第二十三話 たいちゃん
「アリアカート大会出場停止!?」
「うん。あまりにも強すぎるから他のライバーから出場停止してほしいってきて...ごめんね」
「楽しみにしてたのに...」
「ほんとにごめん。でもBブロックの司会とかしてもらうからよろしくね?」
「うん...」
結構楽しみにしてたのに。
「はぁ...ご飯作ってくるね」
「はいー」
「今日何が良い?」
「ハンバーグ!」
「わかった」
姉さんは結構舌が子供だ。だからハンバーグや唐揚げ、コロッケなどを好んで食べる。
「あ〜...ひき肉無いわ。買ってくる」
「お姉ちゃんもいく〜」
「いや、雨だし大丈夫」
「え〜、じゃあトッポ買ってきてほしいな」
「りょ。最期までチョコたっぷりだもんね」
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「あれ?たいちゃん?」
スーパーで買い物をしていたら急に昔のあだ名で呼ばれた。
「えっ?奈波?」
そこには小学六年生で離れ離れになった幼馴染の千井奈波がいた。
「え〜!たいちゃんここに住んでたんだ!」
「ちょ...声がでかい。とりあえず近くにマクドあるからマクド行こ」
「りょーかい」
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「ひっさしぶりだね〜!」
「うん」
奈波は昔っから元気だった。どうやらその元気さは今も健在らしい。
「あのさ、たいちゃんってなんで私に何もいわずにどっかいっちゃったの」
「え?」
「そりゃなんか家族の急用でしょうがなかったりしてたら別に言わなくても良かったけど、たいちゃんのお父さんもお母さんもあそこにずっといたじゃん」
「あ、うん。ごめんね」
「今は謝罪がほしいわけじゃなくて、なんでここに来たのか、なんで何もいわなかったのかを聞いてるの」
なんか怖い。死ぬほど怖くなってる。
「えっと...まずなんでここに来たかなんだけど」
「うん」
「姉さんが先に住んでてね?小6の夏休みに来てすごい家が汚くって。その日は片付けて帰ったんだけど冬休みに来たらまた汚くなっててさ」
「うん」
うんだけっていうのが一番怖い。
「それで姉さんが可愛そうだからお母さんとお父さんに無理言って許可もらってこっちに住ませてもらったんだ」
「そっか。じゃあなんで言ってくれなかったの?私すっごく悲しかったんだよ」
「これは自己中になるんだけど...やっぱり奈波の悲しむ姿が見たくなくて。その時はBINEなんて持ってなかったから...」
「そ、そっか。じゃあしょうがないな」
自己中な理由でも許してくれる奈波は本当に優しいと思う。俺がイケメンなら彼女にしたい
「じゃあ逆になんで奈波はここへきたの?」
「転校するから下見に来たんだ〜」
「え?転校?」
奈波は謎なことが多い。
あともう一本...いや二本は投稿する...




