天城奏音
ー朝ー
「カーカー」カラスが鳴く。
俺は今起こっていることが理解出来ずにいた。
俺は飛び起き、カレンダーを見た。
「今日は12月25日、クリスマスの日。。。」
同じ日を繰り返している。
「俺は、、、死んで。。。」
あの一日は完全になかったことになったのか?
原理など分からない。
恐怖も感じる。
薄気味悪い。
だが、、俺の壊れた考えではこう考えてしまう。
もし、、、、これが本当に同じ時間を繰り返しているのなら、、、これは利用出来る。
俺は記憶を持っている。
この記憶を利用すれば、犯人を特定して、彩葉の話も、ゆふるの話も解決できるかも。。
「あぁ、いや、そうだった。犯人は奏音だったな。」
奏音、天城奏音俺のもう1人の妹。離婚した時に母方に引き取られたのが、天城奏音。その後、奏音が孤児院に出されていると知ったのは、彩葉にそのことを言われてから。
「・・・五十嵐の話の少女も助けたいが、まずは奏音に会いに行こう。」
だが、よくよく考えてみると、俺は奏音の場所が分からない。
最初、奏音を孤児院から引き取った家に訪ねようと思ったが、その家はここからかなり離れており、今日中に行けるような距離では無い。しかし、あの時、奏音はこの街にいた。
つまり、奏音は引き取った家に居ないということだ。
それ以上のことは何も、分からない。
まぁ、とりあえず、外に出てみるか。
ー午前ー
街を歩いた。
途中、ショッピングモールに立ち寄った。
鈴夢「お兄さん!昨日ぶりですね!」
鈴夢は突然現れた!
僕「あぁ、、昨日ぶりだね。」
鈴夢「あれ、お兄さん、元気ない?、、もしかして、彩葉ちゃん、プレゼントがお気に召さなかった!?」
鈴夢はちょっと悔しそうな顔をした。
僕「あ〜、いやいや!そんなこと無かったよ。すっごい喜んでたよ。」
言わない方がいいよね。
鈴夢「そうですか?なら、良かったのですが。。。私の、センスが光りましたね。」
僕「はは、そうだね!」
僕「それにしても、鈴夢、なんで2日連続でショッピングモールにいるの?」
鈴夢「居たらいけませんか〜?」
僕「あ〜いや、そんなことはないけどね。何を買いに来たのかな〜って。」
鈴夢「あぁ、、いえ、、私は、何も、買いに来てないですよ。。。昨日も、一昨日も。」
俺「え?」
鈴夢「何か、あれっすね。これ以上やると、私のキャラがひじょ〜に崩れそうなので、この話、もう、やめませんか?」
(???)
俺「・・分かった。」
鈴夢「そんなことより!お兄さんはどうして、またショッピングモールにいるんですか?もしかして、今日もプレゼントを買って、彩葉の喜ぶ姿が見たいんですか?お兄さんは、あれですね。彩葉の喜ぶ姿がみたいだなんて、お兄さんはロリコンですね!」
僕「なぜ、僕はプレゼントを買うという仮定の上にある、彩葉の喜ぶ姿が見たいという仮定によって、ロリコン扱いされなくちゃならないんだぁ!!!」
鈴夢「ほほう、違うと?」
僕「違うよ。」
鈴夢「(あ、違うんだ。)」
鈴夢はちょっと驚いた。
僕「本当の目的は、、、」
僕はくるっと回る。その後、鈴夢を見て。「指パッチン。」
僕「ひとさがし。」
鈴夢「、、すいません、ちょっと、お兄さん、キモイですよ。本当に。え、え〜、な、なんでしたっけ。」
ちょっと僕はしょぼんとした。
僕「人探しだよ。」
鈴夢「人、、、その人誰なんですか?」
僕「僕の妹。」
鈴夢「、、い、彩葉ちゃん❗️❓」
僕「彩葉じゃないよ、もう1人の妹、奏音って子。」
鈴夢「へぇ〜。、、、知らない子ですね。」
僕「まぁ、そっか。」
鈴夢「そうですね。警察とか行ってみたりすれば、いいんじゃないですか?村江さんとかなら、何か知ってそうですし。」
僕「確かにな!行ってくるね。」
鈴夢「はい、行ってらっしゃい。」
鈴夢「奏音ねぇ❓、、、君は奏音を殺せるのかな❓」
鈴夢は今日もショッピングモールのベンチで1人、足をぶらぶらさせながら、ただ座る。
鈴夢がショッピングモールにいることには意味がある。
それは鈴夢自身が1番よく分かっている。
『だから、私はニヤニヤしながら、お兄さんを待つんです。』
多分、彼女にとってこの時間が1番、「楽しい。」
ー昼ー
近くにあったたこ焼きを食った。
