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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
114/131

113.結界範囲

 ハウロスは剣を振り上げ、マーズに向かって飛びかかる。

「ふっ、結界魔術を舐めすぎですよ!」

 マーズは既に広域結界を解いており、自分の周りに範囲(area)結界を発動している。


「あれはさっきの反射の結界……?」

 ハウロスは再びカルマとの会話を思い出す。



 〈再び回想〉

「でも、その3種類の結界の特性だけならそこまで複雑ではなくないですか?ボスなら簡単に習得できそうですが…」

「いや、結界の種類の問題だけじゃないんだ。」

「と、いうと?」


「その結界にどういう魔術を付与するか。ここが基礎魔術であって基礎魔術ではないんだよ。結界魔術は…」


「魔術を付与?」


「例えば結界術にとても万能な魔術効果を付与したとする。そうだな…例えば"全ての攻撃を防ぐ"…とか」

「するとどうなるんですか?」

 

「結界魔術は魔術効果が広い程、結界は弱くなる。

全ての攻撃を防ぐ結界を張ったところですぐに結界は破られる。

 逆に、"炎魔術のみを防ぐ結界"を張った場合、炎魔術に対しては無類の強さを見せる結界になる。」


「魔術効果が狭いから……?」

「その通り!」


〈回想終了〉


 ハウロスはマーズの結界近くまで来ると剣を下ろす。

「……?」

 

炎の玉(エドラー)

 ハウロスは普段使わない魔術を手から放つ。


「なに!?」

 マーズは結界の中で驚いている。


「俺だって初級基礎魔術の一つくらい使えんだよ!」


「いや、でもまたはじかれるぞ……」

「いいや」

 反射結界に弾かれることを指摘するクレインをカルマが否定する。

「今度は通る……」


 ハウロスの火炎球はマーズの結界にはじかれることなく素通りし、マーズに直撃する。

「がっ……」


 マーズは後方にはじけ飛ばされる。マーズが結界内から出たことで、マーズの結界は消滅する。


 ハウロスは倒れ込んだマーズの上に飛び乗り、マーズの首にに魔鋼で作った剣を押し付ける。

「俺の魔術じゃ、大したダメージは与えられないからな。」


「そこまで!!」

 ジーダが模擬戦の終了を叫ぶ。


 ハウロスは剣の形を戻し立ち上がると、マーズに手を差し伸べる。

「よく、あの結界が"物理反射"だと気づきましたね。」

 

「物理反射か、魔鋼反射かはわからなかったんだけどな。どちらにしても魔術なら通ると思ったんだ。攻撃パターンが割れてる相手に対して、あえて結界の強度を下げることはしないと思ったからな。」


「なるほど……。結界魔術士の思考パターンを読まれたわけですね。参りました。完敗です。」

マーズは立ち上がり、ハウロスと固く握手をした。



「エイミーに続いてマーズまで……」

「こいつら本物か?」

「いやでも…次は天級のラディール」

ヘリオサマナの戦士達は唾を飲み込む。カルマリスタの予想外の実力に圧倒されたのだ。


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