これが俺の異世界転生
初投稿で駄作ですが暖かい目で見てくれると嬉しいです。
応援よろしくお願い致します。
「はあ」
落胆しながら俺こと鈴木蓮は歩いている。なぜかというと、それはさっき親父に
『いつまでも引きこもってないで学校へ行け!』
って怒鳴られたからだ。あまりにも突然のことで親父に反抗しようとしたが、よく考えなくてもこちらに非があるので渋々いうことを聞くことにした。
まあそんな感じで高校の制服を着て登校してるわけだ。
仕方ないと下げていた肩を上げ気を取り直して歩き出すと。
「止まれ!手を挙げろ!」
男はそうやって叫びながら女に銃を向けていた。
「危ない!」
俺はおもわず飛び出していた。
「鈴木さん!鈴木さん!」
綺麗な声で俺は目を覚ました。そして気づいたら体が縮んでしまっていた!というわけではないらしい。
「おい!聞こえてたら返事をしろ!鈴木!」
そんな怒り声が聞こえてきたので、恐る恐る声の主の方へ顔を上げると。
「おぉう」
おぉう。そこには赤目黒髪の、文字通りアイドル顔負けの超絶美少女がそこにいた。ん?待てよ?
「お前、最初俺のこと鈴木さんって呼んでなかったか?」
「目覚めて第一声がそれか。そのことに関してはめんどいからいい」
めんどいって。まあいいけど。あと第一声は『おぉう。』だ!なんか嫌だな、訂正するのはやめとこう。
てか一体ここはどこなんだ?辺りを見回してもチェック柄の壁で囲まれている。こんなところ今まで見たことがないぞ?そうやって俺が頭を悩ませていると。
「では本題に入ろう」
目の前の少女が話かけてくる。
「まず、ここはあなたたちが言う神界だ」
「深海!?」
「神界だ」
神界だと!?
なんでそんなところに俺が?
「そして私は日本東京担当の女神であるクレハだ」
一体俺はこれからどうすればいいんだ?
「ふふっ。今なんでこの神界に連れてこられたのかって考えただろ?」
クレハと名乗ったものがドヤ顏で聞いてくる。
「いや、それ一つ前だから。考えてないっすね」
「ええ!?考えてるって言ってくれないと困るんだが」
俺がきっぱりと否定するとクレハがめちゃくちゃ焦っている。この一連のやり取りでもう分かった。この女神、ダメなタイプだ。
「わかったわかった。考えてたよ」
仕方ないと言わんばかりに俺が答えると。
「そうだろうそうだろう。気になるだろう」
と、クレハがニヤニヤしながら言っている。
どうやら教えてくれるらしい。
「それはズバリ!お前が死んだからだ!」
「はあ!?」
俺は声を荒げて叫んだ。
「うるさいぞ!落ち着け!」
「お前は馬鹿なのか?死んだって言われて落ち着けるわけないだろ!」
「そうか?お前の前に死んでた奴は落ち着いていたぞ?」
「マジかよ!?もうそいつは人間やめてるよ!」
死んだという事実に困惑していると一つの疑問が生まれてきた。
「なあ、俺はなんで死んだんだ?」
俺がそんな疑問を投げかけると、クレハは少し悩んだようなそぶりを見せ口を開く。
「えっと、それはだな…」
「わかった!思い出した!確か銃で撃たれそうになっている女性を守ろうとして…あの女性は無事でしたか?」
俺がクレハが言い終わる前に思い出し、あの女性の安否を尋ねる。
「ああ、一応一つの傷もないが」
「よかった〜」
本当によかった。死んでまで守ったのにどちらも死んでましたじゃ悲しすぎる。
「だがお前の死因は撃たれてではないぞ」
「はあ?撃たれたわけじゃないなら一体…」
「恥ずか死だ」
今度はクレハの方が食い気味で言ってくる。
「恥ずか死ってどういうことだよ!」
「ああ、それはだな。まず男が持っていた銃は本物じゃないんだ」
はあ!?あの銃が本物じゃない!?
