第7話 いざっ!冒険者ギルドへ!①
門を潜り抜けると、そこは活気に溢れていた。町並みは中世を思わせるようなレンガ造りがほとんどで、真にとっては見慣れない街並みだった。
「うわぁ……」
このような街並みを見ることは、もちろん初めてだった。
(この町の人は…とても楽しそうに働くな…)
いろいろなことを思いながら街を歩く。
(まずは、冒険者ギルドを探すか…。誰かに聞いたほうが早いか?)
ふらふらと町をさまよっていると、風に乗ってたれの焦げたにおいが漂ってきた。
(ん……腹も減ってきたし一度何か食べるか…)
においの発生元へ向かっていくと、小さい屋台が見えてきた。店に立っているのはひげを生やしたおっさんだったが、こちらに気づくと真っ白な歯を覗かせてニカッっと笑い、「いらっしゃいっ!」と声をかけてきた。
「ここはどんな料理があるんだ?」
「ここでは主にゴブリンの肉を串刺しを焼いてるぞ!炭火でじっくりと焼き上げてるから肉汁が噛めば噛むほど染み出てくんだ!うめぇぞ!」
そんなことを言われたらいやでも食いたくなるだろう。
「なら3本くれ。味はなにがあるんだ?」
「1番人気は特製タレをつけて2度焼きしたやつで、後は塩焼きくらいしかねぇぞ」
「なら、タレ2つと塩1つくれ」
「まいどっっ!銅貨三枚だ!焼きあがるまで少し時間がかかるけどいいか?」
(おぉ…それはちょうどいい。ここでの常識や、ギルドの場所について聞いておこう)
「あぁ。なら話を聞かせてもらえないか?」
「いいけど、内容にもよるぞ…?」
「あぁ…ただの一般常識についてだからさ…」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この串焼き屋の親父、ベンというのだが、ギルドの場所以外にも金についてや、おすすめの宿について教えてくれた。
この世界には聖金貨・白金貨・金貨・銀貨・銅貨・鉄貨・石貨の7種類があるらしい。
日本円換算で次のようになる
・聖金貨→10000000円
・白金貨→1000000円
・金貨→100000円
・銀貨→10000円
・銅貨→1000円
・鉄貨→100円
・石貨→10円
基本的にこの世界の一般的な生活に必要なのは月に金貨1枚だ。平均的な収入は金貨2枚~3枚ということだ。
もちろん例外はある。それが『冒険者』だ。討伐任務などをこなしたりしていくと、多くの金貨を集めることが可能らしい。これから生活していく為にはやはり冒険者になる必要があるようだ。武器などの整備のためにもな。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ベンとの話も終わり、熱々の肉串もとてもうまかった。
「ベン。俺はこれから冒険者登録をしてくる。また飯を食いに来させてもらうよ。」
「おう!また来いよ坊主!今度は酒でも持ってこいや!がっはっはッ!!」
俺は当初の目的通り、冒険者ギルドへ向かった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しばらく歩くと立派な門構えが見えてきた。そこには冒険者ギルドの文字。真琴は少し緊張しながら、その扉を開いた。扉の奥には多くの人達がいて、多くの種族が楽しそうに会話している。
そんな中、通路を進み、受付カウンターの前にたどり着いたのであった。
「すまない、冒険者登録をしたいんだが…ここでいいのか?」
「ええ、こちらで会っていますよ。この書類に必要事項を記入してください。記入後は、こっちの水晶に手をかざしてもらいますようお願いします。」
「了解した」
真琴は言われるがままに空欄を埋めていく。
(自分が特殊だということがばれないようにしないとな…)
それがばれればなにをされるか分かったものじゃない。
(実験台とか研究のモルモットだとかは絶対に勘弁してほしい…。俺には達成しなければならない目標がるんだからな…)
そうこうしていると記入し終わった。
「これで大丈夫か?」
「あっ…はい大丈夫です。では最後にこ水晶に手をかざしてください」
真琴は防刃グローブを外して手をかざす。が、何も反応しない。
「はい!大丈夫ですね!ご協力ありがとうございます!」
「なにをしたんだ?」
「あ、この水晶で犯罪歴がないか調べたんです。犯罪を犯した人が近づくと濁るようになっているので。」
そんな力もあるのか…。やはり魔法はすごいな…。俺は使えないけどさ…。
「これで登録手続きは終了ですが、ギルドのシステムについての説明は必要ですか?」
真琴は「ぜひ頼む」と答えるのであった。