129.サリバン・グラン・ストレイブ
「ところでおぬしは戦士か?」
「あ、うん。まぁね。」
「レルフ共和国にいるということは、ガルム・プラウドか?」
「いや、今は一応ヘリオサマナの所属ってことになるのかな。」
「おお。若いのにエリートじゃのお。」
「まぁ、仮採用みたいなもんだけどね。」
「そうじゃ。小僧。わしをちっと手伝ってくれんか?」
「手伝う?なにを?」
「なに、わしの買い物に付き合って欲しいだけじゃよ。荷物持ちってやつじゃ。」
「うーん。でも、俺、少ししたらサリバンって人探しに行かないとだしなぁ。」
「ええじゃないか。少し気分転換に手伝っておくれ。」
「うん。まぁ少しならいいよ。」
「そうか!手伝ってくれるか。すまんの。」
カルマと老人は会計を済ませ、街へ出る。
老人はズボンの裾を捲っている。
「何をしてるの?」
「急いでおるんじゃろ?なら、わしも急いで買い物を済ませてやろうと思っての。ちゃんとついてくるんじゃぞ?」
「え?」
その瞬間、老人はものすごいスピードで走り出した。
「なっ!?」
カルマはその老人の足の速さに仰天しつつも、慌てて老人を追いかける。
カルマが老人に追いつくと、すでに一軒目で買い物を済ませて、次の店へ行こうとしている。
「何をしている。次へ行くぞい!」
老人はカルマに購入品を持たせると、またもや驚異的な速さで走り始める。
カルマは神速を使ってようやく老人に追いつくが、すぐにまた置いて行かれてしう。
その後もカルマは増えていく荷物を持ちながら、何とか老人についていった。
7軒ほどの店を周り、ようやく南門まで戻ってきた。
「爺さん…あんた何者?」
「ほっほっほ。小僧やるな。わしについてこれた者は久しぶりじゃあ。流石はアリディアがよこしただけのことはあるのお。」
「え!?爺さんもしかして……」
「そうじゃ。わしがサリバン・グラン・ストレイブじゃ。カルマ・ミラ・フィーランよ。」
「あっ、あれ?俺の名前……」
「ああ。アリディアから聞いておるよ。生意気な少年が尋ねるはずだから鍛えてやってほしいとな。
それで、小僧。おぬしはアリディアの弟子か?」
「いや。アリディアさんは今は一応、上司?かな。
師匠はフィルスだよ。」
「フィルス!?フィルス・アラモ・ディリアか?」
「あ、うん……」
「ふっふ。わはははは。
こりゃ面白い小僧じゃ。アリディアの部下で、フィルスの弟子か。気に入った!よし、わしが技を教えてやる。ついてこい!」
「お、いいの?」
(なんか気に入られたのかな?)




