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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
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26.カストリア襲撃④

 バトロフは思い出す。(バトロフ回想)


 約12年ほど前、カストリア周囲の魔獣発生の調査で、国門の外へ出た時、傷つき倒れている当時4歳のハウロスを見つけた。


 ハウロスはカストリアに保護され、怪我は完治したが、当時若干4歳だったことに加え、記憶が混濁しているようで自分がどこから来たのか両親はどこにいるのかもわからないようだった。

わかっていたのはハウロスという自分の名前と母と二人で何かから逃げていたということだけだった。


 バトロフ達、衛兵隊は数日かけ周辺地域を捜索したがハウロスの母親らしき人物はいなかった。


 その後、ハウロスは衛兵隊の兵舎に住むことになった。

 バトロフは兵舎に寝泊まりすることはたまにしかなかったが、兵舎にいるときはよくハウロスを可愛がった。

ハウロスはよく笑う良い子に成長していった。


 ある時、ハウロスにはある特異な能力があることにバトロフは気づく。それは並外れた魔力のコントロール技術である。


 戦士協会で初めて魔術を教える時に"魔鋼"という鉱物に魔力を流し込む基礎的訓練がある。

 魔鋼には魔力を流し込むことで形を変える特徴があるため、魔鋼に魔力を流し込んで魔力をコントロールするコツを掴む訓練がある。


 バトロフがハウロスにはそれをやらせてみたところ、ハウロスが手に持つ魔鋼はグニョグニョとまるで生きているかの様に形を変え、薄く広げたり、棒状に変化させたり、密度を高めて硬化したりと自由自在に操ってみせた。

通常、熟練の魔術師が魔鋼に魔力を流しても時間をかけてゆっくりと形を変えていく程度のはずだ。


「ハウロス…それどうやってやってるんだ?」

「え…と、作りたいものをイメージして作ってるだけです…」

「すごい…君は天才だ!ハウロス、君は魔術を習うべきだよ!」

「魔術?いやいいんです。ここで住まわせてもらってるだけで十分…」

 ハウロスはとても義理堅く謙虚な少年だった。


 それから何度バトロフが魔術師になるべきだと勧めても、このカストリアを離れることはないと聞かなかった。


 それからハウロスは魔鋼を使った戦闘術でカストリアの衛兵隊の中でも最も強力な兵士となった。

 (回想終了)

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