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バケモノの理想郷  作者: ダルル
3/7

五十嵐夢降る

ーー回想・五十嵐 夢降る (いがらし ゆふる)ーー


少女S「未来には、何があるの?」

孤児院の隅で、2人の少女は話し始めた。

ゆふる「楽しい事がある。」

少女S「それは、、本当なの?それは本当に、確実に言えることなの?」

ゆふる「本当だ。本当だから言えるんだ。それをその時に楽しい事だと気づけなくても、君は最期にそれが楽しい事だったと分かる。大丈夫。君の未来は楽しいものだ。」


そうやって、ゆふるはまだ先の見えない道を想像で補完する。


少女S「ねぇ、ゆふる、君の言葉は私を元気にさせてくれる。本当にありがたいよ。。。私、分かってる、わかってるよ。全て、その言葉が何一つ根拠の無い言葉だと。それでも、その言葉を信じて生きるべきだということもね。」


ゆふる「・・・そっか、、、まぁ、そうだな、私達はどんな形でも、生きるべきだ。そしたらいつか、確実に、


『夢は私達の元へ降ってくる。』」


私たちなら行けるさ。

私は私なんだから、どんな環境でも、私が私の正義だと思う行動をし続ける限り


 私の心は、私は壊れない。


もしさ、私が私の親に産まれなかったら、平穏な暮らしができたんだろうか?

うううん、それも多分、違うんだろうな。

私はどんな場所に産まれても、世界は酷く見え、私はそれを打破しようと思うんだろうな。


ー学校ー


中学3年生のころ。つまり、今から2年前。


いじめられてる子がいた。でも、その子はいつも笑っていて、まるで、嫌がっていないような反応を見せていた。私はその子が可哀想に思った、だが、私はその子を助けれずにいた。


ある日、いじめてるやつが私の正義の一線を超えた。


「なぜそんなことする❓❗️」


私はいじめっ子に怒鳴った。


教室中の視線が私の元へ向かってきた。。

少し静寂が起こった後、教室中がざわつき始めた。


その声が、私を無性にイライラさせるんだよ。「本当に。」

いじめてるやつが少々きょとん、とした後に笑い始めた。

いじめられてる子はそれに同調するように、こちらを蔑む(さげすむ)ような目で見てくる。


私は怒ってんのに、相手は怒っていないんだ。


誰からも、私は相手にされていなかったんだ。


私は絶望したさ。誰もが私を見ているのに、観ていない。


つらい、つらい、、つらい❗️でも、、私は、、、


笑われ物にされて、それでも「生きて。」

誰かのために一生懸命になって、それでも報われなくて、

でも、「頑張ろう」って前向きに「生きて。」


私は私自身が壊れないように「生きる」という暗示をかけ、心身がぼろぼろになっても、問題の全ては私のせいと、私は私を悔やみ続け、自壊させる。


全ては私のせいであり、私は反省をしなければならない。当たり前だ。私の行動で、こんな結果になったのだ。


ならば、私はそのようなことが二度と怒らないように反省する。


「どうやったら、もっとみんなが楽しく生きていけるだろうか?

どうやったら、誰も悲しまないように動くことが出来るのだろうか?」


私は考えて、考えて、考えて。答えて、答えて、答えて答え続けてきた。

そして答えると同時に、私は間違え続けてきた。


ねぇ、、、、、、、


「この結末は、、、私だけのせいで起こったことなの❓」


これは全部、本当に全部、私自身の問題なの❓


ミスを犯して、反省すればいつかはミスが無くなると私は思ってた。

でも、私では無い奴らに理由があるとすれば?


それって、、、「私のミスじゃない❓❓」


私のせいじゃないのに・・・・

私のせいじゃないのに。

私じゃない。のに。私は正義を貫いただけなのに。

私を嘲笑うヤツらの方が何億倍と悪いのに。


『私は私の出来ることを一生懸命頑張っただけなのに、、、私の力では何者も助けることなんて出来ない。私の小さな掌では誰の心も、救えない...』


伯聖「こんにちは、ゆふるさん、私は村江、、、精神科医の村江 伯聖です。」

ゆふる「はい、、」誰お前。

伯聖「まずは精神を落ち着かせよう、ずっと怒っているような子は冷静に慣れていないことが多いからね。」

ゆふる「はい」私は冷静だよ。

伯聖「よし!いい子だ。君の将来の話をしよう。」

ゆふる「将来」イラつく、適当に言ってることが丸分かりだ。

伯聖「そうさ、将来。ここで暗いことは考えちゃダメだよ。何でもいいから、自分の楽しみなことをかんがえてごらん。明日の晩御飯は何か、とか。明日は苦手教科の授業がない、とか。」

