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異世界でもう一度……  作者: こーたん001
6/19

第6話 初めての装備、そして町へ…


「アイテムボックスオープンッ!」


 そんな声が響くと同時に、真琴の目の前に空間の歪みができる。


 視界には何が入っているのか、わかりやすい表にまとまって表示されている。ボックス内には、目的のカタログと、なぜか手紙が入っていた。


「……ん?なんでこんなところに手紙が?」


 勿論、そんな手紙を入れた覚えはない。すると可能性は、一つしか残らない。


「セラからか…?」


 恐る恐る、手紙を選択してボックスから取り出そうとした。が、まず第一にやらなければならないことを思い出し、当初の目的のカタログに手をかける。


(まずは装備が必要だな。こんなところだしな。何が出てくるかわからない。手紙は町についてからゆっくり読むとしよう)


 心の中で、そう結論付けた真琴は、空間の歪みから、目的のカタログを出した。


「重ッッ……!!!」


 想像以上の重さのカタログだったため声が漏れる。ゆっくりと地面に置くと、自分も座り込み、カタログを覗き込んだ。


(これは想像以上にすごい…。)


 このカタログには、もともと真琴が生まれ育った世界の武器・兵器が大量に記載されていたのだ。それ以外にも防具なども多く記載されている。


「これって…武器召喚っていうのかよ?」


 これにはたまらず、苦笑いを浮かべた。


(まぁ、無いよりましだからいいけどさ)


 そんなことを思いながらページをめくっていく。どの武器を装備するべきかを考えながらだ。


 ただただ、かっこいいからなどと楽観的に選ぶことは問題外だ。自分がどの武器をまず持つのかは使い勝手の良さや、目立ちにくさなどが重要視されるだろう。


 さらに、今の真琴にはこの世界の金銭の価値を理解していない。ゆえにどれだけ慎重に選択するのかが、自分の命を左右するのだ。


(基本的にはハンドガン系が金貨20、ライフル系が金貨40…買うならこの辺だろうな。ほかにも弾薬やコート…防具系統も欲しいから…最初はハンドガンかな…)


 今の全財産である金貨100枚は装備を買うのだけではなく、生活費も兼ねている。そのため半分の金貨50枚程度は残しておきたかったのだ。


(威力を優先するべきか…だが命中率が…) 


などといろいろ考えていたら、なんやかんやで小一時間が過ぎ、結局、初期の装備は次のものに決まっ

た。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

武器 デザートイーグル.50AE(マガジン3・ホルスター)

   スミス&ウェッソン CK5TBS(カバー付き)

防具 防刃コート&防刃グローブ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 と、これで丁度金貨50枚だ。

 武器の説明だが、今回選択したデザートイーグルは大型拳銃と呼ばれている。威力は高いが、反動が強い。正直悩んだのだが自身の持つユニークスキル【オートエイム】を思い出した。その効果によって、1発目は高確率で命中する。それゆえに、最初の銃はこれにした。なお、装弾数は7+1発の計8発。それを予備も含め3つ用意した。


 次にスミス&ウェッソン CK5TBSだが、こちらは所謂ナイフだ。もし近接先頭になった場合、対抗手段としても使えるし生活面でも使えるからだ。選んだ理由は真の趣味だ。勿論性能も高くいい品であることは間違いない。


 防具には防刃コートとグローブを選択した。防刃コートは自分の武器も隠すことができ、防具としても使えるからだ。


(こんな感じでいいか…しかし早めに金を稼ぐ方法を考えないとな…)


 そんなことを考えながら、ホルスターにデザートイーグルやマガジン、ナイフをしまいその上からコートを着込む。


(さて、ようやく準備が整った…。ここから町まではおよそ10km…頑張れば今日中に着けるか?)


 とりあえず、マップを使用した状態で行動を開始する。移動手段は今のところ徒歩のみなのでただひた

すらに町へ向かって歩き始めたのだった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 しばらく歩き続け、日が傾き始めると丁度真は町を目視で確認することができた。その町の名前は【レピオド】。王国の中では中規模都市にあてはまる大きさだ。


「やっと着いたか…」


 疲れた口調でつぶやく真琴。ただ、今はそれよりも、この世界に来てから始めてみる町に興味津々である。


(まずは、仕事を探して…。基本的にこういう世界には冒険者ギルドがあるからそこで登録して、宿を探すか…)


 そう決めた真琴は再び町へ歩き始めついに門の前までたどり着いた。


 すると「おいっ!そこのコートを着込んでいる男!こちらに来いっ!」と兵士の格好をした男に話しかけられた。「なんだ?」と一言返すと、身分証明書の提示を求めてきた。真は文句ひとつ言わずに自分の身分証明書(隠蔽のスキルを使用済み)を提示した。


(本物を見せたりしたらどんな目に合うかわかったもんじゃない…。)


 内心は結構不安だった真琴だが、それは杞憂に終わった。


「確かに確認した。すまなかった。最近は治安が悪くてピリピリしていたんだ」


「特に問題は無いです。これもあなたの仕事でしょう?」


「そう言ってくれるとありがたい。」


真琴の口調が変わっているが、相手に対して敬意を払っている……というのもあるが、相手にいい印象を与えためだ。


(こういう口調は苦手なんだよなぁ……)


 そんなこととは思っていない兵士は真琴へ向かって


「改めて、ようこそ!レピオドの町へ!ゆっくりしていってくれ!」


大きな声で歓迎してくれた。


(なんだかんだ、この人いい人じゃないか…)


そんなことを思いながら、真琴は町の門をくぐったのだ。


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