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特訓特訓特訓……! あぁ! 特訓ってなんだよ!

ブックマークありがとうございます!

遅れましたが、ツイッター始めました!

 062




『さあ、ライルよ。特訓するかのう! クロヒ様も行ったことだしの』


「特訓は良いんだが、俺はレベルをあげて、ダンジョンとやらを見に行きたいだけなんだけど」


『特訓じゃー! 今からわらわについて来るんじゃ!』


 そう言うと、クラハはひと足お先に、と言って北へ向かって走り出した。


「な!? おい、クラハ! どこ行くんだ!」


 慌てて、ライルは後を追う。


『カカッ、決まっとるじゃろ! ランニングとやらだ!』


 ランニング……!? 俺、元々体力に自信無いんだけど。

 そう言いつつも、ライルは走る。




 まだ走るのかよ。おらぁ! これでどーよ! これなら追い付けるか!


 クラハは、優雅にそしてゆったりと、目の前を飛ぶ。


『カカッ! それで体力がないと言うのか? わらわは、これで全力だぞ?』


 気が付けば、ライルは、クラハに追い付いていた。


「な、クラハ、お前それ以上速く飛べないのか?」


『そうじゃのう。ま、なに、不自由はないでの』


 そう言うと、クラハは止まった。

 どのくらい走ったのか。あまり意識していなかったために、辺りの風景は、さっきまでいたところと、全然違う。


「クラハ……ここはどこだ?」


『うーん、この世界の、北の果てと言ったところかの』


 き、北の果て……どんだけ走った? いや、この世界が意外と小さいのか?

 そう言えば、少し肌寒いな。走ってきて、体温は上がっているはずなのに……


 北と言えば、雪だの氷河だのがあるイメージだが、そう言ったものはほとんど無い。

 空には、雲が一面に広がっている。太陽が見えない。その為薄暗く、余計肌寒く感じられるのだ。


「で、ここまで来て、何をするってんだ?」


『ん? 決まっとるじゃろう? 山登りじゃの』


 特訓と言えば、山登りって……クラハ、お前竜だろ? んなもん、飛んでいけば……


『カカッ! わらわも、足で登るのじゃ!』


「足で……竜が足で?」


 にこにこと、山道を登り始めるクラハ。ライルはその後ろを歩く。


 竜が足で登るって、珍しいよな。ってか、今までで一度もないんじゃないか!?


『カカッ、前の主もそんなことを言っていたのう。女だったから、低めの山にしてやったってのになぁ。カカッ、途中で泣いて終わりにしたんじゃ』


 前のって、クラハたちを造った人か?


『いや、ライルの前に、仕えていた年端もいかない狸人の女の子じゃ。あれから、10年は経ったからの。今は何しとるかのう。それ以降会ってないんじゃ』


「はいはい、思い出に耽ってないで、前を見て歩け。落ちるぞ」


『あれは、可愛かったのう。わらわも女なのじゃよ。でも、そのわらわも可愛いと思ってしまうほどの美貌での……』


 クラハは、ライルが言ったことに耳も向けない。

 そうかそうか、それほどの美貌だったんだな。一度はあってみたいものだ。


 ……山登りを泣いて終わりにして、それ以降会ってないって。それってまさか。クロヒが言っていた、おかしくなっちゃった、ってやつか!?


 この山登り、相当危険……!?

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