107.上級剣士エイミー
「ではまずはカミル、エイミー、準備せよ!」
アリディアはカミルとエイミーの模擬戦を支持し、2人は闘技場の真ん中へ歩いていく。
集まっていた戦士達はそれぞれが闘技場を囲むように設置されている場外の席へと移動する。
「カミル、頼んだよ。」
「ああ。」
カルマはカミルに声をかける。思えばカミルに会うのも3日ぶりだ。
「カルマ!」
「ん?」
カミルは立ち去るカルマを呼び止める。
「見ていてくれ。私はもう君の足を引っ張らないよ。」
「ん、おう。がんばれ」
カルマはカミルの顔を見てニヤリと笑い拳をカミルに向ける。
カミルは双刃弓を構える。
エイミーは細長い剣を持ち、構えるでもなく、ただ佇んでいる。
カルマはカミルを見送ったあと、場外の席へと走る。
「カルマ!」
「こっちこっち!」
近くにいたクレインとリアがカルマに声をかける。
「ありがとう。隣いい?」
「あ、うん。いいよ。」
「リア、さっきはありがとう。」
「え?」
「いやさっきフォローしてくれたでしょ?」
「あ!いや、アリディア様が、よく考えてみてって言ってたから…」
「確かにリアがああ言う場で発言するのは珍しいよなー」
クレインが揶揄う様にリアに言う。
「うるさいわね。つい口に出ちゃっただけよ。」
「ところでカルマ、お前の仲間のあの子、大丈夫か?」
カルマがリアにお礼を言ったところで、クレインがカルマに話しかける。
「何が?」
「相手は上級剣士、しかもエイミーだぜ?」
「あの人強いの?」
「強いなんてもんじゃない。コロラド連邦じゃ有名な有名な戦士だ。」
「そうなんだ。まだ若いのに。」
「元々は別の戦士団で団長をしていた女でな。新星だよ。」
「新星……確か2年以内に上級になった人のことだっけ。」
「そう。しかもただの剣士じゃない。魔術を使う。」
「えっ、魔術剣士??」
「そうだ。まぁ、魔術は補助的に使うだけで上級を取ってるのは剣の方だけだがな。」
「どんな魔術を使うの?」
「まあ、それはみてればわかるさ。」




