソコンの電源を入れた。

そしてメールを書き始める。

 相手は復讐代行業。定期メールだ。

遥の事を聞きたいが、代行業者は答えてくれそうにない。

となると、一か八か頼んでみるしかない。

 僕はメールを打ち込み始めた。

『指名した人間以外が傷つくような復讐は慎んでほしい』

「送信」

自分の背中を無理やり押して、ボタンを押した。

 すると一分もかからずにメールが返ってきた。

恐る恐る開く。

「……どうだ」

『かしこまりました。善処致します』

やった。

そう思った。もう余計な心配はしなくて済む。

 僕は拳を握りしめた。

 すると、今度は携帯電話が鳴り響いた。

勝俊からだ。

 そして、通話ボタンを押した途端耳をつんざくような声が、電話口から飛んできた。

「大変だ! は、遥が! 誘拐された!」

僕がその言葉を聞いたとたん。声の勢いに意識が吹き飛ばされたように目の前が真っ暗になった。

最後までお読みいただき有難うございます。


リレー小説二度目の挑戦ですが、なんとも、次の方に無理難題を押し付けている感が否めません……


誤字脱字等、見つけられた方はご報告をお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 執筆お疲れ様でした。 それにしても、えらい展開になってきましたねぇ。 しかし、私の中で黒崎氏はもとより、勝敏・遥への疑いが芽生えてしまいました。 なぜ遥は特定の人物を指差せたのか……。…
[良い点]  こんばんは! もぃもぃです。  執筆お疲れさまです!  なんと……! 犯人がねらっていたのは遥だったのですね(こらこら、前の作者なのに) しかも誘拐!? この先、どうなるのでしょう~…
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