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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
116/131

115.真の力


「舐めるなぁ!上級魔術 大落雷(サンダーボルト)


 カルマの頭上から大きな雷が落ちる。

 カルマは間一髪のところで、魔剣術を解き、バックステップでその雷を避ける。


「なるほど。流石にこれだけ上級魔術を連発してくるとなると、避けるだけでも苦労するね。」


「当然だ。お前ごときには止められない。」


「いや、でも"その程度"なら、俺は届くぞ。」

 カルマ剣に炎をともす。


「なんだと……」

 ラディールは怒りで顔に血管が浮き出ている。


「魔剣フレイア!」

 カルマは地面蹴り、ラディールに向かって走り出す。


広範囲獄炎(インフェルノ)

 ラディールは周囲広範囲に炎を放出する。カルマの足元からも火柱が噴出する。


 (もっと早く動ける。)

 カルマは師匠であるフィルスの動きを思い出し、足に魔力を集中させる。

 カルマが思い切り踏み込むと、その場から消えるように方向転換をする。


「なっ……」


「ボス……なんだ、あの動きは……」

 客席でその動きを見るハウロスやカミルもこれまで見たことのないその速さに驚いている。


(もっとだ、もっと早く!)

 カルマは地面から噴き出す炎を避けながらラディールに近づいていく。

「応徳魔術 神速!」


「くそ、くそ!」

 ラディールは広範囲の魔術でカルマを捉えようとするが、カルマの速さを追えなくなっていく。


 気づけば、ラディールの背後からカルマが迫っている。

「魔剣術 (ぬき) 炎閃斬!」

 

「っく……絶対零度(アブソリュートゼロ)!!」


 ラディールが間一髪で唱えた魔術は一瞬にして周囲の全てを凍らせた。

ラディール自身の半身も氷ついており、カルマの剣はラディールの腕に触れたところで、ラディールの腕もろとも凍りつき止まっている。



 その瞬間、カルマの剣は再び勢いよく燃え始める。

カルマの周りの氷は溶け始める。

「こんな魔術じゃ、俺の魔剣は止められない。」


「っちぃ!中級魔術 氷柱の槍(アイシクルランス)


 ラディールはもう片方の手で氷の槍を放つ。

 カルマは少し後退し、その氷の槍を魔剣で両断する。


「やっぱりな…お前の基礎魔術じゃ、俺には勝てない。」

「なんだと……?」


「おまえも応徳魔術の使い手なんだろ?」

「……!!」


「なぜそんなことがお前にわかる?」


「確かにお前の基礎魔術は精度が高いし、高難度の上級魔術まで使う。だけどさ、そのレベルでなれるほど天級っていうのは軽いのか?」


「なんだと?」


「何を隠してんだよ。それが周りの人を信じない理由なのか?」

 カルマは素早い動きで駆け出し、剣を振り上げる。


「ちっ」

 ラディールは自分の周囲を囲うように巨大な氷の壁を出現させる。


 カルマは飛び上がり、壁を飛び越えラディールの遥か頭上で剣を構える。

「魔剣術 (おろし) 地砕炎剣!」


 ラディールは咄嗟に氷を発生させる。その氷の上からカルマは炎の剣を叩きつける。


 激しい爆発と共に、ラディールの氷の壁が崩れ落ちる。


「どうなったんだ……?」「まさか、やられたのか?」



土煙が晴れるとラディールの側には一本の巨木が生えており、ラディールを守っている。


「その魔術……おまえ、ベルナド家の人間だったのか。そうか、そういうことだったのか。」


 カルマは何かを察する。


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