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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
三章 戦士団ヘリオサマナ編
105/131

104.ラディールの魔術

「それで、アリディア様とはどこで出会ったんだ?」

「生まれ故郷のカストリアで、5年くらい前に」


「カストリアの生まれなのか、珍しいな。あそこには戦士協会もないだろ?」

「うん。だからこうして、カストリアを出たんだ。」


「何で戦士になろうと思ったんだ?」

「ああ、それは兄が戦士だから。」


「彼は戦士ダグラスの弟だよ。」

「え!?」


 ヤクモが補足するように答えるとクレインとリアは驚きの表情を浮かべている。


「あ、ごめん。言わないほうがよかった?」

「いや、大丈夫。隠してる訳じゃないし。」

「そうか。ならよかった。」


「そういえば、ラディールっていう戦士はどういう人なの?」

「ラディール?ああ、元々フリーの戦士で、ここらじゃ有名な戦士だったんだよ。」

 

「有名?」

「ああ、良い意味ではないけどな。」


「どういうこと?」

「ほかの戦士団が受けている任務だろうが、報酬が良ければ構わず被せて受注する。

そして、実力はあるもんだから、ほかの戦士団を出し抜いては任務を完遂していく。ついたあだ名が横取りのラディール」


「ふーん。まぁでも、戦士同士の依頼の取り合いなんてよくある話でしょ?」


「まぁな。そんなあだ名がついたのも、任務の完遂件数が多いもんだから。戦士達の僻みもあったのかも知れないな。」


「でも、そんな人がよくこんな大きい戦士団に入れたね。」


「アリディア様はその辺は寛容だからな。直接乗り込んできて入団希望を出してきたラディールをお前達と同じように公開試験で入団させたんだよ。」

 まぁ、ヘリオサマナに入ってからはさすがにおとなしくなったが、実力はあってもプライドの高いあんまり気持ちの良い奴ではないな。」

 

「私もあの人とげとげしくてちょっと怖いかも…」


「ふーん。でどんな術を使うの?」

「いや、それが基礎魔術以外見たことないんだ。」

「え?」


「彼はヘリオサマナに入ってから応徳魔術を使っていないんだよ。それでも基礎魔術もハイレベルだから十分強いんだけどね。」


「応徳魔術は使えないの?」

「さぁね。まぁアリディア様に心酔してるから使わないのかもね。」

「どういう意味?」


「ん、知らない?アリディア様は応徳魔術は使えないんだよ?」

「え?アリディアさんは天級の魔術士の中でも上位って聞いたけど…」

「そうさ。あの方はおそらく現代の魔術士ではトップだろう。しかもそれは応徳魔術の力ではなく、基礎魔術のみの力でトップなんだよ。」


「まさに"規格外"だよねぇ。」


 カルマは驚きのあまり反応ができなかった。

魔術士のカルマにはわかる。それがどれ程のことなのか。

基礎魔術は研究されつくした魔術だ。当然、基礎魔術にも弱い魔術から強い魔術があり、会得難易度もそれぞれある。

 だが、街の魔導商店に行けば、その会得方法や対処方法がずらりと並んでいるのだ。

 そんな基礎魔術のみを使って現代魔術師のトップとなったのであれば、おそらくそれは基礎魔術のレベルを逸脱した威力と発動速度、回転数などが桁違いなのだろう。

 正に規格外だ。


「で、なんでラディールのことを聞いたんだ?」

「いや、昨日会って……喧嘩を売られたというか…」

「はは、目をつけられたか。まぁ気にするな、珍しくもないんだ。」

「ははは…そうだね。」


 

「ちなみにカルマのその眼帯はどうしたの?怪我?」


 カルマはリアにそれを聞かれ、周りを見渡す。その店は随分と繁盛しており、他の席には食事や談笑楽しむ客で溢れている。

 

「んー、ここではちょっと……」

「えぇ!なにそれー」


「まぁ、明後日になればわかるよ。」

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