120.次の仕事
「俺は?アリディアさん。」
カルマも同じようにアリディアに近づく。
「ぬしはとりあえずいい。」
「えぇ……」
「うちのエースに勝ったんじゃ。ケチなどつけようもない。それに、ぬしのやることはすでに決めてある。」
「なんですか?」
「今度、ヘリオサマナからコロラド連邦のレルフ共和国ということに、隊を派遣する予定がある。」
「派遣?」
「外交じゃよ。そこにはガルム・プラウドの支部があるからな。」
「ガルム・プラウドって確か……」
「うむ。ヘリオサマナと同じく天級の戦士団じゃ。」
「戦士団の外交ってどういうものです?」
「・・・まぁ、ええじゃろう。ぬしも知っておいた方がいい。ぬしも体験したと思うが、近年、魔人軍による各都市の襲撃が増えてきている。
そして、緋眼の魔人も神嶺様に封じられた魔力が戻りつつあるという。
そこで、戦士協会からの後押しもあり、規模の最も大きい、ガルムプラウドとヘリオサマナで、有事に備えた連合軍を作ると言う話があるのじゃ。」
「魔人軍に対抗しうる連合軍...」
「ただの連合軍ではないぞ?賢人ルドラが達成できなかった、目標は緋衣の魔人の殲滅及び、緋眼の魔人の討伐じゃ。」
「殲滅に討伐、それはすごいですね..。それで俺は何をすれば……」
「なに。ただの道中のボディガードじゃよ。
第一回目の会談のための使節団じゃからな。万一の場合の腕利きの戦士が欲しいのじゃ。」
「なるほど…要は仕事ですね。」
「それだけじゃないぞ?到着後の会談は使節団に任せれば良いからの。ぬしにはレルフ共和国にいるある者に会ってこい。」
「誰ですか?」
「雷系の基礎魔術を作った師範代じゃ。」
「雷系の基礎魔術を作った人?」
「うむ。わしも昔、雷系の魔術についてはその方に教えを乞うたものじゃよ。」
「もしかして……それって…魔剣?」
「そうじゃ。ぬしの応徳魔術 魔剣はまだまだ強くなることのできる幅がある。」
「雷魔術の第一人者を尋ねて、その幅を広げてこいと?」
「うむ。ぬしはその遠征で雷の魔剣を仕上げてこい!」
「はい!」




