ドン底の、届け物。
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013
チュンチュンチュン、チュンチュン……
……んー、ん? 俺は……あぁ、あのあと寝ちゃったのか。
昨日は、色々あって、疲れてたんだっけ?
「朝。あの病院での朝も、こんなだったなぁ」
太陽が眩しい……
「ライルー! 起きた? 降りてきて!」
「うん! 分かった!」
ベットから降り、早々に着替えを済ました。
もう、ベビーベットじゃないって思うと、ちょっと寂しいかも。それに、クロヒが居なくなって、ちょうど3年……一体何処に行ったんだ。
色々考えながら、自分の部屋を出て、階段を降り始める。
「お母さん、今日何日?」
「今日は……えーと、5日よ。ライルが赤ちゃんだった頃が、昨日のように感じるわ!」
カレンダー無いから、親に聞くしかないんだよなぁ……こどもの日か……前世なら。
……あぁね、卒業式の時に親が言うやつね。
「僕は、もう5歳だよ! 赤ちゃんじゃない!」
「えへへ、そうね! さ、ご飯だから座って」
今日の朝御飯は……サンドイッチ!! やったー! 久しぶりのサンドイッチだぁー!
朝食のメニューを見て、階段を駆け足で降りる。
「いっただっきまーす!」
はんぐっ、、、
う~ん! 美味し! ……あれ? 父さんはまだ寝てるのか?
「お母さん。お父さんは?」
「あぁ、今日は早めに家を出たの。なにか、色々することがあるって言っていたような……」
へぇ。仕事かぁ。
特になにも思わないけど、引っ掛かるところがあるような気がするんだよな……
サンドイッチをひと口食べ、ミルクを飲み干した……
……なぁ、クロヒ……お前はいつ魔力が回復して俺に話しかけてくれるんだ?
お前が言った通り、魔法だって出来るようになったんだぞ! 始めは、ショボかったけど、お前が戻ってきたときにって、頑張ってきたんだぞ……!
お前は、もう俺の守神じゃないのか? もう、戻ってこないのか……?
3年間、俺が5歳になっても、顔を出してくれないじゃないか。
俺が、今どんな思いでお前を待っているか、知っているか? 一緒にいたのは、ほんの数日かもしれない。だけど、俺のこの世界での初めての友達だったんだぞ!!
いい加減、戻ってきてくれよ……
こんな、サンドイッチを食べながら言うことじゃないのかもしれないけど……!
……戻ってきたら、お前を殴ってやるからな!! 今までの分、全部返してやるからな!!
「ライル? 大丈夫? サンドイッチ美味しくなかった?」
「あ、うんん! 美味しいよ……! 僕、今日は食欲無いみたい……」
「無理しないでいいのよ」
「うん……ちょっと、外にいってくるね……」
寂しげな背中を残して、ライルは食卓の席をたった
チュンチュンチュン、チュン……
今日はどうしたんだろう……
「どうして、こんなことを……?」
何で、今になってクロヒのことを、思い出したんだ?
別に、クロヒが居なくても、寂しくなんか無いってのに……これじゃあ、クロヒがいなくなる日みたいじゃないか。
あのときも、俺はこんなふうに思い詰めてたんだっけ。
……あはは。何か、バカらしくなっちゃった。やめよう。いつも通りに過ごそう!
俺は、俺だ!!
「すみませーん! ライル君のお宅ですか~?」
突然、家の正門から声が聞こえてきた。
俺? しかも、名前で呼ぶか普通?
不信感を抱きながら、とりあえず正門に向かう。
「僕に何か用ですか?」
「あ! ライル君だよね! これ。今年の9月に、入学式があるから、良かったら、来てね!」
「……」
入学式? 良かったら、行く?
「俺は、キア。ライル君の1つ上だよ! よろしくね! それじゃあ、俺はもう一件行かないといけないから! じゃあね!」
……え? どう言うこと?
ありがとうございました!(*`・ω・)ゞ!




