第18話 帰り道の戦闘②
大変遅くなり申し訳ありません。様々な用事が重なってしまいこのような期間開けてしまいました。今後も不定期で掲載します。長文を心掛けたいのですが今回はネタが浮かばなかった為短めです。
レイとの連携の確認を含めた一戦。こちらはレイと2人。相手は多数の魔獣たち。真琴とレイはどのような戦いを見せるのだろうか。
今、戦いが始まろうとしている。
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真琴はホルスターからデザートイーグルを抜いた。が、落ち着いて考えれば、別に拳銃でなくてもいいはずだ。とりあえずデザートイーグルをホルスターに戻し、ふと自分の装備を見直す。
レイは「何してる?」と視線で訴えるように真琴を見続ける。
「この作戦で行けるか…?」
ボソッと一言呟くとグレネード系統の装備をすべて、それに加えて新しくカタログからプラスチック爆弾。いわゆるC-4を取り出す。
「レイ。今から俺がこいつらを使って誘導をかける。ある程度目標が固まったと思ったら魔法を一発お見舞いしてやれ。」
「できるか?」と問うことはなかった。何となく雰囲気で理解したのだ。レイは失敗しないと。
『不安要素は俺だけか…』
自分が作戦を立てて攻撃を行うことはほとんどなく、今まではノリとか何となくとかでやってきた為、やはり不安がこみあげてくる。
「まぁ、やるだけやりますかぁー!」
真琴は一言気合を入れるように呟くと、作戦実行のための準備に入った。
まず、魔獣たちの正面にC-4をできるだけ設置する。そして真琴は爆発に巻き込まれないところまで退避。レイも同じくらいまで後退して待機する。
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え?終わりですよ?何そんなに期待してるんですか?…え?もっと面倒な仕掛けかと思った?嫌だよ。だって面倒なんでしょ?だったら嫌だよ…。
なんてくだらない回想をしているうちにC-4を仕掛けた付近まで魔獣の群れは接近していた。
「じゃ。始めるぞ。」
「うん。」
2人は簡潔に作戦を開始する。
それと同時に真琴はスイッチを取り出し、ボタンを押す。その瞬間、先ほど設置していたC-4が大爆発を起こす。
先頭を走っていた魔獣数体は巻き添えにすることができたが大半は健在だ。今はまだ爆発の影響で足が止まっているだけである。
その機会を逃すものかと真琴はスタングレネードを群れの中にありったけ投げ込んでいく。スタングレネードの強烈な閃光と爆音で魔獣たちの足は完全にストップし、いい感じに固まっていた。
すかさず真琴はレイに合図を送る。大きな声で。
「ぶ・ち・か・ま・せ!!」と。
それを受け取ったレイは水属性の上位に位置する氷結属性魔法の広域攻撃魔法【氷の世界】を発動。
この魔法は術者本人が指定したポイント一帯を凍らせるという単純かつ恐ろしい魔法である。
ちなみにこんな恐ろしい魔法を簡単に発動させてしまった本人はドヤ顔で真琴を見つめていた。
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しばらく時間がたつと氷も解け始め、討伐証明の部位をはぎ取ることができるようになった。
この作業は勿論真琴がやっている。理由はとどめを刺したのはレイで、真琴が手伝ってほしいと言おうとした瞬間無言の圧力が襲ってくるからである。
「これじゃあ連携の確認というよりも上下関係の確立といった方が正しいのでは…」
「何か、言った?」
「い、いや…何にも言ってないけど…」
「やっぱり、わたしも、手伝おうか?」
高圧的かと思えば優しくしてくれもする。魔法の能力も高く、自分の作戦を即座に理解し、実行することができる。この戦いでは連携の確認だけではなく、レイについて理解したとともにレイについての謎が深まった。そう感じた真琴であった。
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結局真琴達が門にたどり着いたのは翌日の昼前であった。
なぜかは簡単なことでレイの魔法【氷の世界】で氷らせた魔獣の解凍(?)思った以上に時間がかかったのだ。
解け始めは意外と早くある程度の剥ぎ取りが終わったため移動しようと思った真琴だったがこの男、金欲しさにもう少し、もう少しと粘っていたら結局完全に解凍されるまで待ってしまい、こんな時間になってしまったのだ。おかげでレイのご機嫌は斜めになっていた。
「なぁレイ…。悪かったって。もう気を付けるからさ…」
「ぷい。」
「どうしても金が亜必要だったんだって…」
「なんで?」
真琴は考える
『ここでただスキルの為とか言ってもレイの機嫌は直らないだろうし…。あ、いいこと思いついたぞ…』
そしてレイに向かってこう発言する。
「実はな…。レイって町に来るの初めてだって言ってたから、おいしいものを食べたり遊んだりするため
にたくさんの金が必要だと思ったんだ…。それで機嫌を悪くしたんなら悪かった。」
その瞬間レイは目の色を変えてこちらに顔を向けた。それはもう首がねじ切れそうな勢いで。
「それ、ほんと?」
「あ、ああ。勿論!レイの為にどうしても金が欲しかったんだ」
「なら許す。はやく、遊びに行こう!」
「レイまてって!まずは入門の手続きしてから、宿によったりやることはまだまだあるんだぞ!?」
真琴はこのやり取りをとてつもなく後悔するのだが、彼はそれをまだ知らない…。
読んでくださりありがとうございます。次回からは町中編をやると思います。お待ちください!