熱くて、食べるのに時間かかった。
が、美味かった。
最高。
ー午後①ー
俺「こんにちは、村江さん。」
伯聖「は、はじめまして。」
あぁ、会ったことないのか。
まぁ、いいや。
俺「すいません、自分、天城洸って言うんですけど、天城奏音について、知りませんか?」
伯聖「ご家族様ですか?」
俺「はい、そうです。」
伯聖「ん〜、知ってはいますが、どれも、ご家族様なら知っていて当然の内容になってしまいますね。」
俺「それでも、いいです。」
伯聖は考えた。
伯聖「、、ま、、そうですね。会わせましょう。部屋を案内します。着いてきてください。」
俺はドアを開けた。
そこには奏音がいた。
怖い。
当たり前だ。俺を殺した相手がここにいるんだから。
俺「なんで、いるんだ?こんなところに。」
奏音「あ、、お、にい。」
俺「すいません、伯聖さん、こいつと二人きりになっていいですか?」
伯聖「はい、まぁ、大丈夫でしょう。」
伯聖は出ていった。
少し、静寂が流れる。
その静寂を先に破ったのは奏音。
奏音「おにい、なんでここに来たの?」
俺「単刀直入に言わせてもらう、お前、、、彩葉を殺したか?」
奏音「、、、、、、」
奏音は俺を観察するように見た。
少し、奏音の視線が怖い。
奏音「殺したよ。」
あぁ、やっぱり、お前が殺したんだな。だと思った。
俺「何故、殺した。」
奏音「さぁね。」
また静寂。
俺「何故、そんなことをした?奏音は彩葉のことが好きだったじゃないか。」
奏音「好きだったよ。好きなんだよ。おにいだって、彩葉ちゃんだって、離れていても、私にとっては家族なんだから。。。だから、私は私の正義に従って、行動する。あの人がそうした様に。私は正しいと思ったことをする。私を断罪してもいいけど、そこに有意義なものは、、ない❗️」
俺「正義?」
奏音「うん、正義。紛れのない正義。私は昔から暗かった。私は誰からも愛されなかった。私は家族が好きだった。私は私ら姉妹を見た時、明らかに『寒色側の存在』だ。愛されなかった。でも、、私は生きたんだ。」
俺「・・・」
奏音「それに、、その生き方を愛してくれる人がいた。ごめんだけど、私は正直、その人のことをおにい達よりも大事にしているよ。」
俺「その人って?」
少女S「知らないと思うけどね、、、、名は『『五十嵐 夢降る』』
私の『ヒーロー』だ。
奏音『その人のためなら、私は死んでも構わないし、その人のためなら、私はおにいを殺せるよ。』
俺「そ、、奏音?」
やっぱり、奏音が怖い。どうしようもなく、怖い。
奏音「その話は今の話に関係ないんだろうね、ごめんね、おにい。」
俺「、、、ごめんけど、分からない。奏音が何を伝えたいか、分からない。言葉が断片的すぎる。正直、俺は今、奏音を憎んでいる。奏音が彩葉を殺したと言った時から、お前を殺したくてしょうがない。」
奏音「そりゃ、そうだよね、おにい、彩葉ちゃんのこと好きだったし。。。、、、まぁ、、いい感じに逃げる口実もできたし、病院から、逃げるね。」
俺「どこに行くんだ?」
奏音はぐるっと回った。そして、「指パッチンはしないよ。おにいみたいにね。」と言った。
だから、奏音は俺に顔を近づけた。
奏音「ひとさがし。」
奏音は少し間を開けて絶妙なタイミングで言った。
俺「そうか。」
奏音「ゆふるを見つけたら、おにいの得意な大声を出してよ、そしたら私、飛んでいくから。」
俺「待て、まだ行くな。」
奏音は俺を無視してドアから、出ようとした。
だから、反射的に、包丁で刺しちゃった。
奏音「え。?。。。」
やっちゃった。
奏音「し、、、ぬ、、?」
血が出る。
俺「なんで、、俺。こんなこと。。。」
奏音は倒れ、動かなくなった。
俺は奏音の顔を見る。
・・・・奏音ってこんな顔してたっけ?
奏音が、奏音ではないと言いたい訳じゃない。
俺は奏音のことをよく知らなかったのか?
当然、生き別れをしたのだから、、、、、いや、そんなことでもない気がする。
単純に俺はただ、『奏音が好きではなかった』のだ。
だから、今、俺は奏音の生死よりも、この状況をどう打開するか、考えてるんだ。
ー裏情報ー
そんなものはない❗️❗️
『『『『『★指パッチン★』』』』』