0話、始まり
僕は小さな村の出身だったけど、ある時勇者として選ばれた。周りの期待に応えて頑張らないとな!
僕たちパーティは魔王と呼ばれる存在を倒した、けど相手はただ魔族に祭り上げられ魔王になった臆病な少女だった
魔王は必死に勇気を出して抵抗した、けど、、、僕たちには勝てなかった
魔王の胸に僕は剣を刺すと、魔王はある魔法と僕にお願いの言葉ををかけてきた
「どうかお願い、貴方が死ぬ時だけは負の感情と未練を持たずに死んで」
「じゃないと、、私達魔王の努力が無駄になる」
最初は意味がわからなかった、魔王を倒した僕たちは王都に帰還した、、が
魔獣たちを抑えてた魔王が居なくなり、各地で魔族が人間を活発に襲い出した
人間は魔王を倒した勇者達が悪だと言い出した、僕は迫害される仲間を守る為に僕はわざと人が傷つかないように王都で暴れて仲間を逃した
仲間たちは逃げてくれたと思った、けど、、、
「ごめんなさい、元々貴方は私達の仲間じゃない」
僕を追い詰めたのはかつての仲間たち、みんなには僕は仲間と思われてなかった。
仲間、、いや、あいつらは私利私欲や自己保身、貴族に媚びを売る為に僕を売った
黒い靄が僕の感情を揺さぶられながら中途半端に戦って
罵詈雑言をかけられながら僕は殺されたけど、、こんな顔をする人間が憎い
僕が何をした、お前らに何をした!
死に間際に思わず言ってしまった
「絶対、許さない、、」
その言葉を出した瞬間、魔王の魔法が発動して僕は意識が飛んだ
ーーーー
さぁ、仕事も終わったし帰って今月こそ貯金しよう!
「錬!どこ行くんだよ?」
仕事場の先輩が僕に声をかけてくる。僕は思わず動揺した
「あ、いや、、帰ろうかなと、、、」
「何言ってんだ、いくぞ」
僕の返答を先輩は無視してギャンブルに連れて行こうとする、、行きたくないのに
「いや、今日は帰りたいんですが」
「なんで?」
いつものように先輩はドスを効かせてくる
「えっ、、だって家のことをしたいんですが」
「別に今日やらなくてもいいだろうが」
「いや、でもそろそろ片付けないと、、」
「お前、俺の気持ちを踏みにじるのか?」
出た出た、、、何時もの定例ワード、、こっから断っても難癖つけて俺にお金を全出しさせるんだよね
めんどくさい、。嫌だ、、
「来なかったら知らんぞ!」
また殴られるのは嫌だし、、仕方ない、、また行くしかないのかな、、
、、、毎月毎月こんな調子で行きたくないギャンブルに行ってお金を使って、、30歳にもなって何してるんだろう
でもまだ給料はある、大丈夫、、
なんて考えて1週間経ったけど
「また極貧生活だ、、俺の人生ってなんなんだろ」
毎日俺の給料を目当てに金を無心してくる親に先輩たち、貯金したいのになぁ、、、
また5000円で次の給料まで極貧生活だ
もやしと水気を極限にまで水切りをし
冷凍から解凍した豆腐を炒めて塩で味付けした野菜炒めを作る
、、、肉?鶏肉すら高いし日持ちしない
毎日毎日変わらない飯を食べる、こんな人生に意味はあるのか?
、、、あれ?頭の中から何かが切れる音がした
なんだろ?すごく眠たい、、床でいいや、、寝よう
畳に倒れ込んだら一瞬で意識が飛んだ
10秒ほど意識が真っ黒になり、気づいたら真っ白な空間にいた
夢?かな
「初めまして!高城空真さんだよね?」
白い空間から知らない女性の声が響く、けど俺はそんな名前じゃない
「誰ですかそれ」
「、、、君の名前は?」
「五十嵐錬だ」
しばしの沈黙の後に甲高い声が悲鳴をあげた
「ごめんんん!人違いで殺しちゃった」
「おぃふざけろぉ!」
全力で久々に叫んだ
「なんて冗談です」
「どっちにしてもふざけろ!」
叫びから真面目な声に変わってもふざけろと言いたくなる
殺したとかタチの悪い夢だよね?
