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同じ

067



 

 女神、お前はいつかの俺にそっくりだ。誰かに認められたい。みんなから認められる、勇者になりたい。俺もいつかはそんなことを思っていた。


「なぁ、女神さんよ。人間のとき、あんたに何があった?」


「おお、目隠しして、竜を助けたってわけか。上出来だな。お前の質問に答える義理はない。ただまぁ、妹さんはまだこっちの手のなかだし。良いだろう、ひとつだけ教えてやる。俺は、学校や家で、何でこんな顔をしてるんだって、罵られたときがあったよ。あいつらは絶対に許さない」


 どこか、遠くを見るような目をした女神。だが、その言葉には、懐かしさどころか、感情すら乗っていなかった。


「顔ねぇ……お前、あれだろ、それで家でしただろ?」


 さっきとはとって変わって、不意を突かれたかのような顔をする女神。


「ふっ、思い出に浸ってたら、我を忘れるところだった。じゃあ、決着をつけるとするか。ライル」


 我に返った女神は再び戦闘を始めようとする。


「さあ、かかってこいよ」


 ……かかりに行きたいところなんだが、後ろで光ってるのが気になるんだよな。

 ライルが視線を送る先には、堂々と光を放つ空が見えた。


『あれは、、なんだろうな?』


 クロヒにも分からないか。……ん、なんだ? 何か、光が強くなってないか?


「……おい、どこを見てる! お前! 的が目の前にいるってのによそ見は……」


 そう言った女神も、空を見て硬直する。


「そ、総神……!? 何で、あのジジイが!?」


 総神? なんだそれ?


『神のなかでも、優秀な神だけがなれる、リーダー的存在……しかしなぜ……?』


リーダー的存在? は!? めっちゃ偉い人ってことか?


「ったく、誰だ。今ジジイって言ったのは!!」


 等と言いながら、魔法もなにも使わず、ゆっくりと地上へ降り立つ。


「おい、ジジイ! 何かってに来てんだよ! 俺は今、こいつを倒そうと……!」


「おぉ、噂にはきいていたが、偉い魔力の持ち主じゃな! 君がライルか?」


 え、ん? 待って、なにこの状況?

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