すみません。お米はまた今度で……
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055
『カカッ! たいしたものじゃな。その年でもう浮遊魔法を使いこなすとはの!
闇の小僧が、選んだだけはあるの』
クラハは、ライルの頭を撫でながらそういった。
すみません。話しかけられると落っこちるのでやめていただけないでしょうか?
『そうなのか? 悪かったのう』
『……ところで、属性はなんなんじゃ?』
さっき話しかけないでと言ったばっかりだぞ。
『ううぅ、ここ何年も、誰とも会っていなかったから、嬉しいのじゃ!』
ライルの頭をペシペシ叩きながら、駄々をこねた。
クラハは、クロヒよりも歳上なんだよな? クロヒより、ガキに見えて仕方がない。
『……ふんっ! で、なにがつかえるんじゃ?』
はあ。……闇、火、風。主に、闇だけど。それ以外は使ったことがないし、属性がないから、使えないと聞いている。
『なんじゃとぉ!? ソナタ、知らんのかの!?』
思わず、体勢を崩しそうになる。頭の上で、クラハがあまりにも暴れるものだから、バランスがとりにくい。
あのさ、クラハと出会ってから、俺、おかしくなりそうで怖いんだけど。その、クラハが知っていることは、俺も知っていないといけないことなのか?
『あったりまえじゃー! むしろ知らずにのこのこ、レイリムに来る方がおかしいのじゃ!』
ごめん、話が理解できない。詳しく説明して。
『そうじゃな。どこまでなら知っておるのじゃ?』
どこまでって? どう言うこと?
『そうじゃの、例えば、魔法使いが、わらわたちを、生んだのは知っておるの?』
ああ。
『じゃあ、わらわたちが、力を与えた者たちが、どういう風に生活しているのか、知っておるかの?』
……知らないな。どういう風に生活してるんだ?
ライルがそう言うと、クラハは、口をあんぐりと開け、動きを止める。
『ここまでになると、もう、驚かないからの!』
そう言って、一呼吸おいた。
『力をもらった、者たちは今、世界を廻って魔物退治に専念しているのじゃ。ま、それしかないのじゃ』
そう言えば、魔法使いは年々減っていっているだとか、クロヒが言っていたな。それで、何で世界を?
『少しは考えるんじゃ。魔法使いが少なくなってきている、つまりは?』
つまり? 魔物退治がめんどくさい?
『違うの! まあ、めんどくさいのもあるんじゃ。が、それよりもの、魔物が空気中の魔力を吸って、凶暴化しつつあるのじゃ。動物にせよ同じことが言えるのじゃ。つまり、魔法使いたちは、世界中の魔物を倒そうと、世界を廻っているのじゃ!』
ああ。大変なんだな~。一匹で一人だろ? じゃあ、今のところ、白い竜がまだで、クラハは小さくなってて……だから、5人が世界を廻っているのか!
『ソナタは……まあ、一応、ここに居るから入るのかの。……話がそれたのじゃ! ソナタ、魔法陣が使えれば、自分の属性に無属性が加わるのじゃ。知らなかったのかの?』
「……ん、はあ!?」
待って待って、今まで、自分の属性に関係したものだけを思い浮かべて、スキルにしてたのに……今までの時間無駄にしてたのか!
『今からやればいいのじゃ! 無属性の方が簡単じゃよ~』
『……ライル。お前、今誰といるんだ』
どこからか、低い声が聞こえてきた。何処と無く、機嫌が悪そうな口調。
あれ、今のクラハじゃないよな?
『ウゲッ、クロヒ様じゃ! あ、ライルとか言ったかの? 明日、レベル上げに付き合ってやるのじゃ! きょ、今日はもう帰るの!』
そう言うと、頭の上から、せっせと飛び去っていった。
「クラハ……? 今、クロヒのこと様付けしてたよな? ってか、クロヒ、お前いつから聞いてたんだよ!」
『そうじゃな、たった今会議が終わったとこだ。……水の小娘め、面倒くさいやつじゃな! 全く』
え、クロヒの方が、歳上? ん? あれ、でも守り神たちが生まれたのって、同時なんじゃなかったっけ?
『余計なことを言いやがって。……ライル、とりあえず、深鈴のとこへ帰るんじゃ』
ライルは、疑問を抱きつつも、クロヒの言う通り、深鈴のもとへ帰ることにした。




