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ひょいと帰ってきたらしい

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 021




 そのあと、レミスに話さなければならなくなって、部屋に戻った。

 ライルはライルのベットに、クロヒを抱えながら。レミスはライルの椅子に、足を組んで座った。まだ、5歳なのに。


「で、それで?」


「それでって?」


「何で、あんたが闇の守神なんかの主人なのよ」


  レミスが、口を尖らせた。

 ……どういう事だ? レミスは、焼きもちを焼いているのか?


『どうやらそのようじゃな』


 だから、その喋り方やめろ。3年経っても直らないのかよ。


『守神とはな、全属性に一匹づつしかいないんだ。光、闇、炎、水、風、土。だから、6匹しかいないんだ。そりゃ、魔法が使える奴なら焼きもちも焼くだろうよ』


 へぇー。そうなんだ。


『なぜそうも無関心なんじゃ。俺は、その守神だぞ?』


「レミス。これには訳があるんだ」


「どんなわけがあるのよ。有名な貴族で、魔法陣も使えて、王国魔道師と言われているから? 」


 ……厄介なことになったぞ。どうすりゃいい? レミスは聞く耳を持ってくれない。


『正直に言ったらどうだ』


 え、じゃあ。俺は、自分が貴族だと知らなくて、ここから離れた丘の上の古い家に住んでで、魔法陣の事も昨日まで知らなかった。と話せばいいと?


『うむ』


「レミス。僕は、自分が貴族だと知らなくて、ここから離れた丘の上の古い家に住んでで、魔法陣の事も昨日まで知らなかったんだ」


 言ったぞ。素直に正直に言ったぞ?


「……は? 自分が貴族だって知らなかったわけ? それで、ステータスも知らなかったの?

 嘘はついてないみたいだけど……あんたの親どうなってんのよ……」


「嘘をついてない? どうしてわかるの?」


「スキルのお陰よ。聞き耳がレベルアップすると、〔意志〕って言うスキルが増えるの」


 へぇ。スキルってレベルアップするんだ! ……今気付いたけど、さっきレミス俺の親がどうこういってたか?


『なあレミス。俺の声が聞こえるか?』


「おわ! これが、クロヒってのの声? キャー! 待って! あの守神様と話しちゃった!!」


  椅子から立ち上がって、暴れまわるレミスは、まるで小さい頃の妹のようだった。

 ……喜び方は、本当に幼いよな。いつも、長女として気を張ってるんだろうな……




「ゴホンゴホン。……失礼するわ。もう夜遅いし、久しぶりに沢山遊んだしね!」


  と言って、逃げるように部屋を出ていった。

 残された二人の間には重々しい空気が漂った。



『……ただいま。ライル』


「ほんと、今まで何処に行ってたんだよ」


『神界さ』


「しんかい?」


『ライル。お前が狙われている……』


「狙われて……? 一体誰に?」


『女神テイメと、お前の妹に』

読んでいただき、ありがとうございました‼

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