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うん! 商業って凄い!

誤字報告ありがとうございます!(’-’*)♪

 025




「お邪魔しまーす」


 うわぁ。大きなお店。いろいろ売ってる! 面白そうだな。異世界の売り物はどんなものなのかな?


「いらっしゃい……? あら、レミス! どうしたの?」


「奥で話すから、ね?」


  そういって、出てきたおばさんの背中を押して奥に行ってしまった。

 あれ、レミス、店の奥に行っちゃったけど、俺はどうすればいいんだ?


『物色してたら?』


 犯罪だよな、それ。クロヒ、こわいわ。


「ライルさん、少し待ってましょうか。レミスさんが、許可を取りに行ってくれているみたいです」


「僕と同じ歳なのに凄いね」


「……」


  答えにくかったらしく、ニコニコして立ったまま聞こえなかったふりをするらしい。

 俺、今言わない方が良いこと言った? 全く意識してなかったんだけど。


『ま、別に変なことは言ってないと思うぞ』


 そんなことを話していると、奥からレミスが戻ってきた。


「お店、今日は早めに閉めるから、ゆっくりしていって良いって!」


「わぁ! じゃあ、たくさん勉強出来るね!」


『柄にもないことを……』


 うっさい! このくらい言わないと、周りとうまく合わないんだよ。精神年齢、19も上なんだからな!


「まあ、先生はちょっと気が引けるけれど、良いって言うのなら……」


 どうして、気が引けるんだ? 家に帰らないといけない理由があるのか?


『違うわ! さっきも説明したが、この家、つまりレミスの家は、商業で有名な、貴族の家なんだっ!』


  ちょっとキレ気味にクロヒが教えてくれた。

 まぁまぁ、俺が覚えてなかったのが悪かったよ。な?


「ライルも良い?」


「え、うん!」


 え、何の話? クロヒ、俺全く聞いてなかった。今どういう状況?


『(バカになったのか? さっきから、言っていることが……)だから、今日は1日ここの見学でいいかってことじゃ』


 なるほど。まあ、他にすることもないし、いっか!

  ライルたちは、2階へ上がりこの家の主人こと商人のレミスの父に、商業についての説明を受けた。



  この店には、世界中から様々な食材や日常品等を仕入れて、売っている。 その取り扱っている商品は、1000~1500種類。そのくらいの商品が入る店自体が凄いと言うもの。

 なんと言っても、王都の名産品、パイナップルが、一番売れているらしい。

  次に、歴史について教えてもらった。初代は、世界中を馬車で回り、馬車に積んだ荷物をそこらじゅうで売ると言う、大胆なやり方だったそうだ。が、その頃の商人は、街に居すわって、街の人だけに売ると言うものだったため、とても人気があったそうだ。

 歩く度に、知り合いが増え、友人が増えていった。

 初代は、それが好きだったそうだ。売り上げではなく、共に過ごす時間を求めて、商人になったそうだ。


 その後も、いくつか説明を受け、いつの間にか外が暗くなってしまっていた。

 お礼をいって、ライルたちは店をあとにした。


 帰り道。

 〔共に過ごす時間を求めて、商人になった。〕って、なんかかっこいい! 商人、面白そうだな!


『今のお前じゃ無理だな』


 何でだよ。


『お前、今日ずっとおかしいからな』


 ……それは……


『妹のことだろ? まだ大丈夫だ。妹さんは、北の貴族の領地に、転生したらしいからまだ来ないよ』


 ……別にそういう訳じゃないんだ。ただ、妹に会いたくない……と言うか……


『……』

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