「あの二人はカップルで、あの銃を突き付けるのが彼らの挨拶なんだ。そして、一向に銃を銃を撃たないのを見てあの銃がレプリカだと気付いたお前は恥ずか死した……ブフッ」
そんな信じられない事実が俺の鼓膜を強く打つ。
てかなんだそのクソみたいな挨拶。やっぱ恋人ってクソだわ。あとこいつ笑ったろ。
「そんな疑いの目をこちらを見るな。全部本当のことだ。あと笑ってない」
「ああ、もう恥ずかしい。死にたい。」
今までにないくらいに落ち込んでいると
「そこで!そんなダサくて哀れでダメなお前に一ついいことをご紹介だ!」
まるでネットショッピングみたいな言い回しで言ってくる。ずいぶんと楽しげだ。死人を前にした人の態度じゃないと思う。
「なんだよ、いいことって」
「ふふふ。それはだな、『異世界転生』だ!」
それはオタクと呼ばれる俺からしたらとてつもなく甘美な響きだった。
俺は興奮して目の前の女神にお約束を確認する。
「それってあれか?チート能力とか貰えちゃうのか?」
誰しも憧れる異世界無双してハーレムを作ることが…。
「もちろんだ!」
できるらしい!
「じゃあそれでお願いします!」
こんなのすぐやるしかない!
「はい!承った!それではチートを選んでいただこう!この中から!…この…なかから…」
どうやらチートは自分で選ぶシステムらしい。それにしてもなんかせかせかしてるな〜。まあいいか!さあ早く資料を!
「あれ〜?」
ん?どうしたんだ?
「あの〜申し訳ないんだが、もうチートの在庫が切れてしまったらしい」
顔を背け、申し訳なさそうに呟く。しかしいくら相手が美人であっても、そんなに可愛らしい仕草をされたとしても、なるほどわかったと簡単に済ませることはできないことを言った。
「はああ!?あれだけ期待させといてか?」
てか在庫ってなんだよ!
「本当にすまない!だがチートがなくても異世界には行けるから!」
俺の足に泣きながらしがみ付いてくるクレハを剥がしながら俺ははっきりと言った。
「チートなしで異世界なんて行けるか!」
「そんなこと言わないでくれ!ノルマが!ノルマまであと一人なんだ!頼む!」
さっきからせかせかしてたのはそのせいか!
「じゃあ魔王を倒してくれたらなんでもひとつ願いをかなえるってのはどうだ?」
「そっちのノルマなんて知るか!だいたい、チートなしで魔王なんて倒せるわけないだろ!」
「そんなこと言わないで〜!お願いだ〜!」
うるせえ!すげぇうるせえ!
「それに一度は行くと言ったはずだ!それはもう契約成立といってもいいだろう。つまりお前に拒否権はない!」
そう言いながらしたり顔で俺を指差す。しかし涙はまだうっすらと浮かべている。
「あーーもうっ、うるさいわ!わかった!行くから!異世界に行くから!」
「本当に?」
うう、涙目で首をかしげないでほしい。
外見はいいんだからドキッとしちゃうだろうが!
「ああ、本当だよ」
「やった!」
全く、キャラがぶれすぎだろ。
「とういうことで今から転生させる前に転生先の言語をお前の脳にインプットするからな」
そこらへんはお約束のご都合主義なのな。
「なあ、その前に一ついいか?」
「どうした?」
「一番最近に転生した奴のチートってなんだ?」
「確か…どんなモンスターも懐かせるってやつだったと思うぞ。それがどうした?」
「いや、なんでもない」
どんなモンスターも懐かせるね。とんでもない能力だな。そんなんが複数いる世界でやっていけるのか?
一抹どころではない不安を感じていると、目の前に扉が現れ、戸が開く。
「では、あなたが英雄となることを陰ながら願っています!行ってらっしゃいませ!」
そんな台本どおりであることが容易に想像できる言葉を受け取り異世界へと向かう。異世界についてすらいないが、俺の当面の目標はたった。待ってろよチート持ち共や魔王。悪いが一発くらいは殴らせてもらうぞ。それと…。
「お前も!いつか絶対に一発はお見舞いしてやるからな!」
俺は女神を指差して高らかに宣言して扉へと入った。
この作品を読んでくださりありがとうございます。
人気があれば続きを投稿しますので、よろしくお願いします。




