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幽霊再び……!?

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 006




 やっと、母さんが起きてきたか……

  慌てて起きてきたらしく、髪の毛はボサボサ。いつもはストレートで、凜とした姿の母親。そんな母親からは想像もできないものだった。


「全く、ライルは朝から元気なのね。私は昨日の夜が忙しくて、クタクタだって言うのに」


「おつかれー」


「……まぁ。そんな言葉何処で覚えたの?」


 あ、確かに。一度も家の外に出ていないから、そんな言葉を得るとしたら、家のなかくらいしかない……でも、母さんたちは お疲れ なんて一度も言ったことがない……不思議がられて当然か。なんて言い訳しよう? ……テレビで、じゃなくて。……幽霊に聞いた? うん幽霊に聞いた。俺は幽霊に言葉を教えてもらったんだ。


『ほう? 幽霊に教えてもらったとな? 俺の事かいな?』


 ……なんか聞こえたか? ま、いっか。ごめんなさい幽霊、幽霊を口実にしてすみません。これで、借りは返したと言うことでお願いします。……何年ぶりに謝ったことか。何年ぶりに、お願いをしたか。こりゃ、いい気分だ。自分に素直になるってのは、気持ちが良い。……このまま口調も良くなってくれれば良いんだが。


「幽霊、教えた、僕」


「幽霊? 幽霊が教えてくれたの? ライルに?」


  その問いかけにライルは首を縦に振った。

 良かった。これで、俺が何で色々な言葉を知っているか不思議に思われなくなる……


『け。お前さん。とんでもないこと考えたなぁ? 気に入った』


 ……やっぱり、誰かしゃべってるよな? 母さんには聞こえてないみたいだけど。

  母親は、ライルの言っていることが気になるらしく、ブツブツと言いながらなにかを考えている様子。


『ほう? 俺の声が聞こえるとな? いやはや、何年ぶりか。聞こえてない事を前提にいっておったんじゃがな。こりゃ参った』


 ……さっきからなんなんですか。俺の頭のなかに直接ですか? テレパシーでも使ってるんですか?

  そう、さっきから、ライルの頭のなかに嫌に低い、男の声が響いているのだ。こんなに喋られたら、聞いて聴かぬふりは出来ないというもの。


『テレパシー? 残念ながら、それは知らないな。が、俺は意図したものに直接話しかけることができる。と言うようなものだ』


 それがテレパシーのようなものです。それより、あなたは誰なんですか? 流石に、俺も頭のなかでずっと喋っているわけにはいかないんです。目の前に母さんが立っているので。


『そうか。じゃ、時間が空いたら、喋りかけてくれや。呼ぶときは、クロヒ と呼んでくれれば良い』


 分かりました。

 そう答えた瞬間、頭のなかは晴れたように軽くなっていた。


「……そう。幽霊ね。ライルなら怯えて、泣き叫ぶくらいしそうなのに、言葉を教えてもらったの? ふふふ。とことん不思議な子ね」


「うん」


 どうやら、幽霊で納得してくれたみたいだな。赤ちゃんが言うことはなぜか説得力がある。幽霊に教えてもらった。って俺が言ったのに、自分で納得してしまっている……恐るべし、赤ちゃん……

 そう言えば、もうそろそろ2歳の誕生日か……誕生日は4月22日。今日は、2日前。

 こんな、気持ちの良い春日和だと良いな。


 チュンチュン、チュンチュン

ありがとうございました!(*^▽^)/★*☆♪

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