第三話 疑惑
「大知くんさぁ〜それはないわ」
今、無実の容疑を掛けられている。
「先輩に浮気して乗り換えとかさぁ〜」
「先輩に愚痴聞いてもらってただけで...」
「そんなの言い訳になるわけ無いじゃん笑」
酷い。浮気された側なのに。
「そろそろ認めたら?ユナが可哀想なんだけど」
「俺はしてない...信じてくれ...」
「そもそも先輩に愚痴聞いてもらうって何?笑 そんなの先輩に迷惑でしょ」
吹奏楽部の人は知っているはずだ。なのに誰もフォローをしてきてくれない。
怖いんだ。フォローをしていじめの矛先が向くのが。
だから誰もフォローをしてくれない。
「まぁまぁ。人間関係は当人同士が解決すべきだよ」
「でもさぁ道永くん、このまま認めないとかユナが可哀想じゃない?」
「それも含めて当人同士が解決すべきだよ。他人が突っ込むべき問題ではない」
「そっか。道永くんごめんね?」
そう言いながら帰っていった。道永は終始俺にゴミを見るような目線を向けていた。もうダメかもしれない。姉さん、旅立つ不孝をお許しください。
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「新規Vtuberオーディション?」
いきなりマネージャーから渡された資料にはオーディション内容について書かれていた
「そうそう!なんか周りにVtuber向いてそうな人居ない?」
このマネージャーが考えていることはなんとなくわかる。「大人気Vtuberが選んだ人なら天性の才能もってるでしょ!」
「いな....いや、一人いますね」
今、脳裏に大知が浮かんだ。きっと受けてはくれないだろうがゲームもうまいし話も上手だ。
「マジ!?それなら誘っといてくれない?」
「でもOKだすか分かりませんよ?今配信活動してるわけでもないし臆病なので」
「亜美ちゃんかわいいんだし行けるいける!」
「そうですかねぇ」
弟に可愛いとか通じるわけ無いでしょ!!!と思いながら次の撮影の会議をした。
責めてきたやつの何がやばいって...