始まり。
自分の作品の中でも伏線多めの物語です。
あと、長いです。
内容が少し重いので、注意してご覧下さい。
ーー電波塔にて。
高い所では湿った、悲しい風が吹くものだ。
「虚しいけど、それが結果だから。」
残念ながら、人は死んでいった。
「死にたくない、、死にたく、、、、ない。」
嘆く者がいた。
だから何?結果は変わらない、死ぬだけだ。
抗う者がいた。
関係ないよ。運命には抗えない、死ぬだけだ。
私達は皆、結局死んでいく運命だ。いつ死んでも変わらない。
ただ、非常に残酷に死んでしまう、ただそれだけ。
ーーーそんな、死ぬ運命の人が、5万といるこの世界を、君は地獄と思うか?ーーー
「あたしゃそうは思わないよ。少年。。。いや、今は青年の方が正しいか。」
「僕もそう思うよ。この世界がこんなでも、僕はここを地獄と思わない。思えない。」
誰が死んでも、誰が生きても、ここはまさに。
・・・・・『理想郷』・・・・・
ーーー
ー朝ー
ピピピピピ。
「バンッ!」カチッ。
赤い目覚まし時計を叩くように止めた。
止めるのがいつもより強烈だったのは、僕が悪夢を見ていたからだ。
「やば、汗がすごい。」
散らかった部屋のベットの上で僕に、なんともいねえぬ倦怠感が襲う。
「カーカー」
カラスの鳴き声が聞こえる。
僕に今、進行形でいつもと変わらない日常が始まった気がした。
僕がベットから、跳ねるように飛び起きるとカレンダーが視界に入ってきた。
今日は・・・・12月24日、クリスマスイヴの日だ。
クリスマスの日は赤いペンでぐるぐると目印をつけている。
赤線がクリスマス周囲の日にちに被っていたため、数字が見えなくて、今日が何日か判断するのに少し遅れた。
「てことは、今日出掛けなきゃか。」
今日は我が妹へのクリスマスプレゼントを買いに行かなければならない。
冬休みだから、ゆっくりしときたかったが、我が妹のためを思うならば、「逆に行きたいと思うね。」
僕はリビングへ向かった。
いつも通り我が妹に出迎えられると思い、張り切って向かった。
が、そこに妹の姿はなかった。
「いないな。。もう外に出たんかな?」
僕は朝ごはんにラーメンを食べ、少し腹を痛めながらショッピングモールへ向かった。
ー午前ー
ショッピングモールにて。
「さてさて、我が妹はどんなものを欲しがるだろう?」
ぬいぐるみ、お洋服とか?
いやいや、「はたまた命とか、言ってくるかもしてな。」
僕は沢山の人混みの中をただ、自分を物語の「モブ」として、突き進む。
はは、すごい!「僕も君らと同じように歩いてる。」
僕は君らと同じ、存在だ。つまりは俺も、人間だ!HAHAHA
クイッ
そうやって、集団の波に酔いしれている時に僕の服が引っ張られた。
??「お兄さん、お兄さん。そこの頭悪そなお兄さん。」
僕「ん?」
??「お兄さんは、彩葉のお兄さん?」
そいつは髪が白く、ダボダボの服を着ていて、謎にニヤニヤしている。
そして、少し、可愛らしい。
僕「君は、だれ?」
あたし「私?私はあたしですよ。私以外はあたしでは無いのです!」
僕「へ、へぇ」
僕は奇妙な名前だなと思いつつ、それでも、名前に独自性があることは人それぞれ、個性があっていいことだと、とても特殊な名前に対して肯定的な意見を考えながら、「分かりずれぇな」と思う。
そいつは目を細めながら、続けて言った。
あたし「私は君と同じく、人生を楽しく生きたいお年頃なピチピチな高校1年生です。
そして、ひじょ〜に残念なことに、今現在、私は人生が楽しくないのです。
だからさ、お兄さんには私を楽しませてほしい。いーい?」
僕「僕が君を楽しませる?」
あたし「そうですよ。楽しませる。どこか面白い所へ、、、うーん、まぁ、、私をあなたの行先へと連れてってくださいな。」
僕「その前に、話逸れてごめんなさいだけど、君は、、だぁれ?」
あたし「天城彩葉の友達、つまりはあなたの妹さんのお友達、ということになりますね。」
僕「お友達かぁ〜」
あたし「はい、私はお友達です。だから、、私はあなたの妹さんの好きな物も分かるということなのですよ。」
僕「あ、、確かにそうなるな!なら、、君も僕と一緒に我が妹のクリスマスプレゼントを買いに行こうではないか。」
あたし「我が妹とか言ってるんですか?wなかなかに濃ゆいですね、あなたは。」
僕「君ほどじゃないよ。」
