魔法の練習
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015
「……なぁー! 新しい魔法を考えるとか、俺はどうかしちまったのかよ!」
あぁ、やべ。言葉遣いが汚くなってしまった。
はぁ。妹が言っていたように、アニメを見ておくべきだったか……いざ異世界でチート? だのを使うとなると、どうやってやればいいんだか分からない。そもそも、それが出来るのか?
……えと、うーん……確かイメージがどうのこうの言っていたような。
今、オリジナルの魔法を考案中。
どうして、こうなったのかというと、、、
学校に入るにあたって、魔法のテストがあるらしいのだ。そのために、何か印象に残るような魔法をぶっぱなしたい。
ということ。それで、いわゆるチートの考案。
「一番分かりやすくて、知っているやつ……んー……空を飛ぶとか?」
んん? 待てよ? それなら俺でも出来るんじゃ……!
「よし! そうと決まれば、練習に励むのみ!」
キッチンには、裏庭から聞こえる楽しそうな声を聞いて、微笑みを浮かべている母の姿があった。
「自分を浮かべるイメージで良いのか? そうなれば、付ける名前としては、浮遊魔法とか? いやいや、名前の前にその魔法を作らないといけないんだよ!」
浮遊……浮く。遊ぶ?
風を起こせば、浮くことくらいなら出来るだろうけど。それだと、どっかに飛んでいきそうだしな。
上手く風が操れれば……
『闇、炎、風魔法ですね!』
風魔法……そうか‼ 風が操れる属性を持っているんじゃないか! これならできるぞ!
誰でも最初に思い付きそうな事を、数分かけて導きだした。
「風魔法! 浮遊!」
……シュウウウウウウゥゥゥ……
一瞬、ライルの足元に風の渦ができたと思いきや、その渦は消えてしまった。
えぇー!? 今の駄目なの? 今のじゃ出来ないの? なんで!?
『ダメダメ、そんなんじゃ、オリジナルなんて無理だわい』
そんなぁ! じゃあどうすれば出来るってんだよ! ……?
「……え? クロ……ヒ……?」
『おん? なんじゃあ、そんなに驚いて。どうした?』
そこには、確かに3年間姿を現さなかったクロヒが浮いていた。
いやいや、どうしたじゃないでしょ‼ 俺がどんだけ心配したか分かってんの!?
いきなり、魔力切れで消えて、……3年も姿を現さなかっただろ! お前は、初めての友達といっても良いくらいだったんだぞ! 前世の俺は、友達が全くいなかったからなっ!! 嬉しかったんだよ! 本気で話せる奴が出来て……なのに、なのに!! お前は、3年も。3年も、会いに来なかったんだ!!
また会えたことの嬉しさと、何か心を刺すような気持ちでいっぱいのライルは、今にも泣きそうだ。
そして、突然現れたクロヒ。ライルに、怒鳴られたのも関わらず平然とライルを眺めている。
『あぁ。すまなかった。それでも、俺はお前のために……』
お前のために? 俺のために、何をしてたんだよ。
『お前のために……神界に行ってきた……もう何年も、交流を避けてきたってのに、お前の事を思うと……何でだかな。行かなきゃいけないって思ったんだ……』
神界……? 何の事を言っているんだ? 何で、クロヒが神界に行かないといけないんだよ!
『お前の守神だって、言ったよな。だからだよ』
……一体、何を言ってるんだよ。どういうことだよ?
俺がなんだってんだよ! どうなってるんだよ……!
読んでいただき、ありがとうございました!(*`・ω・)ゞ!




