事情聴取
今回短めです。
ー朝ー
「カーカー」カラスが鳴く。
今日は特別な日が始まった気がした。
俺「おはよう、彩葉。」
死体になった者はもう二度と喋ることは無い。
うさぎ宇宙人形Mk.3は血に濡れて生暖かそうな色をしている。
俺は薄暗い目で死体を見た。
俺「あ、警察に連絡しなきゃ。」
電話をし、1人でコーヒーを入れて、1人で薄暗い部屋の中で飲んでいる最中に、サイレンが聞こえてきた。
警察官「こんにちは。私は警察官の村江 伯聖と申します。」
ガタイがよく、とても頼りになりそうな男の人だ。
洸「はい、私は天城 洸と言います。」
伯聖「早速ですが、妹さんの死体はどこですか?」
洸「はい。こっちです。」
伯聖「、、私の方で死体は預からせてもらいます。また、この部屋は現場検証をしたいと思いますので、天城さんはその間、ホテルで泊まっていただく形となります。そして、天城さんには1度、事情聴取をしなくてはいけないので、この後、警察署まで来てもらいますが、よろしいでしょうか?」
洸「はい、分かりました。」
これから、どうしようか?
ー午前ー
「ガチャ」
伯聖がドアから入ってきた。
伯聖「すみませんね、待たせてしまって。」
洸「いえいえ、何があったんですか?」
伯聖「子供が親に殴られたとかで、その子供が警察署に来たんですよ。親が言うにはその子は虚言癖があるということなので、そのまま親と一緒に家へ帰らせました。」
洸「それは、お疲れ様ですね。」
伯聖「ありがとうございます。天城さんはどういったご職業で?」
洸「あ〜、自分は大学生ですよ。」
伯聖「なるほどなるほど。洸さんは事件当日何をしていましたか?」
洸「ショッピングモールでプレゼントに使えそうなものを探しに行ってました。」
伯聖「プレゼント?あ〜、クリスマスプレゼントですか。」
洸「そうですそうです。家がかなり苦しくて、去年はプレゼントをあげれなかったので、今年は喜ぶような物をあげたかったんですよ。」
伯聖「家の経済状況が厳しかったんですか?」
洸「母と父が離婚してしまって、、父の元で2人、育ててもらってたんですが、父が最近、亡くなってしまって、それが、去年の11月17日でした。」
伯聖「誰かに恨まれるようなことはありましたか?」
洸「いえ、ないと思います。」
伯聖「妹さんは中学生ですか?」
洸「いえ、高校1年生ですね。」
伯聖「妹さんはどのような性格でしたか?」
洸「優しい子ですよ。天真爛漫で、自慢の妹でした。」
伯聖「はい。事情聴取は以上でございます。長い間、付き合ってもらって感謝します。ホテルでごゆっくりお過ごしください。」
洸「ありがとうございました。」
ー昼ー
俺はコンビニで買ったファミチキとおにぎり2つと水をもって公園のブランコに腰を下ろした。
その横には俺と同じように憂鬱そうな女の人が居たが、そんなことは考えていられない。
俺は彩葉のことを考え、憂鬱に今からため息をつく。
洸&???「はぁ。」
沈黙が流れる。
ため息を同時についてしまったため、「気まずい❗️」と少し焦ったが、相手はあまり気にしていない様子だったので、肩を撫で下ろした。
俺は目を瞑った。
彩葉のことを考えた。
空気が重くなる。
少し、泣きそうになる。
洸&???「はぁ。」
俺は非常に焦った。
あの様子だと相手も焦っているように見える。
???「何か、あったんですか?」
ついに喋りかけてきちゃった。
洸「・・」くっ、、喋らなきゃダメか?
洸「・・妹が、亡くなったんです。」
???「え、おんっっっっも!」
そいつは隣のブランコから、いきなり飛び出し、びっくりしたようにクルっと体を回し、こちらを見た。
洸「・・・」
な、なんなんだ、こいつは、、、、
???「ごめんごめん。私、ちょっと雰囲気見誤ってたっぽい。昔から雰囲気感じるの苦手でさ。辛いことあったなら、1人がいいよな。ごめんね、あたし、行くよ。」
洸「まって、君の話聞かせて。」
???「あたしの話?」
なんで、話を聞こうと思ったのか、自分でもよく分からない。
洸「なんか、悩み事があるんでしょ?」
???「まぁ、あるけど。」
でも、彼女は辛くないフリをしているように見えたから。
洸「聞かせてよ。」
???「まぁ、いいよ。」
ゆふる「あたしは五十嵐 夢降る(いがらし ゆふる)さ。よろしくな。」
洸「俺は天城 洸だ。よろしく。」
ー午後①ー
俺はおにぎりを頬張り終えてから、彼女の話を聴き始めた。
ー基本情報ー
村江 伯聖
すごく、いい人。
でも、なんか、ちょっとだけ、怪しく見えてしまう。
ガタイがよく、本能でこの人にはケンカで勝てないとわかってしまう。
顔が良く、まさに、エリートって感じ。
伯聖の家系はみんな頭がいいらしい。