2-7「北へ②」
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数日歩き、だいぶ山が近くなってきた。
たまに雪混じりの風が吹くようになり、気温も大きく下がっていた。
「寒い……」
「パレドールはもう少しじゃないか?」
峠を越えると、目線の先に多くの家屋が密集しているのが見えた。
「あれだ!」「行くぞ!」
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3人はパレドールに到着した。
その村はとても綺麗な村だった。
薄らと雪が降り積もり、全体的に白を基調とした家屋に、山で取れた水晶が町の至る所に装飾されている。
「ここはもしかして…兄さんが言ってた村?」
まずは宿屋を探す。
が、どうやらこの村に宿屋はないらしい。
すると、マールという老人が話しかけてきた。
「おぬしたち、泊まるところを探しておるのかい?」
「うん。そうなんだ。けど、この村に宿はないんだね。」
「そうじゃ。じゃがそれならわしの家の離れが空いておるから使うといい。」
「いいの?」
「ああ。ついておいで。」
3人はマールの家の使われていない離れを使わせてもらうことになった。
「それで、おぬしらはこんな辺境の村に何しにきたんじゃ?」
「ルードミリシオンに行こうと思ってね。」
「まさか、山を越えるつもりか?」
「うん。」
「悪いことは言わん。やめておけ。命がいくつあっても足らんぞ?」
「大丈夫だよ。これでも魔術士なんだ。それに、無理そうなら引き返すよ。」
「なんじゃ、魔術士なのか。じゃがそれでもおすすめはせんがな。」
「ところでマール婆、この村に"雪林檎"ってある?」
「む…雪林檎、ほー久々に聞いたわい。懐かしいのぉ」
「この村にないの?」
「うむ。雪林檎は一定の気候でないと枯れてしまう樹木でな。昔はこの村にもたくさん生えていたそうじゃが……」
「昔っていつ頃の話?」
「わしが子供の頃にはほとんど枯れてしまっていて、村には一本だけ残っていたのぉ、綺麗な果実でな。
それが70年くらい前の話じゃ。」
「70年!?」
「じゃあカルマの兄の言う村ではないのかもしれんな。ここは。」
「んー……そうだね。聞いた話とは良く似た村なんだけど……」
カルマは少し腑に落ちなかったが、70年も前に枯れてしまったのであればこの村であるはずがないと思った。
カルマ達はマールの家の離れを案内されたあと、
一度村に出て装備品の買い出しに出た。
「これ全部防寒用の革布か。すごいな。」
村にある店に行くと、そこには壁一面に獣の皮でできた衣服や布が置かれていた。
3人はそれぞれ防寒着を購入する。
「そういえば、ベルベストタイガーっていうのはどういう魔獣なんだ?」
「すべての成獣個体が上級以上の魔獣だよ。」
「長く生きるほど体が大きくなる魔獣で、四つん這いの状態でも大きいものは3mの個体がいるらしいよ。」
「え!?四つん這いで3mって……もう象だ。」
「ゾウ……?」
「いや、なんでもない。」
「でかいな。」
「基本的には3〜5体の群れで行動するらしいです。」
「上級の魔獣が3〜5体…いけるか?」
「しかも、3m越えの最大級の個体は天級とも言われていますが……」
「まじかよ……」
「まあ、ベルベスト山にしか生息しない魔獣ですし、その詳細は未確認みたいですけどね。」
「なるほどな。」
そんな話をしながらその日は宿泊先へと戻り、次の日の準備をし、その日は就寝した。




