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2歳の誕生日。

ブックマーク、ありがとうございます!

 008





「ライル、そろそろ下に行こうか」


 下に? ああ、誕生日プレゼントがあるとか言ってたんだっけ? でも、その前になんか凄いもんもらったんだが。自称、守神君を。


「……うん」


 やっぱり、父さんと母さんには聞こえてないみたい。……それはそれで不気味なんだよな。それに、声は聞こえてるけれど、姿が見えないのも不気味。

  ライルは父親に抱っこされて、1階に下りていった。


『俺の姿は、お前が見ようとしていないから、見えないだけなんだぞ……この通り、俺はここにいる』


 その声は、ライルには聞こえていないようだ。クロヒは、今までライルがいた書斎の本棚の上にいた。

 黒くて、少しぼやけていて、見た目は竜の悪魔とでも言って良いだろう。だが、それなりに威厳のある、神と言われたら神にも見えるかもしれない。


 主人となったライルは、半分クロヒを信じていないようだけれど。




 一方、ライルは、1階のリビングにある子供用の椅子に座らせられていた。

 部屋は、綺麗に飾られていて、パーティ仕様。机の上にはクラッカー。誕生日ケーキを模した、飾り、様々な料理が並んでいる。


 これは……人生初の誕生日会だ!! 俺は、前世で誕生日を祝ってもらったことがない。親がほぼ居なかったからな。……だから、前世含め初の誕生日会だぁーー!


「準備は良い?」


「うん!」


「「ライル、誕生日、おめでとーー!!」」


 両親の楽しげな声とともに、誕生日会は始まった。


 ……あぁ、俺は目の前に並んでいる高級そうな、鶏肉は食べられないのか……鶏の丸焼きが。

  物欲しそうに眺めるライルの目の前で、両親が鶏肉を完食し終えた。

 我慢だ。今は我慢! もう少し大きくなったら、食べさせてもらおう。今はこの離乳食を、食べ終わらなければ!



 そして、誕生日会は終盤を迎えた。


「さぁ、これを開けてみて!」


「うん!」


 なんだろう? 何が入っているんだろう? おもちゃかな?

  人生初の誕生日プレゼントに、期待を胸に近付く。

 ラッピングされた、箱に手を伸ばし、ゆっくりと……蓋を開けた。


 これは……!

 クマのぬいぐるみだぁ!! 別にぬいぐるみが好きな訳じゃないけど、無駄に親近感があるというか、、 初めての誕生日プレゼントの中身を、期待していた俺がバカだった!

 初めてのプレゼントは、中身がなんでもこんなに嬉しいもんなんだ!!


  そうして、ライルはクマのぬいぐるみを抱き締めた。嬉しさは増す一方で、両親もそんな我が子を優しく見つめるのだった。



 数分後……


 ふぅ。満腹。離乳食にじゃなくて、心が満たされてる感じがする。それにこのクマ、超可愛い!

  すると、リビングの床でクマとじゃれているライルのところに、母親がやって来た。


「ライル、今度の休日ににみんなでお出掛けしましょう! いよいよ、ライルも魔法デビューよ! なんの属性か楽しみね!」


 え、マジで! 俺、遂に魔法が使えるようになるの!? 2歳になったからって、いきなり魔法ですか! 恐るべし2歳。


「まほう! うん! やる!」


「楽しみにしていてね!」


 おっしゃー! いよいよ、本格的に異世界って感じがしてきたな。このまま、全属性が使えて、最強になったりして!いやぁ、1から始めても何も損はないじゃないですか!女神さんよ!


『いやさ、お前さんよ。異世界って感じがするって良くわからんが、話を聞くに、俺がいる時点でもう、その異世界って感じがあると思うんだが?』


 ……確かにそうだな。でも、なんかクロヒはそんな感じしないんだよな。そもそも、姿見えないし?


『お前が見ていないだけだ。ほら、後ろ見てみ?』


 後ろ? いやいや、何も気配感じないよ?

  とも、思いつつ後ろを向く。


「ひぃっ!」


 ……黒い、竜……!? クロヒ、何だよな? お化けじゃないよな? 心臓に悪い。死ぬかと思った。まだ、バクバクしてる。


『わりぃわりぃ。こんな姿じゃいけないとは思ったんだが、ちょっと驚かせたくて……あは』


 お前……仕返し、覚えとけよ……!


『やだねー! 捕まえられるもんなら、捕まえてみなー』


 このやろっ!

ありがとうございました!(*^▽^)/★*☆♪

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