ゆふる「そうだよね。うん。楽しいことを考えるよ。」

伯聖「その意気だ。」


~~~~~


ゆふる「今日はありがとうございました。」

伯聖「うん。力になれて良かったよ。」


私は1人、暗闇の中を歩く。

私は自分の考えを整理しながら歩いていた。


私が嫌なことなんて、考えなくても大丈夫なんだ。そうなんだ。

「楽しいことだけを考えよう」


人生なんて、ゲームみたいなものなんだから!自分のいい事だけを考えよう!


「そうさ、そうさ、アイツらが苦しんで泣いてるところを想像しよう❗️最高じゃん!ねぇ、、。、、本当に、、、さいっ、、こう、、だよ。」


私の心は悲運にも、私の心を守っていた正義によってズタボロにされるのだ。

私は私を理解しているつもりでいる。

私は苦しい狭間の中、悶え続ける運命にある。


私はアイツらを憎まない、憎めない、『憎めるはずがないに決まっている。』

それが私の信じた正義なのだから。


正義が壊されて、私が正義について考えてしまったら、私の心が壊れてしまうことなんて分かりきってるのに、悩まずには居られない。ただ苦しい。本当に、救いが無いのが苦しい。


村江とかいう奴はクソだ❗️あいつはダメだ❗️


「、、、、なんで人に当たってんだろ、私。」


暗い世界だ。


「死にたくない。みんなのために死ぬ訳にはいけない。。。多分。」

『でも、、、生きたくは、無い。』


家で優しく迎えてくれる、家族が苦しい、私を、孤児院で育った私を迎え入れてくれた女神のような人たちのその心が、穢れた私に突き刺さる。


義母「ゆふる、起きて。」

ゆふる「・・・今日、ちょっと、、、行きたくないや。」

義母「そっか。ゆっくり、休みなさんな。」


私は学校に行くのを辞めた。


・・・私に生まれた意味なんて、なかった・・・


暗い部屋の中、壁を背にまるで人形のように座る。


走馬灯が駆け巡る。


別に今から死ぬ訳でもないのに、私はこの状況を打開するために出来ることを探してるんだ。

「もう、いいよ。」

だから私はもう、動けない。




『その翌日、私のクラスメイトは全員、死亡した。死因は謎。』




私は両親に街へと連れ出された。

その日はクリスマスイヴ12月24日の出来事だ。


私が、伯聖と聞く必要も無い話をしていた時に少女と出会った。

その少女は服がボロボロで、第一印象は金がないんだろうな。程度のものだった。


伯聖とのくだらない話が終わった後。

その少女の姿が見えた。

少女を目で少し追っていたら、少女はその目線に気づき、こちらの方へ走ってきた。


少女Y「こ、、こんに、、ちは」

ゆふる「こんにちは。」

少女Y「目線に気がついたので、、、何か用ですか?」


ゆふる「病院に来てたから、何かあったのかなー?って思って。」

少女Y「、は、、はい、お母さんとお父さんが、いつも、、いつもいつも私のことを殴ってくるんです。」

ゆふる「そう、、それは大変だね、、、、ごめん、私に出来そうなことはないや。」


ーー公園ーー



ゆふる「その子は親の虐待を受けていて、何度も何度も病院でそのことを言って、助けを求めたんだ。」


ゆふる「助けを求めることは私に、できなかったことだ。私が出来ないことを、まだ幼い、あの子がやっている。だから、私はあの子に手を差し伸べてあげたい。


『あの子を助けてやっと、私は死ぬ覚悟ができる。だから、私は助けたい。』」


洸「・・・助けよう。」

ゆふる「いや、君も今大変だろう。自分が大変なのに他人を助けても、自分が壊れるだけ。この件は私で何とかするから、君は心でも癒しといたら?おすすめの旅行先教えるよ。」


ゆふるは笑顔を俺に向けた。

これは正義だ。正義だけれども、悲しいほど、馬鹿げてる。


洸「君はそれで、いいんだね。」


ー午後②ー


俺はゆふるとバイバイした。



そして、俺はゆふるの後を付け始めた。

ゆふるにバレないように、こっそりと。


他人が見たら、ちょっと怪しいかも。


普通に心配だったんだ。


「ポツ、ポツボツ、ザザザーー」

雨が降り始めた。

一気に寒くなり、暗くなった。


空では龍が舞っている気がする。

もしその龍がいるなら、その龍は黒い龍だ。

黒いから、黒い雲に同化して、見えずらい。


この黒い闇に呑まれたら、どうなるのだろうか?


電話がなる。

着信音を鳴らない設定にしているため、ゆふるにバレなかった。

伯聖「こちらは伯聖です。」

洸「はいはい。どうされましたか?」

伯聖「こちらで妹さんの死因を検査してみたところ、"謎"という結果が出ましたのでお伝え致します。」

洸「ーーー分かりました。」


俺は呆然とした。


だから、背後から忍びくる影に気づかなかった。


俺は刺された。ナイフで左腕を一突き。


伯聖「天城さん、それと、、、」


携帯が地に落ちる。



あぁ、やっぱりそうなんだよ。

やっぱり、お前なんだよ。

お前はやっぱり、関わってくる。


なぁ、聞こえてるか?天城(てんじょう) 奏音(そなた)。もう1人の我が妹よ。


俺は彩葉ともっと話したかった。

奏音もそうじゃないのか?


奏音「、、え、、、あ、、、おにぃ?、、、ごめんね?」


??


奏音、なぜお前は悲しそうな顔をするんだ?


お前は、お前らは笑顔の方が似合っている。


天城 洸は命が途絶える前に生きることを止められた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー基本情報ー

五十嵐 夢降る(いがらし ゆふる)

現在高校2年生(行ってない)

身長163cm 体重55kg

「自分を貫き通すことに定評がある。」って。ゆふるは笑いながら、言ってた。

だから、そうなんだと思う。


ー裏情報ー

ゆふるを引き取った両親は近所に住む金持ちの家だった。

ゆふるは他に養子が4人いる家に引き取られ、あまりコミュ力が高くなかったので、肩身は狭かった。

引き取った両親は優しくて、ゆふるの憧れの人でもある。


五十嵐という名前は偽名で、本名は柊木 夢降る(ひいらぎ ゆふる)ゆふるは本名の柊木がかっこよくないのと、両親を思い出してしまうから、好きじゃないらしい。

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