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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
128/131

127.それぞれの想い


「はっ!」

 カルマが目を覚ますと辺りは暗くなっていた。


「カルマ!」

 目を覚ましたカルマを見て、リアが駆け寄る。


「あれ?毒が治ってる…」


「僕の回復魔術でなんとか治癒したよ。」

不思議そうに自分の体を見るカルマにセオドアが声をかける。

 

「そうだったんだ。ありがとう。」

「いや、こちらこそありがとうカルマ。君のおかげで助かったよ。」


「本当に、君がいなければ全滅していました。本当にありがとうございます。」

 グラールもセオドアに続いて感謝を伝える。


「リアさんもありがとう。助かりました。」

「いえ、私は何も……」


「それよりもう日が沈んでしまってる。急がないと」


「いや…カルマ君もう大丈夫ですよ。」

「え……?」

「後ろを見てください。」


 カルマが後ろを振り向くと、そこには石造りの大きな壁が聳え立っていた。それは砂漠の終わり、レルフ共和国の国璧である。


「これ…」

「リアさんの魔獣がここまで運んでくれたんです。

アルバート様の魔車はもう先に入国していますよ。」


「そうか。着いたんだ…」

「ええ。皆さんのおかげで何とか無事たどり着くことができました。前衛のお二人に、回復魔術士、召喚術士、誰一人欠けていても辿り着かなかったでしょうね。」


「いえ、俺だけは何もできませんでした。」

 グラールの言葉にサジが悔しそうに言う。


「そんなことないですよ。最初に狙われたのが、術士のセオドアやリアさんであれば、その程度の傷では済まなかったでしょう。君の瞬発力があったからこそです。

 それに、盗賊団の対処は見事でした。」


「あれはカルマのおかげです。」


 サジはそう言うとカルマの方を見る。

 

「……?」


「カルマ、今回はお前に助けられた。ありがとう。

 だけど、俺もヘリオサマナの先輩として、助けられてばかりではいられないんだ。次からは俺も仲間を守れるように強くなってやるからな。」


「うん!」

 カルマはサジの言葉にニコリと笑い頷いた。


「さあ、僕らも入りましょう。まずは体力を回復しなければ……」


「そうですね……」

「はい!」


 

カルマ達はレルフ共和国へ入国した。

一行は既に力を使い果たし体力の限界であり、また陽も落ちていたので、街の探索は後回しにし、その日は宿へと直行した。


 それぞれが明日からの任務のために各自の部屋へと入室していく。


 カルマも疲れ切った体を何とか動かしながら、自室の扉に手をかける。


「カルマ…」

後ろからリアがカルマに声をかける。


「ん?」


「今日はありがとう。」


「なにが?」


「私がクレアワームに狙われた時、助けてくれたでしょ?お礼言えてなかったから。」


「いいよ。リアの召喚術がなかったら誰も助かってなかっただろうし。お互い様だよ。」


「え…、そっか。そうだよね。」


「うん?どうしたの?」


 リアは少し微笑みながらも顔を俯く。カルマはその反応を不思議に思い首を傾げる。


「ううん。何でもない。明日からもよろしくねカルマ。おやすみ!」


 リアはそういうと勢いよく自室へと入っていく。


「……あ..うん。」


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