俺の前からから何か人らしきものが白い空間から出てきた、、けど
「、、、あれ?なんか、どこかで見たことある」
黒い服を着ていて淑女のような服だが妙に色っぽさを出している
「当たり前です、私は人の想像が作り出した想像神サキュバスですから」
「想像神?」
僕の疑問にサキュバスと名乗った女性が考える
「わかりやすく言うと、神話が無い神たちが想像神って解釈で良いですよ。もっと厳密に括るなら生まれたての神や名前だけもらって人々から放置された神になるんでしょうね」
サキュバスのにこやかな笑顔に思わず納得したが、論点ズラしをされてる
「なるほど、、って違う!夢ならさめろ!元に戻せよ!?」
いくら夢を覚ます方法を試すが、、覚めない。夢じゃないのか
俺の問いに笑顔で返すサキュバスは、、右手を上げ空間を開いた
空間には飯を食って寝た俺がいた、、が、、身体は腐っていた
「気持ち悪い、、、なんだよこれ」
「私がね、錬さんの脳の血管を、、こう、ぶちっと切りましたら」
「ちなみに大家さんが発見した後は皮膚と骨しかなかったらしいですがその状態で戻りたいですか?」
「いや、良いです、、」
蜘蛛膜下出血なら保険代が降りるだろうし親にはお金が行くから良いや、親不孝者と言われかねないけどね
俺は根本的な質問をしてみる
「なんで俺を殺した?」
サキュバスは俺の腐乱死体の映像を消してから真面目な顔で答える
「ある異世界を救って欲しい」
「俺無関係」
「でも無いのよ?」
「え?」
サキュバスは左手で空間を開くと、中世の玉座に列を並んでる男女がいる、、、あれ?見たことある人が並んでいる
「君を苦しめてた周りの先輩達や貴方の周囲の人間は一度この世界に召喚され、、狂った」
「どういうことだ?」
列の先端には個室があり、中には剣が置いてある
みんな剣を握るとすぐに手を離して頭を抱え出して笑ったり泣き出したりしているが、それよりも気になったのは
「はい次、良いですよ」
そんな人たちをそのまま割れた空間に入れ込んでる手慣れた兵士たちだった
「あいつらは何を?」
「あれね、勇者になるために召喚したって言って異世界人の知らない人に剣の邪気を吸わせてるの」
「なんで、、ってあれは!?」
見たら僕の周りにいた人達が剣を触り苦しみながら空間に入れられて行く
「何度見てもヘドが出る、まるで異世界人を使い捨てのゴミみたいに元の世界に戻してるのが更に胸糞悪くなります」
「ちなみに邪気を吸った人間は吸った時の記憶を失い何かしら思考に欠陥がでて自己中心的になり過ぎたり、酷い人はサイコパスになったりするんです」
「あいつらはなんでこんなことをしてるんだ?」
サキュバスはやれやれと言うのもヘドが出るって位な態度で言葉を発し出す
「あの剣の元々の力は悪意や邪気を吸い取りますが、、溜め込んだ邪気は強大すぎると剣が、、邪気を周囲に撒き散らすんですよ」
頭に疑問が浮かぶ、なんでそんな剣がそこにあるんだよ?
「なんでそんな剣が城にあるんだよ」
「あの剣が放置されたら邪気が魔素と混ざって本来生まれない魔物が産まれるの、だから管理するためにあそこにある」
「ちなみにあの剣の前適合者は怒りに身を任せ、大暴れしてその時の勇者に殺されてましたね」
「まて、聞きたいことができたぞ?」
「前適合者ですか?」
「ああ、俺みたいなやつが他にも?」
サキュバスはふふっと笑い髪をいじりだした
「いえ、あなたで2人目です。1人目は邪気に飲まれました」
「つまり、剣に耐えれなかった?」
「そうなんです、その点で言えば、、あなたは大丈夫ですよ」
「なんで?」
サキュバスは真面目な顔から笑顔に変えて答える、まるで太陽の笑顔でだ
「あは、あなたはずっとみんなの邪気を吸ってきたので耐性があるんですよ。むしろ体質が変わって邪気を吸い込み無効化してるみたいですね」
「周りが何かしら良く無いことであなたを頼ってたのはみなさんの本能があなたに邪気を吸って欲しかったから来てたのです」
納得してしまった、、つまりあの人達は、、助けを求めてきてたのか
「ああ、なるほど、、つまりあの世界と剣が原因で俺の人生はあんな形になったのか」
「ええ、、そうですよ」
この流れは復讐をしていい流れだよね?
「俺にどうしてほしい?」
「あの剣を持って、世界を旅してほしい」
まって、その答えは予想外だった
「あの国とかめちゃくちゃにしたいんだけど?」
「ダメです、ダメ」
「なんで!?」
復讐ルートにさせてくれよ!?
「あの剣は、、ああしたくてしてるんじゃ無いんです」
「どういうことだ?」
なんか、話がややこしくなりそうだぞ?迂闊になんかできなくなるじゃないか
「私は過去を知ってますがいい過ぎても面白くありません、ですので、、」
「あの世界で身体が14歳になるまで、寝なさい」
「ちょっと待て」
全力で止める、話がマッハで終わりに向かってた気がしたからだ
「なんですか?顔の希望があるのですか?」
「やるとも言ってないぞ?」
本当は内心やる気だがカマをかけてみる
「拒否権はありません、拒否しても無理矢理します」
「理不尽過ぎる!」
斜め上の強制かよ!?それひどくね?
「あと、14歳になるまでの人格はどうなるんだ?俺が起きたら消えるのか?」
「いいえ、それも貴方です。正確には思い出すんです」
「つまり、人格を消したりとか無いのか。よかった」
なんか安心した、俺は誰かを奪う事はないんだな
「、、、、やはり、貴方を選んで良かった」
「どうしてだ?」
どこに良かった要素あったよ
「教えません」
「ちょまってま」
「まだ言いたいことがあるなら、14歳になったら聞きますよ」
喋る途中で俺の体が崩れていき、口が崩れて喋れなくなり目が崩れて真っ黒になり耳が崩れて何も聞こえなくなった
「さて、、私は私のやる事をした。しっかり書にして私を、、、この世界で私の神話をつくってくださいね」