クロヒが探すものその2
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062-3
あれから、2時間ほど経った。
すっかり、日は真上に昇ってしまって、腹も減ってきたところ。
クロヒはまだ、リフを探していた。
『あれ。ここ、海? じゃあ、これ以上先はいないな』
離れ島が数キロ先にある。だが、その離れ島には、『神の結界』と言って、神以外が立ち入れられないようになっている。守神であっても、入ることはできない場所。
クロヒが言うように、これ以上先にいる可能性は、ゼロに等しい。
『……』
クロヒは、地平線を睨み付ける。
『……あぁ! なんか、無性に気になってしかたない!』
うーむ。なぜ、なぜだ。あっちには、いないはず。どうしてこんなに気になるんじゃ。
クロヒは、空中をうろうろし、ピタッと止まった。
『ちっ! 行けば良いんだろ行けば!』
そう言って、勢いをつける。そして、海のむこうに向かって、飛び出した。
可能性が無い訳じゃない。さっきのやつ、あいつの気は神だった。神だったとすれば、あの魔力にも納得がいく。
……だとしたら、もしかしたら……
数分後。
クロヒは、ようやく離れ島の岸が見える辺りまで、来ることができた。
『……ひときわ目立つようなもんはないな。なんで、ここが結界で守られてるのか分からないけど』
特になにもない、無人島のような島が目の前にたたずんでいるだけ。
この島の詳細は、誰も知らない。神のみが知る。クロヒは、存在こそ知っていたが、他はなにも知らないのだ。
さて、このまま突っ込んでいったら、どうなるかのう。
さん、に、いち、でいくぞ。
『さん、に、いち! どりゃあぁ!』
クロヒは、あるであろう、結界に向かって、頭から突っ込んだ。
衝撃に備えて、目をつむり、歯を食い縛る。結界に当たるまで、突き進む。
しかし、しばらく飛んでいても、衝撃がないどころか、なにかがある気配すらしない。
目、開けても良いよな? 開けたら、ぶつかるとかないよな?
そんなことを考えながらも、恐る恐る、目を開く。
『……!?』
想像もしていなかった、光景に、言葉がでない。
これは、何なんだ……!? う、、臭い……
クロヒは、なにもない、ただの島に来たはず。
だが、今、目の前に広がっている光景は、残酷と言う言葉で言い表してはいけない。言い表せない。そんな場所である。
『何だここ……なんでこんなに沢山の動物が……』
……死んでいるんだ……
外見はもっと、穏やかな島だったのに。なぜだ。
クロヒは、地面に足をつけること無く、地面から、数メートル離れた位置を飛ぶ。
『一体、どれだけの動物がここで犠牲に……? ここで何があった?』
「あれれ、気付いちゃったのかよ? ケケケッ、まぁ、どうせすぐ教えるつもりだったから、良いけどなぁ!」
不意に、前方から声が聞こえてきた。クロヒは、スピードを落とし、空中で止まった。
『お前は……』
さっき、雲のところにいたやつ。
「そうそう、さっきのやつ。気付いた? 私、ライルを転移させた、女神なの!」
『知ってたさ。知らないわけ無いだろ? 総神に、言いつけてきたんだからな』
「ああ、あの頂点に君臨してる、じじぃのことだよな! 総神って言うんだ。ケケケッ!」
総神を、じじぃと言うか。礼儀知らずめ。
「礼儀知らずで、ごめんねぇ。まだ新人の神だからさ? まだ5年だよ?」
ケラケラと、笑って見せる女神。その顔に、イラついてしかたがないクロヒ。思わず顔をしかめる。
「怖い顔しないで、クロヒ君? そうそう、リフってのを探しに来たんでしょ?」
……!? なんで、リフのことをこいつが知っているんだ! ……! もしかして、リフがこれを……!?
「うーん、合ってるのは、リフって言う竜がここにいること。間違ってるのは、これをやったのは彼じゃないってことだ」
『そうか。じゃあ、リフはどこにいる? 用事があるんだ』
「あぁ、それはちょっと無理かなぁ」
そう言って、女神は後ろを向いて、なにかを合図する。
その後ろから出てきたのは……
『リフ……!?』




