1時間目。じゃなくて、1時限目
022
「い、いも……妹だぁ? お前、ふざけんなよっ!?」
『ふざけてない。本気じゃい』
……大きい声を出してすまなかった。でも、妹ってどう言うことだ? 俺の前世を知っていたのか?
『いや、知らなかった』
じゃあ、神界で?
〔就寝時間となりました。起きている生徒は、寝ましょう〕
「うわっ、……なんだ、学校のアナウンスか」
じゃあ、また明日聞かせてくれクロヒ。流石に、夜遅くまで起きているわけにはいかないだろうから。
『おう』
朝7時
『おい、起きろよ。朝だぞ』
「ん~、あと10分……」
『お、き、ろ!!!』
「ひぃ!?」
な、なんだ。クロヒか……今何時……? ……7時2分。学校って、8時からだよな。その間は、自由に朝食をって言う話だったと思う。着替えてから行くか。
1時限目
「はい、皆さん! と言っても、二人しかいないのですが……今日はまず、王都周辺の探索に行きます!」
へぇ、王都の探索か……そういや、ここは、王都から少し離れた丘の上に建ってるんだよな。俺の家と一緒。見晴らしはとても良い。
「1つずつ地図を配るので、とりあえずどこら辺に行きたいか相談してくださいね」
まぁ、二人しかいないもんな。相談するもなにも無いけど……
担任の先生から一人一枚地図が配られた。
地図を見る限り、
南に王都があり、北に行くにつれて未開拓になっているようだ。王都の周辺には、貴族たちが治める領地が広がっている。海と陸の境に広がった森は、魔物が生存している様子。が、最近、魔物の活動があまり目撃されていない。
王都は、広い平原のなかにたたずんでいる。その平原には、この学校はもちろん、ライルの家もある。
うーん、未開拓地には興味あるけどな……だって、何があるかわからないじゃん?
『やめた方がいいぜ』
何で?
『幽霊がいる』
……
は?
「ライル? なにしてんの? ……ねえ、私の家に行かない? 商人だからさ、見学なら良いと思うの!」
商人か……まあ別にどこに行っても変わらないしな。
「良いよ。そこに行こう!」
「センセ~!」
楽しそうに、相談の結果を先生に報告しに行くレミス。ライルは、ほぼ無関心で机に突っ伏している。
そういや、俺って何をすれば良いんだろうな……別にやりたいことと言っても特には……
『……はあ。ライル、お前命が狙われてるんだって。昨日言ったぞ?』
……あっ! そうじゃん。で、誰に狙われてるんだっけ?
『女神と、妹』
深鈴……何で深鈴が? どうして……
俺の妹は、誰にだって優しくて、俺と正反対だった。料理は俺が作っていたから、妹は、していなかったけど、家庭科の評価は良かったはずだ。俺が死んだときは、小学6年生だから、今は17歳で高校生のはず。
なのに、どうして向こうの世界にいる深鈴に狙われなきゃいけないんだ?
『……妹さんは、こっちに来ているみたいだよ』
……は? それって、転生してきたってこと? じゃあ、妹は……
『あぁ、そう言うことだ』
おい、クロヒお前どこまで知ってんだ? なあ?




