とある国のコロシアム(2/5)
コロシアムには、観客と真ん中のフィールドで戦っている人がいた。
「あれは拳銃か?」
そこでは拳銃やボルトアクションの小銃から自動小銃まで文字通りなんでもあった。
「少し間取りとか見ておきたいな」
戦う前に情報を手に入れようという狙いだ。
「ふむ」
手元にメモ用紙を用意して早く正確に写していく。
「これくらいで良いかな」
師匠はそこで少し考える。
「あ、ちょっと遊んでみよっと」
陸特製の炸裂弾を拳銃のマガジンに装填する。
「さーて、届け!」
射撃。
狙いは寸分違わず、どでかい機関銃を持っていた男の頭に命中した。
首から上がなくなり、小さな肉片と血飛沫に変わった。
会場は一気に熱狂に包まれた。
「さて、帰ろっと」
まるで買い物が終わった後の軽さで牢に行く。
「何が良いかなっと」
師匠は携帯食を数個ほど掴んで来た道を引き返す。
「陸、なにやってるの?炸裂弾は?」
「あ、師匠、これはそのですね」
足元には言い逃れができないような量の空薬莢が落ちていた。
「陸、できたの?」
「もちろん!!各種弾薬の弾薬箱いっぱいには」
「ならまあいいか」
「じゃあこのまま撃ちまくっても?」
「ああ、良いよ」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
陸は手に持っていた機関銃を2挺抱えてバリバリ撃った。
「陸、飯だよ」
「りょかい」
ちょうど弾の切れたそれを置いて後ろのテーブルまで行った。
「師匠、この国の食べ物ってなんですかね」
「分からな」
パサパサの保存食を口の放り込んで食事終わり。
「師匠、いつ呼ばれるんでしょうね」
「そろそろ呼ばれても良いんだけどな」
そんな話をしつつ、コーヒーを飲んで銃の手入れをしていた。
すると射撃場のドアが叩かれた。
「陸〜、出て〜」
「ん〜」
「そろそろです、準備を」
「了解です」
そして、師匠は、対物ライフルに炸裂弾を装填し、陸はどデカい機関銃にこれでもかと炸裂弾を装填する。
「一応拳銃にも炸裂弾を装填しておいてね」
師匠は45口径、陸は9mm弾を装填した。
「陸、行こう」
オリーブドラブ色の弾薬箱を横がけにして、二人はどデカい銃にスリングをかけて歩き出した。
「さて、初めは誰が相手かな?」
師匠と陸は円形の大きな広場に入った。
来た道は大きな格子で塞がれた。
「陸、前をよろしく、何か来たらとりあえず撃って」
「了解」
二人は背中合わせになり、遮蔽物を伝って歩き出した。
突然、遠くから複数の銃声が聞こえた。
「陸、左に大きく回り込める?」
「敵はいないですね」
「この感じなら今すぐに撃たれることはないね」
「音が軽いですね」
「一方は機関銃やライフルだけどもう片方は全員サブマシンガンか」
「師匠、よく分かりましたね」
「それよりもサブマシンガンの方だ、サブマシンガンの音が鳴ると相手の音が一つか二つ消えていくのが分かる」
「つまり?」
「サブマシンガンの方は相当のやり手だ」
「何人とかは?」
「陸的には何人だと思う?」
「この感じから、少なくて4人、多くて6人?」
「惜しいね、7人くらいかな」
「そんなに!?怖え、当たりたくはないなぁ」
二人は更に歩く。
「陸、止まって」
「師匠、なにが........」
「黙って」
「...........」
二人は聞き耳を立てると、遠くから何かが走ってくる足音が複数聞こえた。
「あいつら、あんなに強いなんて.......」
「ああ、どこかに一旦隠れようぜ」
さらに近づいてくる。
『陸、拳銃にサプレッサーはついていたよね?一人は足、一人は確実に吹き飛ばしてね』
『了解』
陸は拳銃を引き抜き右手で構えた。
「あと少しだぞ、ここを曲がればきっ.......」
角を警戒せずに来た男たちに陸が二連射。
一人は胸に、もう一人は左の膝に当たった。
胸の方は、大きな穴を開けて首と腰に二分割した。
もう一人の男は、左足を吹き飛ばした。
「あああああ!?!?」
いきなり左足が使えなくなり、男はバランスを崩して横転した。
陸はその隙を逃さず拳銃を左手に持ち、右手で左と右の手首の関節を破壊した。
「お、お前らはぁ!?誰だぁ?」
左足と両手を破壊されても喚き続けた。
陸は、男が抵抗できないようにすると、拳銃をしまって機関銃で周りを警戒した。
今度は師匠が拳銃を取り出し、ストライクプレートで男の頭をゴリゴリした。
「少し黙れ?君に恨みはないけど、敵が来ちゃうからね」
「は、はひぃ.......」
何事もなかったかのように黙った。
「まずは、敵について教えてくれるかな?」
「く、黒ずくめでした、ヘルメットからブーツまで全て黒、ガスマスクの目元だけが濃い赤色だった」
「武器は?」
「MP7だ.....」
師匠は納得したように頷いた。
「人数は?」
「8人だ」
「本当?」
師匠は、更に銃口を男に近づけた。
「ひぃ!ほ、ほほ、ほんとうです」
「ふむ」
やっと師匠は拳銃を下ろした。
「向こうの影まで連れて行くから少し待ってて」
「ありがてぇ、これで助かる」
一旦男を置いておくと師匠は陸と話し始めた。
『陸、いるね』
『いますね、撃ちますか?』
『引きつけて一気に撃ちたい』
『了解です』
不穏な会話を終えて師匠は男の肩を支えた。
その瞬間軽い発砲音が響いた。
「ぐぇ」
男の胸と後頭部が撃たれて奇妙な音を出して完全に沈黙した。
師匠は直前に男の体を盾にしたが足の甲を撃たれた。