2人は歩き出した。
鈴夢「あ、ちなみに私の名前は白砂 鈴夢です。よろしくです。」
僕「え、、、あ、、うん、よろしくね。」
ー昼ー
鈴夢「ん〜、いや、なんか、、、思ったより、いいの売ってませんね。」ズルズル
僕「僕もプレゼントは大事だとは思うが、君は少し、悩みすぎなのでは無いの?」ズルズル
鈴夢「大事、、!大事なんすよ!?誕生日ですよ?!悩まなきゃ。私達が悩まなきゃ、どうするんですか。悩んだ分、そのプレゼントには想いが伝わる。」
僕「え、でも、貰った本人には物しかないから、伝わらないと思うけど....?」ズルズル
鈴夢「伝わらなくても、、、そこには『確実に意味がある』んですよ!!」
僕「そんなもんか、、で、僕たちは今、昼ご飯にラーメンを食っている訳だけど。」ズルズル
鈴夢「ですね。ラーメン美味しいです。ゴチですね。」ゴクン
僕「うん、まぁ、そりゃぁ、よかったよ。」カラン
これらの会話は昼食中に話した内容だ。
ー午後①ー
鈴夢「お兄さん。」
僕「どしたんだい?」
鈴夢「このうさぎ宇宙人形Mk.2か、うさぎ宇宙人形Mk.3、どっちがいいと思いますか?Mk.2の方は全体的に寒色寄りで、Mk.3は暖色寄りなんです!これは、究極の選択ですよ。」
俺「、、ごめん、色の違いが全くわかんないや。」
鈴夢「えぇ!わからんのですか?!この違いが、この2匹のうさぎの気持ちの差が!!」
と言いながら、鈴夢はこのうさぎたちの違いを身振り手振りで伝えた。
俺「ん〜、分からんなぁ...」
「タダイマ、デンワガナリマシタ。」
2人でコントをしていると鈴夢の電話がなった。
鈴夢「ん、電話っすね。ちと出ます。」
僕「着信音すごいなぁ。。。」(ボソッ…
ー
鈴夢「すいませ〜ん、マジ、本当に申し訳ないんすけど、自分、そろそろ行かなくちゃいけない用事が出来たんで、このうさぎ宇宙人形Mk.2と、うさぎ宇宙人形Mk.3、どっちがいいか決めて買っといてくれますか?」
僕「おっけー。また、いつか。」
鈴夢はニコッと笑う。
鈴夢「はい!また、いつか。」
彼女はどこかへ行くために、ショッピングモール内を走り出した。
しかし、彼女は一瞬、立ち止まり、こちらに振り向いた。
「あ。私、お兄さんに知って欲しいことがあるんでした。」
彼女は今までとは打って変わった表情で、人の心を凍らすようなそんな目で、見下すような目で、こう言った。
『あなたの選択は、結果的に正しくないものだろうと、それが結末になると知っといてくださいね。』
鈴夢はまた走り出した。。。。。あ、人にぶつかった。
「何も、人形の選択次第で何か変わるわけでもないだろうに。。。」
俺は2つの人形を見た。
そうして俺は無言のまま、うさぎ宇宙人形Mk.3を買い、ショッピングモールを後にした。
ー午後②ー
僕は帰る。
駅を使い、公園の前を通り、海沿いの家に帰った。
ー夜ー
僕は帰った。
家に入った。
玄関を開ける。
今から、我が妹がもの凄い笑顔で出迎えてくれるだろう。
僕は今朝以上に張り切って家の中に入る。
「ただいまー!!」
が、しかし、返事はなく、俺の目の前には血塗れになり、左腕に包丁を刺され、綺麗に倒れている天城 彩葉の姿があった。
「なんで、、、」
うさぎの人形はコトっと地に落ちる。
俺はどこで道を踏み外したのだろうか?
「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛❗️❗️❗️❗️❗️❗️」
ーー電波塔にて。
女は座りながら、その様子を見ていた。
???「そうだね、どこで道を踏み外したんだろうね?でも、、、君は本当に間違ったのだろうか???????」
女は立ち上がる。都市を一望できるその場所で、全能感に浸されながら彼女は言った。
???『誰が生きたか?誰が死んだか?そんなことは無関係❗️』
『君の選んだ結末こそがハッピーエンド、つまりはそこが。
・・・・・・『理想郷』・・・・・・
そうして、俺は妹を殺した犯人を探す、そんなクリスマスが始まった。
ー基本情報ー
白砂 鈴夢
ちょっと可愛らしい女の子で、天城彩葉とはお友達で同い年。
身長・154cm 体重・49.8kg
天真爛漫で、主人公によると、彩葉と性格が似てるとか何とか。
頭はいいらしい。
毎週水曜日9:00に出します。
7話くらいになりますのでどうか、よろしくお願いします。