2.朝の支度
少なめですがよろしくです(笑)
「…お嬢様、起きてくださいませ。」
侍女の大きな声が部屋に響き渡るとエリティナはゆっくりと目を覚ます。エリティナは少し朝が苦手なため、目を覚ましてもすぐには立ち上がれずボーッと天井を見渡した。
侍女は目を覚ましたことを確認すると傍にあるカーテンを引いた。その隙間から日差しが入りまぶしくて布団を頭まで被るともう一人、専属執事であるアランが布団をエリティナから引き剥がした。
「おはようございます、お嬢様。」
その言葉で、眩しい日差しとともにアランと専属侍女であるカリンがエリティナの視界に入るが、二人は笑顔を見せているのに目が笑っていない。その様子を見ながらエリティナは笑いつつ、体を起こす。
「おはよう、カリンにアラン。」
そう、挨拶をしながら椅子まで歩くとアランがお茶を用意してくれる。
お茶を飲みながら乾いた喉を潤し、登城の支度をし始めた。着替えの手伝いは基本的にカリンがするのでアランには部屋から出てもらう。
今日の服はエリティナの瞳の色と同じアメジスト色のプリンセスラインのドレスである。髪はハーフアップにしてアクアブルーのリボンで結えば、支度は終わりである。
ちなみに、王族の禁色はスカイブルーである。
「はい、準備完了でございます。」
「ありがとう、それじゃあ食堂に行きましょうか。お父様やお母様がお待ちになっているわ。」
「そうですね」とカリンはいい、アランと一緒に食堂に向かうと
両親と兄のレオンが席に座り待っていた。レオンは騎士団の制服を着用していた。近衛騎士、第一騎士団は真っ白な生地に金色の刺繍が施されている。その姿はとても綺麗だ。レオンは父親に似た銀色の髪、母親似の橙色の瞳を持つので穏やかな見た目なのだが、戦いや怒った時は物凄く怖いと噂されるほどの冷徹な印象になるそうだ。そんなレオンは今は優しい目つきでエリティナを見る。妹のエリティナや両親には怒った姿を見せたことがないのだ。
「おはよう、エリティナ。よく眠れたか?」
「おはようございます、お父様。とてもよく眠れましたわ。」
「おはよう、ティナ。顔色が良いこと、よく眠れましたのね。」
「えぇ、お母様。お兄様もおはようございます。」
「おはよう、エリティナ」
そんな挨拶を交わしながらエリティナが席に座ったところで料理が運ばれる。
そうして、食事が終わると、四人は城に向かうために支度をしエントランスで待機していた馬車に乗り込んだ。
レオンは仕事に向かうのだが、結局一緒の時間に出ることになり四人で城へと向かうこととなった。
レオンは団長なのでいつもは少し出るのが早いが、今日だけは皆と合わせたようだった。
三話は早めに更新したいと考えていまーす!
新しい小説を同じ作家名で書くのでそちらの方もよろしくお願いします!!