過剰包装
掲載日:2026/05/25
夜に彼と喧嘩をした。
沈んだ気持ちのまま、彼のいないベッドで眠った私、
翌朝サイドボードにあったのはリボンで包まれた小さな箱。
恋人の姿は見えない。
けれど、きっと喧嘩したからお詫びだとスルリとリボンを解く。
中にあるのは指輪ケース。
強ばる手で、箱からケースを出す。
身体中の血が激しく巡っている。
パカっ。
中にあったのは虹色に輝く二枚貝の片割れ。
巡ってた血が静かに引いていくのがわかった。
背後から恋人の声が。
「君が欲しかったのは僕?それとも指輪?」
振り返った私の表情は彼からはきっと歪んで見えたはずだ。




