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世界をめぐる誓いー紅碧の邂逅ー  作者: Nodoka
1.ルミーノ王国編
2/7

1.出会い

セリフの前に改行を入れる更新をしました。本文は変わっていないので、そのまま読み進めてもらって大丈夫です

 一人の少女が森を歩いている。

 彼女を見た者はみな、美しいと思うだろう。

 長い銀髪。紅い、理知的だがその奥から溢れる好奇心と活発さできらきらと輝く瞳。しなやかさを備えつつも、ほどよく筋肉が付いた肢体。

 腰には剣を帯びているが、それも繊細だ。

 しかし次の瞬間、その美しい顔が驚愕に染められた。

 少し先の木の陰に隠れるように人が倒れている。近づくとその人が彼女と同じ少女で、魔物か自身のかはわからないが、血がべっとりと付いているのがわかった。

 少女がわずかに身じろいだ。


「っ大丈夫?! しっかりして!」


 彼女は迷わず、手持ちで最高級のポーションを少女に飲ませた。

 辺りを見渡しても少女の荷物らしきものはなく、少女自身も何も持っていない。


「ちょっと我慢してね」


 彼女は少女を抱き上げると走っていった。




「……っ」


 小さなうめき声が聞こえた。


「目、覚めた? これ飲める?」


 彼女は少女を覗き込み、液体の入った容器を渡した。


「……」


 得体の知れない少女と、薄い青色の液体。

 最初は警戒したようだが、すぐにそれは消えたようで飲み干した。


「やっぱり、大きな怪我はしていないようね」

「あなたは?」

「私はセイカ、Bランク冒険者よ。あなたの名前を聞いてもいいかしら?」

「わたしは、ぁ…かぉ……。わたしの名前はカヨです」

「カヨ、ここがどこだかわかる?」

「……宿屋?」


 カヨは迷いながら答えた。


「ええ、そうよ。ここはルミーノ王国王都ラントルにある宿屋よ」


 セイカは少女の様子を見ながら、質問を続ける。


「まず聞きたいことがあるの。あの森で倒れる前、何があったのかしら?」


 セイカが発見したとき、カヨは大量の血を浴びていて荷物もなかったが、外傷もなかった。

 もし魔物と戦っていたのだとしたら。他の場所では怪我もなく戦うことも可能かもしれないが、あの森は違う。普通、一人で入るようなところではない。

 もっとも、その森に一人でいたセイカは何者だと言われればそうなのだが。


「倒れる、前……」

「ええ。覚えてない?」

「ごめんないさい。何も」

「謝らないで。じゃあ、その前は?」


 しかし、カヨは首を横に振った。


「何も覚えていません。それに、自分が誰なのかも覚えていないです、名前ぐらいしか」

「そう……」


 セイカの紅い瞳が伏せられた。


「ごめんなさい、セイカさん」

「謝らなくていいわ。きっとショックで記憶が飛んだのね。それと、私のことはセイカ、でいいわよ。楽にしてちょうだい」


 彼女の言葉や仕草、雰囲気は相手の緊張や警戒心をほぐす。


「はい……。うん」


 二人の間に沈黙に降りた。セイカは何か考えていいるようだ。ちらりと見ると目が合った。まさかね、とセイカが小さく呟いた。


「あの、さっき冒険者って言ってたけどそれって?」

「冒険者は魔物を狩ったりするの。まあ、何でも屋みたいなものかな。興味あるの?」

「うん。でも、わたしじゃなれないよね」

「そんなことないわ。だって、冒険者は誰でもなれるもの」


 その言葉にカヨが俯いてた顔を上げた。その拍子に白銀の髪がさらりと肩から落ちた。


「それは、わたしでも?」

「ええ、もちろん」


 セイカとカヨの、紅と碧の瞳が合うと、どちらからともなく笑い声が上がった。


「そんな顔されたら、絶対に断れないじゃない」

いよいよ少女2人の登場です!

明日も20時更新です

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