48.カルマvsカミル②
カミルは双刃弓を構え、カルマに向かって走る。
「……!?」
カミルはそのまま弓についた刃を思い切り叩きつける。
「近距離はないと思ったかい?」
そのままカミルは両端に付いた刃で回転するように攻撃していく。
カルマはそれを何とか避けていく。
(確かに早い…けどこの距離は……)
カルマは腰の剣を強く握る。
「魔剣術 抜 炎閃斬!!」
カルマは炎の抜刀術を繰り出す。
カミルは瞬時に双刃弓で防御するが、そのまま大きく後ろに吹き飛ばされる。
「…僕の距離だよ。」
カミルは何回転かした後、膝をつき着地する。
「さすがに重いな……」
カルマは追撃するべく地面を蹴りカミルに向かって走り出す。
するとそこに一本の矢がカルマの頬をかする。
「!!??」
「気をつけないと穴が開くよ。」
カルマは驚いた。カミルが放ったその矢は他のゲド族の矢とは全くの別物であった。
「見えなかった……」
カルマはその場で剣を構え、弓を引くカミルに集中する。
カミルは矢を放つが、今度はカルマはその矢に合わせ剣を振り、何とかはじいていく。
「ほう…私の矢を見切るか…なら、これならどうだ?」
カミルは矢を強くひき、放つ。
カルマはそれをも見切り剣を振る。
「……がっ!?」
カルマは矢を見切りはじいたはずが、肩を傷つけ血を流している。
「まさか……2本?」
「ふふっ、次は防ぎ切れるかな?」
カミルは再び2本の矢で弓を引く。
カルマは剣を腰に納め静止する。
「なんだ?諦めたのか?」
カミルは警戒しながらも弓を思い切り引く。
カミルの指からも血が出ている。
「行くぞ!」
カミルは2本の矢を思い切り射る。
その矢は力強く、早く、鋭く、カルマに向かっていく。
(避けなければ致命傷を負うぞ!)
動く気配のないカルマに対し焦りを見せる。
「……!?」
カルマに向かっていった矢はカルマに届く直前で凍りつき、軌道を変えてカルマの後方に落ちていく。
「魔剣フリージア……「魔剣術 構 滴水成氷」」
「何が起こったかわからんが、矢がダメなら直接叩く!」
カミルはカルマに向かって走り出す。カルマはまだ構えたままでいる。
「隙だらけだぞ!」
カミルは双刃弓を振り上げる。
「!?」
カミルは足元を見ると足から順に勢いよく凍りついていく。
「くっなんだ…」
そしてカミルの体全てが凍りついてしまった。
カミルだけでなくカルマを中心としたその周囲の全てが氷と化している。




