属性……いや、ここは期待を胸に!!
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009
いよいよ週末。
今日は、両親と属性を調べに行く日。正直、属性は楽しみだけど、結果が怖い……転生なら、普通、全属性を持ってましたー! 的なノリになるんだろう。が、俺の場合は、1から始めろー! と言われているから、その結果はないだろう……まぁ、普通の子供として、属性を調べてもらおう。
『何もなかったりして! 属性ありません。残念!! 的な』
おい、まだ会って数日の奴によくもそんな冗談が言えるよな! もし俺じゃなかったら、一発で嫌われてたぞ。まぁ、前の俺なら即、殴りかかっていただろうな。
『またまたぁ、ご冗談を! そんな人に見えませんぞ!』
はいはい。キャラがブレブレですよ。最近の喋り方に合わせるのは良いけど、無理に合わせる必要もないと思う。
『うむ、確かに』
とにかく、俺が話しかけるまで、黙ってろよ。
『なぜ?』
もし、頭のなかで話してて、両親に不思議がられたらどうすんだ?
『おう、了解!』
「ライルー? リビングにいる?」
あ、母さんだ。そろそろ行くのか? 10時か。お腹が空いた気もしなくもないけど。我慢しよ。
「ううん。にかい!」
「じゃあ、パパが来るまで待ってて!」
はい、父さんが来るまで待ってます。
ぞろぞろと、家族3人が門から出てきた。
「よーし! いい天気だ! さあ、準備も出来たことだし、出発しよう!」
父さん……俺以上に、興奮してどうするんだよ! 俺の属性を見に行くんだぞ!
しかし、ここからどのくらいの距離があるんだろう? そう言えば、さっきの一歩は、この世界で初めての一歩だったわけか。
と、歩き出しながら思う。右手には母の、左手には父の手が繋がれている。
……あ! 俺、初めて両親の間で歩いた! 待て、初めてがありすぎて、気持ちが追い付いてこない‼
頭のなかで戦っているライルとは違い、ライルについてきたクロヒは、宙に浮きながら、まったりしていた。飛べるというのは便利である。
『いやぁ~、何年ぶりの外だ? 空気が美味しいなぁ。ずっと、家の中ってのは窮屈すぎるのう。たまにはこういうのもいいじゃろ』
……いま、クロヒなんか言ったか?
クロヒは、すぐさま口を手で押さえた。
『……』
気のせいか。いやぁ、この年にして幻聴を聞いたのか? それとも、この年だからこそ聞こえたのか?
「ライル、疲れてない? 休憩しようか?」
「ううん、だいじょうぶ!」
「あと少しよ。頑張りましょう!」
それにしても、家から結構歩いたはずなのに、全く疲れていない。前世の俺なら、その辺で倒れていてもおかしくないだろう。
『(前世のことは知らないが、それは、魔力が増えてきたからだ。)』
……ん?
ありがとうございました!(*^▽^)/★*☆♪




