寝れない。どうしても考えてしまう……
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005
あれから、俺は赤ちゃん用のベビーベットに寝かされた。
ベビーベット……赤ちゃんだからわからなくもないけど、さすがに抵抗があるような、無いような……
しかも、まだ夕方なのに寝れと?
ベビーベットがあるのは2階のこども部屋。母さんや父さんは1階で夕飯の準備をしているらしい。俺は、寝るしかないのか……いや、母さんに散々遮られたことを今考えてしまうか。
俺は、いや、前世の俺は、ごく普通の中学生だった。14歳だ。……妹が言うには、俺は、暴力的で短気で全然普通じゃないという。俺は、普通にしていただけなんだが…
親は、共働きで全く家にいない。
だから俺は、学校に行きつつ家事をやっていた。仕事の大変さはわかっていた。だけど、もう少し家にいてほしかった。
久々に帰ってきたと思いきや、俺が原因で喧嘩。今考えてみれば、反抗期だったのかもしれない。
ここに来て、家族が親がどんな気持ちで、俺を育ててくれていたかが分かった気がする。これが、夢だったら親にありがとうって言いたい。もう叶わないけど。でも、会ったら会ったで俺は何も言えない気がする。
……はあ。どうせならこの世界で、もっと普通な、短気じゃない人間になって生きよう。
勇者での転生なら、俺は自分を変えられるかもしれない。そう思っていたけど、ここからやり直したのが正解だったのかもしれない。
ルーラーや、ニヒル。両親には感謝だ。
2度目の人生、心機一転で行こう!
ガンッ。チャリン、チロン……
!?
いってぇ。手が痛い。なんだ? 俺、手をあげたのか? 手をあげたんなら、上に吊るされているおもちゃに手が当たるのかもしれないけど、、俺は手が動かせるのか?
ライルの言う通り、ベビーベットの上には赤ちゃん用のおもちゃが沢山吊るされている。そして、微かに音がなっている。
力をいれたら、動くか?
……くっ……!
ダメだ。全然動かない。俺の体は俺の体だけど俺の意識下にないのか? それじゃあ、俺の体じゃないだろ!
……あと、数ヵ月くらいの我慢か。
ん? でも、何で痛いんだろう? 意識下にないなら……痛くもないはず……よくわかんな、い……睡魔が……流石、赤ちゃん……
チュンチュン、チュンチュン
「うーん……」
太陽が眩しい……そしてまだ眠い……
俺が転生してから、はや1年。
月日が過ぎるのは早かった。この一年は、寝て、満腹になって、寝て……の繰り返し。特に、何もなかった。
あるとすれば、最近、立てるようになって、3語程度喋れるようになった事くらい。
まだベビーベットだけど、窮屈ではない。
朝は早起きして、母さんが起きてくるのを座って待っている。日課になってしまった。
……今日は起きてくるの遅いな。どうしたんだろ。
「ママー!」
……。返事無い。……俺ももうちょっと寝ようかな。
この年で、3語は、多いらしい。ま、言葉の知識と言い、全て、生まれたときから持っているようなもんなんだけど。
でも、残念ながら、まだ字は書けない。話している言葉は前世と一緒だけど、字はよくわからない字であることが分かった。
何を言っているのかもよく分からなくなってきた…
そんなことより、ベビーベットから早く下ろして欲しい。
「ママー!!」
「……なは!? ら、ライル! ゴメンね今行くから!」
ありがとうございました!(*^▽^)/★*☆♪