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バケモノの理想郷  作者: ダルル
7/7

理想郷(ユートピア)

ついに、最終話です。

ーークリスマスイヴ・私達の物語ーー


クリスマスイヴ、朝のこと。私は突然、彩葉ちゃんに早朝から呼び出された。


彩葉「私さ、お兄ちゃんにさ!命あげたいなぁって思うんだけど、どうかな?!」

奏音「命、、、いいね!」


命をクリスマスプレゼントに提案されて、「いいね!」と言ったのは、決して、彩葉ちゃんが、おにいに好かれていて、嫉妬したから、死んで欲しいから、なんてことは無い。

そりゃそうだ。だって私はおにいより、彩葉ちゃんのことを愛しているんだから。


私達は追い込まれていたんだ。それぞれがそれぞれの理由で。

だから、私達は壊れていたのだ。

心も、体も、、、だから、私達はもう、命なんてどうでもよかった。

だから、彩葉ちゃんの圧倒的で、革新的なクリスマスプレゼントは私も真似しておにぃにあげようかな?と思うほど完璧で、最強な提案だった。

でもあいにく、おにいが、疎遠になってから、私の誘いに来てくれなくて、今まで会うことが出来てないし、私はゆふるのために生きなきゃいけないから。

「出来ないや。」


私は彩葉ちゃんが好きだった。


だから、私は彩葉ちゃんのプレゼントのための手伝いをした。

都合のいいことに、私の呪術なら、警察も死因が分からない。


どこでも呪術で殺せたけど、私の見てない所で彩葉ちゃんが死んじゃうのは嫌だった。

私がちゃんと、彩葉ちゃんの存在を消してあげたかったから、私は彩葉ちゃん達の家で、彩葉ちゃんと私が一緒の空間で殺した。


奏音「殺すよ。準備はいい?」

彩葉「、、おっけー❗️」

奏音「私も多分、ちょっと遅れると思うけど、そっちに行くから。」

彩葉「え、奏音は生活に困ってないんじゃないの?」

奏音「色々だよ。色々。ちょっと、病んじゃって、、、」

彩葉「、、、大丈夫。ありがと、心強いよ。」

奏音「いくよ❗️」

彩葉「・・・」

奏音「3.....2.....1.....」

彩葉「」


、、、ん〜。

このプレゼントはおにいに送られることに意味がある。

これは彩葉ちゃんが死んだという贈り物だから。

ならば、おにいに何か印象的なものを植え付けることが1番重要になってくる。


よし、これにしよう。


私は彩葉ちゃんに包丁を刺すことに決めた。

1番簡単に印象に残りそうだったから。

ナイフとか包丁の扱いが下手な私でも、死んでいて、動かない相手にはしっかりと狙った位置に、、、

「あ、左腕、、、」

やっちゃった。やり直そうかな。。。

「・・・」


血だらけの彩葉ちゃんを見て、私、なんて思ったか分かる?

「ちょっと汚いな。」


これで正義。これが正義。ふざけるのも大概にしろよ。


終わってから、思った。

「あれ、死って思ったより、悲しいこと?」


感覚がズレていた。

私は人を殺しすぎた。


「いや、、いやいや、いや。これは彩葉ちゃんが望んだこと。私はしたくてやった訳じゃない。むしろ、したくなかった。だから、これは正義の行い。」


これは正義の、行い。


この殺人は難解に見せかけて、実はとても単純だったんだ。そりゃそうだ。

奏音も、彩葉も、別に犯人がバレてもいいと思ってるんだもの。

死因が謎なのもたまたまだ。

時間工作なんてせず、ただ殺した。それだけの話なのだ。


ーーーー


洸「これで、ハッピーエンドだな!めでたしめでたし。」


、、、、あ、でも。

奏音「おにい。」

洸「何?」

奏音「私の正義、揺らいだよ。」

洸「?」

奏音「正義揺らいだから、封印、機能してないかも。」

洸「え?」


ー夜ー


鈴夢「こんちはー!」

鈴夢が突然、俺と奏音の前に現れた。


防げなかった。また、こいつは解放された。

世界が、、、終わる。。。


「うわっ❗️」


気づいたら、鈴夢が俺を攻撃しており、同時に奏音がバリアで俺を守っていた。

奏音「だめ。」


鈴夢は下がる。


鈴夢「いやだなぁ。私、戦いと呼べる戦いは嫌いなんですよ。」


奏音は鈴夢を衝撃波的な何かを出して吹き飛ばす。


奏音「おにい、逃げるよ❗️弱った私じゃ、勝てない❗️」

俺「まって、戦う必要は、、ない。」

鈴夢「ないのですか?」

鈴夢は目の前に降ってきた。

僕「うん、ないよ。」

奏音「?」

僕「これは鈴夢、君の入れ知恵。」

鈴夢「私ですか?」

僕「僕が2回目に死ぬその時、君は1つの提案をした。」

鈴夢「?」

僕「つまりは、奏音と戦わずに済む方法。

【僕と奏音だけ生き残らせてくれ。代わりに、奏音は鈴夢を攻撃しない。】この提案を飲んで欲しい。」

鈴夢「、、、え、、全然、、む。。。あー、いや、いいですね❗️私も死にたくはないですし❗️本当に。」


ん?鈴夢はどこを見てるんだ?

そんな遠くを見て。

あれは、、、電波塔?


奏音「(おにいと2人っきり....)」

僕「まぁ、いいなら、成立だ。」


この物語は終わりへと向かう。


鈴夢は数多の人を殺し続ける。

僕は鈴夢を見る。

奏音はひとりで僕を見る。


あぁ、やっぱりだ。

鈴夢を観察してわかった。

鈴夢は何も、バケモノであることを隠していたわけじゃない。

最初の状態から、何も変わっていないんだ。

全てが素なんだ。裏表のない存在。


最高の存在。

彩葉のような心を温める存在。

そんでもって、彩葉と違って暗い部分すら持ち合わせていない。


これが、僕にとってのハッピーエンド。


もう、僕はどうしようもないよ。

だって、こんな世界が、こんなバケモノが、どうしようもなく好きなんだ。


好きでいたい。望んだ結末だもの。

ここを地獄思えない。思えるわけがない。


故に、ここは、ボクの理想。

僕の望み。僕の選んだ結末こそが、僕にとってのハッピーエンド。

              


・・・そう、最終地点、つまりはここが『指パッチン』・・・


・・・・・・・『理想郷(ユートピア)』・・・・・・・


ー終わりー

ー裏情報ー

・主人公の基本的な第一人称は僕。でも、この物語では、彩葉が死んだことにより、真面目モードの俺が第一人称になることが多い。そして、唯一、主人公が僕になるのは鈴夢といる時。

・主人公の名前表記が日が変わる、もしくは死に戻りする度に、洸と俺もしくは僕で入れ替わっている。

実は人格が変わっていたり?

・天城家のお父さんの名前は天城(てんじょう) 和紗(かずさ)11月17日に亡くなった理由は鈴夢と戦ったことに起因する。この時、奏音も一緒に戦っており、お父さんと奏音は彩葉と奏音の関係よりも良好。ちなみに11月17日の出来事に洸君は蚊帳の外。

・奏音は自分の正義というものを持っておらず、ゆふるの見様見真似でやってる。

・奏音は洸のことが好きみたいな感じになっているが、心の奥では割と嫌いになっている。


小説は定期的に書きたくなるので、書き終わった時にまた、会いましょう。

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