5.昼食
「とりあえす宿に戻って、お昼ご飯にしましょうか」
また十分ほど歩き、宿へ戻ってきた。一階部分は飯屋になっている。
「いらっしゃいませー。あ、セイカさん、おかえりなさい」
「ただいま、ティナ」
ティナ、と呼ばれた少女はすぐにセイカの後ろ、カヨの存在に気づいたようだ。
「セイカさん、後ろの人は?」
「彼女はカヨ。私のパーティメンバーよ」
「へえー、そうなんですか」
興味がないのか、それとも踏み込みすぎないようにしているのかティナの返事は軽いものだった。さっきの受付嬢とは大違いだ。
「先に宿の手続きをしますか。それとも、食事にしますか」
「手続きを先にするわ。私の部屋を一人から二人利用へ変更してくれるかしら」
「三ヶ月利用で金貨一枚です」
ポーチから金貨を一枚出し、カウンターの上に置いた。
ティナはそれを引き出しに仕舞うと、カヨの方を向いて言った。
「朝晩二食と風呂が付いています。ごゆっくりとお過ごしください」
空いている席へどうぞ、と店の方を指差して言った。奥に席が二つ空いている。
「お腹空いたわね。もちろんここは私が奢るから好きなもの頼んでいいわよ」
「じゃあ、この煮込みシチューいい?」
メニューの一番上にデカデカと書かれていて、おまけにおすすめとこれまた目立つように書かれている。
「カヨはいいものを見つける天才ね。それはこの店で一番おすすめできるものよ」
店員を呼び、注文する。カヨは煮込みシチュー、セイカはホワイトグラタンだ。飲み物も注文した。
「お待たせしましたー! 煮込みシチューとホワイトグラタン、エール二つでーす! 熱いのでお気をつけくださーい!」
「ありがとう」
どちらも時間がかかりそうな料理だが、この飯屋ではすぐに出てくる。
「勝手に注文しちゃったけど、エールは飲めるかしら?」
「たぶん飲めると思う」
「まあ、無理しないでね」
なみなみと冷えたエールが注がれたカップを持ち、掲げる。
「「カンパーイ!」」
ゴクリ、と一気にあおった。
「おいしい」
「でしょう? 冷めないうちに料理も頂きましょう」
カヨの煮込みシチューは、ゴロゴロと大きな肉と野菜が入っている。肉はフォークでホロホロと崩れ、口に入れるとスパイスが効いていて手が込んでいるのがわかる。おすすめというだけある。
セイカのホワイトグラタンは、同じスパイスの肉とパスタをクリーミーなソースがつつみ込んでいる。上にかけられたチーズは炙られていて、一緒に食べるとチーズのモチモチ感とソースの濃厚さが楽しめる。
あっという間に食べ終わってしまった。
「おいしかった。でももうお腹いっぱい」
「ここは美味い、多い、安いの三拍子が揃っているの。宿の方は少し高いけど、居心地は最高よ」
カヨはまだ見ぬ宿の部屋を想像した。
今回は飯テロ回(?)です!
描写がんばりました!!




